結論:ボイラーの附属品は、構造規格の「何を、どこに、どの性能で備えるか」と、ボイラー則第28条の「使用中にどう管理するか」を分けて覚えます。安全弁の個数や圧力計の最大指示値は構造基準、最高使用圧力の表示や凍結防止は管理基準です。
現行のボイラー構造規格は2026年4月1日から電子式圧力計にも対応しました。機械式の文字盤を前提にした古い表現だけで覚えず、指示値を確実に確認でき、停電時も有効に機能するという性能で理解しましょう。
法令確認基準日:2026年7月28日
根拠はボイラー及び圧力容器安全規則第28条と、2026年4月適用のボイラー構造規格第62〜72条です。既設設備には経過措置が関係する場合があるため、実機の適合判断は検査機関・所轄労働基準監督署へ確認してください。
構造基準と管理基準の違い
ボイラー構造規格
安全弁の個数・取付位置、圧力計の性能、水面計の個数・取付位置などを規定。
ボイラー則 第28条
作動圧力、凍結・高温・振動の防止、圧力・水位の表示、配管防護などを規定。
「安全弁は2個」という数の規定は構造規格第62条です。一方、「安全弁を最高使用圧力以下で作動するよう調整する」は管理規定第28条です。出典の階層が違っても、試験では両方が法令分野から問われます。
安全弁は個数と調整圧力を分ける
| 確認点 | 原則 | 例外・補足 |
|---|---|---|
| 個数 | 蒸気ボイラーに2個以上 | 50m²以下は1個可 |
| 取付け | 本体へ直接・弁軸は鉛直 | 容易に検査できる位置 |
| 調整 | 最高使用圧力以下 | 複数弁の他方は3%増以下可 |
| 過熱器 | 出口付近に備える | 胴の安全弁より先に作動 |
安全弁が2個以上ある場合、1個を最高使用圧力以下で作動するよう調整すれば、他の安全弁は最高使用圧力の3%増以下にできます。たとえば最高使用圧力1.0MPaなら、基準となる1個は1.0MPa以下、他方は1.0×1.03=1.03MPa以下です。すべてを1.03MPaに設定できるわけではありません。
過熱器用安全弁は胴の安全弁より先に作動させます。蒸気の流れを確保し、過熱器管の温度上昇を抑えるためです。実際の吹出し・調整は設備の取扱説明書と整備手順に従い、「安全弁・水面計・吹出し操作」も確認してください。
圧力計は最大指示値・取付け・管理を見る
鋼製蒸気ボイラーでは、蒸気部、水柱管または蒸気側連絡管に、指示値を確実に確認できる圧力計を取り付けます。最大指示値は、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下です。「常用圧力の1.5〜3倍」ではありません。
計算例:最高使用圧力0.8MPaのボイラーなら、圧力計の最大指示値は0.8×1.5=1.2MPa以上、0.8×3=2.4MPa以下です。最大指示値1.0MPaも3.0MPaも範囲外です。
- 蒸気が直接圧力計へ入らない構造にする
- コック・弁の開閉状態を容易に確認できるようにする
- 連絡管を容易に閉塞しない構造にする
- 停電時にも有効に機能させる
使用中の管理では、機能を害する振動を避け、内部が凍結または80℃以上にならない措置を講じます。さらに、圧力計または水高計の目盛に、最高使用圧力の位置を見やすく表示します。法令は「赤色」とまでは定めていません。
読む
指示値を確実に確認
守る
蒸気・振動・凍結・80℃以上を防ぐ
比べる
最高使用圧力を表示
備える
停電時にも有効
水面測定装置は原則と例外がある
鋼製蒸気ボイラーでは、原則としてガラス水面計を2個以上取り付けます。ただし、貫流ボイラーの扱いや多管式貫流ボイラーの個数、他形式へ置き換えられる条件には例外があります。「蒸気ボイラーなら例外なく2個」とは断定できません。
- 多管式貫流ボイラーはガラス水面計1個以上
- 胴内径750mm以下、または遠隔指示水面測定装置を2個備える蒸気ボイラーでは、所定の条件で1個を別形式にできる
- ガラス管の最下部を安全低水面の位置に合わせる
- 随時、掃除・点検できる構造にする
験水コックを別形式の水面測定装置として使う場合、原則3個以上を同等の高さ範囲へ設け、最下位のものを安全低水面に合わせます。小径・小伝熱面積の蒸気ボイラーには2個とできる例外があります。
使用中の管理では、蒸気ボイラーの常用水位を、ガラス水面計またはその近くに、現在水位と比較できるよう表示します。「最高水位」や「安全低水面を表示する」という入れ替えに注意してください。
第28条の管理事項を8項目で整理
| 対象 | 管理内容 |
|---|---|
| 安全弁 | 最高使用圧力以下。複数弁の例外は3%増以下 |
| 過熱器安全弁 | 胴の安全弁より先に作動 |
| 逃がし管 | 凍結しないよう保温等 |
| 圧力計・水高計 | 振動、凍結、内部80℃以上を防ぎ、最高使用圧力を表示 |
| 水面表示 | 常用水位を現在水位と比較できるよう表示 |
| 連絡管等 | 燃焼ガスに触れる管を耐熱材料で防護 |
| 温水返り管 | 凍結しないよう保温等 |
燃焼ガスに触れる場合に耐熱材料で防護するのは、給水管、吹出管、水面測定装置の連絡管です。管理の法定事項を、附属品の構造基準や作業主任者の職務と混ぜないことが得点につながります。
温水ボイラーは120℃を境に考える
鋼製温水ボイラーでは、水温120℃以下なら、最高使用圧力に達すると直ちに作動する逃がし弁を備えます。容易に検査でき、圧力を最高使用圧力以下に保てる逃がし管を備える場合は例外です。水温が120℃を超える温水ボイラーには、安全弁を備えます。
温水ボイラーには本体または温水出口付近に水高計を取り付けますが、圧力計で代えることができます。また、出口付近の温水温度を表示する温度計が必要です。鋳鉄製ボイラーには別条の細部があるため、設備形式まで確認してください。
理解度チェック
【問1】最高使用圧力1.0MPaの蒸気ボイラーに安全弁が2個ある場合、正しい調整はどれですか。
(1) 両方1.03MPa以下
(2) 1個1.0MPa以下、他方1.03MPa以下
(3) 1個1.03MPa以下、他方1.10MPa以下
(4) 両方1.5MPa以下
(5) 常用圧力だけで決める
【問2】最高使用圧力0.8MPaの鋼製蒸気ボイラーで、圧力計の最大指示値として範囲内のものはどれですか。
(1) 0.8MPa
(2) 1.0MPa
(3) 1.6MPa
(4) 2.5MPa
(5) 3.0MPa
【問3】ボイラー則第28条の管理事項として正しいものはどれですか。
(1) 圧力計に常用圧力を表示する
(2) 蒸気ボイラーに最高水位を表示する
(3) 圧力計内部を90℃未満に保つ
(4) 温水ボイラーの返り管を凍結しないよう保温する
(5) 給水管を燃焼ガスへ直接さらす
【問4】鋼製蒸気ボイラーの水面測定装置について正しいものはどれですか。
(1) 全形式でガラス水面計は必ず2個
(2) 多管式貫流ボイラーは1個以上
(3) ガラス管の中央を安全低水面に合わせる
(4) 常用水位は表示してはならない
(5) 験水コックは常に1個でよい
まとめと公式確認先
構造規格では個数・位置・性能を、ボイラー則第28条では使用中の調整・保護・表示を確認します。数値だけでなく「最高使用圧力か常用圧力か」「構造か管理か」を見分けると、選択肢の入れ替えに強くなります。
法令確認基準日・最終更新日:2026年7月28日
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