二級ボイラー技士 関係法令

【二級ボイラー技士・法令】ボイラー取扱作業主任者の選任と職務(就業制限・免許区分)

ボイラー取扱作業主任者とは?

ボイラーを使用する事業場では、ボイラー取扱作業主任者を選任しなければなりません。これは労働安全衛生法で定められた義務です。

作業主任者は、ボイラーの安全な運転を監督する責任者で、ボイラー技士免許を持っている人の中から事業者が選任します。

なぜ作業主任者が必要?
ボイラーは高温・高圧の設備です。複数の作業員がいる現場で、責任者がいないとバラバラに操作して事故のリスクが高まります。作業主任者は「安全運転の責任者」として、運転管理やメンバーへの指示を行い、事故を未然に防ぐ役割を担います。

免許の区分と取扱い範囲

ボイラー技士の免許は3段階あります。免許の級によって、作業主任者として選任できるボイラーの規模伝熱面積の合計)が異なります。

免許の級 作業主任者になれる範囲
特級ボイラー技士 すべてのボイラー(制限なし)
一級ボイラー技士 伝熱面積の合計が500m²未満
二級ボイラー技士 伝熱面積の合計が25m²未満

重要な区別

作業主任者に選任される → 免許の級に応じた伝熱面積の制限あり
・ボイラーの取扱い作業に従事する → 二級以上の免許があればどんな大きさのボイラーでもOK

現場イメージ
大型のビルに伝熱面積合計30m²のボイラーがあるとします。二級ボイラー技士では作業主任者になれません(25m²未満まで)。一級以上の免許を持つ人を作業主任者に選任する必要があります。ただし、二級免許を持つ人がそのボイラーの運転作業を行うことは問題ありません。

試験のポイント
「二級=25m²未満」「一級=500m²未満」「特級=制限なし」は最頻出!
「作業主任者の選任」と「取扱い作業への従事」の区別も重要です。従事するだけなら二級でどんなボイラーでもOKです。

伝熱面積の合算ルール

事業場に複数のボイラーがある場合、伝熱面積の合計で作業主任者の免許要件が決まります。ただし、以下の特例があります。

伝熱面積の算入に関する特例

  • 貫流ボイラー:伝熱面積を10分の1に換算して合算する(保有水量が少なく安全性が高いため)
  • 廃熱ボイラー:伝熱面積を2分の1に換算して合算する

計算例
事業場に以下の3台のボイラーがある場合:
・通常のボイラー:伝熱面積 15m²
・貫流ボイラー:伝熱面積 50m² → 50 × 1/10 = 5m²
・廃熱ボイラー:伝熱面積 8m² → 8 × 1/2 = 4m²

合計:15 + 5 + 4 = 24m²(25m²未満なので二級でOK)

試験のポイント
「貫流ボイラーは10分の1」「廃熱ボイラーは2分の1」で換算。この換算を使った計算問題が出題されることがあります。

就業制限

ボイラーの取扱い作業は就業制限の対象です。ボイラーの定義と適用範囲で学んだ3つの区分によって、必要な資格が異なります。ボイラー技士免許を持っていない人はボイラーの取扱い作業に就くことができません

区分 必要な資格
ボイラー ボイラー技士免許(二級以上)
小型ボイラー ボイラー取扱い技能講習修了(または免許)
簡易ボイラー 特になし

ボイラー取扱作業主任者の職務

作業主任者は、以下の業務を行う義務があります。

作業主任者の職務(ボイラー則 第25条)

  • 圧力・水位・燃焼状態を監視すること
  • 安全弁の機能の保持に努めること
  • 1日1回以上水面測定装置の機能を点検すること
  • 適宜、吹出しを行い、ボイラー水の濃縮を防ぐこと
  • 給水装置の機能の保持に努めること
  • 低水位燃焼しゃ断装置、火炎検出装置その他の自動制御装置を点検・調整すること
  • ボイラーについて異状を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること

現場イメージ
作業主任者は毎日の巡回で圧力計・水面計を確認し、安全弁がちゃんと動くかチェックし、必要に応じてブロー(吹出し)を指示します。何か異常があればすぐに対処する ─ まさに「ボイラーの安全を守る現場のリーダー」です。附属品の取扱い(安全弁の調整・水面計の機能試験・吹出し操作)で学んだ内容が、作業主任者の職務として法律に定められているのです。

試験のポイント
「水面測定装置の機能点検は1日1回以上」は頻出。また「排ガスの測定・分析」は作業主任者の法定職務には含まれていないので、引っかけ問題に注意しましょう。

理解度チェック

ここまでの内容を確認してみましょう!

【問1】伝熱面積の合計が20m²のボイラーについて、取扱作業主任者に選任できる最低限の免許はどれか。

(1)特級ボイラー技士 (2)一級ボイラー技士 (3)二級ボイラー技士 (4)ボイラー取扱い技能講習修了者 (5)ボイラー整備士

解答を見る

正解:(3)二級ボイラー技士
二級ボイラー技士は伝熱面積の合計が25m²未満のボイラーの作業主任者に選任できます。20m²は25m²未満なので二級で対応可能です。

【問2】貫流ボイラーの伝熱面積を合算する際の換算率として、正しいものはどれか。

(1)2分の1 (2)3分の1 (3)5分の1 (4)10分の1 (5)換算不要(そのまま合算)

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正解:(4)10分の1
貫流ボイラーは保有水量が少なく安全性が高いため、伝熱面積を10分の1に換算して合計します。廃熱ボイラーの場合は2分の1です。

【問3】ボイラー取扱作業主任者の職務として、法令で定められていないものはどれか。

(1)圧力・水位・燃焼状態の監視 (2)1日1回以上の水面測定装置の機能点検 (3)排ガスの成分分析 (4)安全弁の機能の保持 (5)異状を認めたときの必要な措置

解答を見る

正解:(3)排ガスの成分分析
排ガスの成分分析は、ボイラー取扱作業主任者の法定職務には含まれていません。作業主任者の職務は、圧力・水位の監視、安全弁の機能保持、水面測定装置の1日1回以上の点検、吹出し、異状時の措置などです。

まとめ

この記事のポイント

  • ボイラー使用事業場はボイラー取扱作業主任者を選任する義務がある
  • 選任要件:二級=25m²未満、一級=500m²未満、特級=制限なし
  • 作業への従事は二級以上の免許があればどの規模でもOK
  • 伝熱面積の換算:貫流ボイラー=1/10、廃熱ボイラー=1/2
  • 作業主任者の職務:圧力・水位監視、安全弁保持、水面測定装置の1日1回以上の点検、吹出し等

次回は性能検査・定期自主検査を解説します。ボイラー検査証の更新に必要な検査の流れを学びましょう!

試験頻出ポイント

  • 免許区分:二級=25m²未満、一級=500m²未満、特級=制限なし
  • 「作業主任者の選任」と「取扱い作業への従事」の区別(従事は二級でどの規模もOK)
  • 伝熱面積の換算:貫流ボイラー=1/10、廃熱ボイラー=1/2
  • 水面測定装置の機能点検は1日1回以上
  • 「排ガスの測定・分析」は作業主任者の法定職務に含まれない(引っかけ注意)

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