ビル管理士の正式名称は「建築物環境衛生管理技術者」です。試験を受けるには、対象用途の建築物で環境衛生上の維持管理を本来・主要業務として反復継続し、証明日時点で2年以上従事している必要があります。
2026年度(第56回)は、受験申込が6月15日に終了し、試験日は10月4日(日)、受験料は17,900円です。初めて受験する人は「勤務年数」だけで判断せず、建物の用途・担当業務・証明方法の3点を先に確認しましょう。
制度・日程確認日:2026年8月13日。日本建築衛生管理教育センターの第56回試験情報・試験概要・国家試験Q&A、厚生労働省の制度案内と第55回結果を照合しています。日程・手数料・申込方法は年度ごとに変わる可能性があるため、申請時は必ず当年度の受験の手引を優先してください。
結論|最初に確認する5項目
| 確認項目 | 2026年度の内容 |
|---|---|
| 試験日 | 10月4日(日) |
| 申込期間 | 5月7日〜6月15日(終了) |
| 受験資格 | 対象実務を証明日時点で2年以上 |
| 試験 | 7科目・180問・午前午後各3時間 |
| 受験料 | 17,900円(非課税) |
| 合格発表 | 11月10日(火)10時 |
2026年度の申込はすでに終了しています。申込済みの人は9月9日発送予定の受験票を確認し、9月18日時点で届かなければ実施機関へ問い合わせます。未申込の人は、次年度公表を待つ間に実務従事証明の準備と学習を進めるのが現実的です。
ビル管理士は何をする資格か
一定の用途・規模に当たる特定建築物では、所有者等が免状保有者の中から建築物環境衛生管理技術者を選任します。管理技術者は、空気環境、給排水、清掃、防除などの維持管理が建築物環境衛生管理基準に従うよう監督します。
ただし、「設備を自分ですべて修理する責任者」という意味ではありません。測定・点検・清掃等の実施状況を確認し、必要があれば所有者等へ意見を述べ、関係業者と是正を進める役割です。職務と兼任条件は「建築物環境衛生管理技術者の職務と選任」、特定建築物の用途・面積判定は「建築物衛生法と特定建築物」で詳しく整理しています。
最重要|「受験できる建物」と「選任が必要な建物」は同じではない
ここが旧稿で最も誤解を招いていた部分です。たとえば、共同住宅や病院での設備管理経験は、公式案内上、受験資格の対象用途に含まれ得ます。一方、共同住宅や病院であることと床面積だけを理由に「特定建築物だから管理技術者の選任が必須」とは判断できません。
混同しないための一言
受験資格はあなたの実務経験を判定し、選任義務は建物の法的区分を判定します。似ていますが、別の確認です。
受験資格|用途・業務・期間の3段階で確認
1.建物の用途
公式案内が示す主な対象は、興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校・研修所、旅館・ホテルと、これらに類する用途です。類似用途の該当例には、共同住宅、保養所、寄宿舎、保育所、老人ホーム、病院等が挙げられています。
一方、もっぱら倉庫、駐車場、工場、駅舎、寺院・教会、自然科学系研究所、一定の体育施設、通信施設、発電所等は非該当例です。複合用途や公式一覧にない建物は自己判断せず、国家試験課へ確認します。
2.担当した業務
対象実務には、空気調和、給水・給湯、排水、ボイラ、電気の設備管理、清掃・廃棄物処理、ねずみ・昆虫等の防除があります。設備管理は、運転・保守・環境測定・評価等を行う業務です。
「ビルに出入りしていた」だけでは足りません。防災・警備だけ、機器の設置工事だけ、修理専業、メーカーのアフターサービスとしての巡回点検等は、公式案内上の対象実務とは扱われません。外注業者へ発注する立場でも、本人が技術的な維持管理を主要業務として行っていたかを職務内容で確認する必要があります。
3.証明日時点で2年以上
試験日までの見込み期間は足せません。実務従事証明書の証明日時点で2年以上が必要です。異なる時期の実務は通算できる場合がありますが、重複期間を二重に数えることはできません。初めて申請する人は、勤務先の証明担当へ早めに相談しましょう。
2026年度の申込方法|初回は郵送、条件を満たす再受験はネット可
実務従事証明書を作成
2026年度は郵送申請
開催回・受験番号を登録
ネット申込が可能
受験票の到着確認
会場は受験票で確認
初めて受験申請する人と、実務従事証明書の代わりに使える有効期間内の受験票がない人は、2026年度は郵送申請でした。インターネット申込は、条件を満たす再受験者向けです。再受験でも登録は毎年必要です。
次年度の申込方法が同じとは限りません。前年の書式を流用せず、公開後の受験の手引と国家試験Q&Aを確認してください。
試験科目|180問を午前90問・午後90問で解く
午前・午後とも90問を3時間で解くため、平均は1問2分です。全7科目を同じ日に受けます。科目ごとの出題範囲と学習順は「午前3科目の出題傾向と攻略法」「午後4科目の出題傾向と攻略法」へ分けています。
合格基準|総得点だけでなく7科目すべてに足切りがある
最新公表済みの2025年度(第55回)は、各科目40%以上かつ全科目合計65%以上が合格基準でした。180問の65%は117問です。ただし117問以上でも、1科目が40%未満なら合格できません。
7科目すべて40%以上
→ 基準を満たす
構造概論が15問中5問
→ 33.3%で足切り
15問科目の構造概論と防除は6問正解で40%です。「15問中6問を落とすと不合格」ではなく、正しくは6問以上正解が必要です。当年度の合格基準は、試験後に公表される公式資料で最終確認してください。
最新合格率|2025年度は30.6%、年度差が大きい
| 年度 | 受験者 | 合格率 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 9,413人 | 17.9% |
| 2023年度 | 8,232人 | 22.1% |
| 2024年度 | 7,593人 | 23.2% |
| 2025年度 | 7,131人 | 30.6% |
2025年度は7,131人が受験し、2,180人が合格しました。直近4年だけでも17.9〜30.6%と差があるため、「毎年5人に1人」「合格率は平均19%」と固定して考えるのは不適切です。2025年度の30.6%だけを見て、2026年度も同じ難易度だと予想することもできません。
合格率より学習計画へ落とし込みたい人は「ビル管理士の勉強法と5か月学習計画」を使ってください。教材を増やす前に、公式過去問題で現在地を測る方が優先です。
試験合格後|自動交付ではなく免状申請が必要
試験に合格しただけで免状が自動的に届くわけではありません。合格後、厚生労働省へ新規交付申請を行い、厚生労働大臣から免状の交付を受けます。さらに、免状取得と特定建築物の管理技術者への選任も別の手続です。
- 試験を受けて合格する
- 厚生労働省へ免状の新規交付を申請する
- 免状の交付を受ける
- 必要な建物で所有者等が管理技術者を選任・届出する
厚生労働省は、申請書類到達から免状発送まで約1か月を目安として案内しています。様式が改正されることがあるため、合格時点の「建築物環境衛生管理技術者について」から最新様式を取得します。
講習会ルートとの違い|「実務5年」と一括りにしない
免状は、国家試験合格のほか、登録講習会の課程修了でも申請できます。ただし、講習会の受講資格は学歴・保有免許等と実務経験の組合せで変わり、「全員が実務5年」とは限りません。
日本建築衛生管理教育センターの2026年度案内では、講習は合計101時間、受講料は129,000円です。国家試験は実務2年以上・17,900円ですが、合格を保証するものではありません。費用だけで決めず、自分が講習会の受講資格を満たすか、連続日程へ参加できるか、試験学習を選ぶかを公式要件で比較します。
理解度チェック|申込前に迷いやすい4問
【第1問】病院で空調・給排水設備の維持管理を3年担当した人の説明として、最も適切なのはどれか。
- 病院は必ず特定建築物なので、無条件で受験できる
- 病院は特定建築物ではないため、実務は一切認められない
- 病院は受験資格の対象用途例だが、業務内容と証明も確認する
- 床面積3,000㎡以上なら実務期間は不要である
- 空調担当者は5年以上でなければ試験を受けられない
【第2問】2026年度に初めて受験し、実務従事証明書が必要な人の申込方法はどれか。
- 試験当日に証明書を持参する
- 電話だけで申込む
- インターネットだけで申込む
- 受験の手引に従って郵送申請する
- 勤務先が自動的に申込む
【第3問】2025年度基準で、合計130問正解でも構造概論が15問中5問だった。判定はどれか。
- 合格。合計が117問を超えるため
- 合格。構造概論は15問しかないため
- 保留。午後科目は足切り対象外のため
- 不合格。構造概論が40%未満のため
- 翌年は構造概論だけ受ければよい
【第4問】2026年度試験に合格した後の流れとして、最も適切なのはどれか。
- 合格日に免状が自動発行される
- 厚生労働省へ免状交付申請を行う
- 勤務先へ申告するだけで免状が届く
- 翌年の講習会を101時間受ける
- 都道府県ごとに同じ試験を受け直す
次に読む記事
- 申込済みで学習計画を作る:ビル管理士の勉強法と5か月合格プラン
- 午前90問を整理する:午前科目1・2・3の出題傾向と攻略法
- 午後90問を整理する:午後科目4・5・6・7の出題傾向と攻略法
- 教材を選ぶ:ビル管理士のテキスト・過去問題集の選び方
- 試験当日を準備する:本番の時間配分と直前1週間の対策
公式確認先
- 日本建築衛生管理教育センター「国家試験情報」
- 第56回(2026年度)試験概要PDF
- 日本建築衛生管理教育センター「国家試験Q&A」
- 厚生労働省「第55回試験の合格発表」
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理技術者について」
- 日本建築衛生管理教育センター「建築物環境衛生管理技術者講習会」
まとめ|受験資格と選任義務を分けて確認する
2026年度試験は10月4日、受験料17,900円、7科目180問です。受験には、対象用途の建物で対象実務を証明日時点で2年以上行ったことが必要です。初回申請では実務従事証明書を準備し、年度の手引に沿って申込みます。
共同住宅や病院での維持管理は受験実務になり得ますが、その建物に管理技術者の選任義務があるかは別問題です。まず「受験する人の経験」と「建物の法的区分」を分ける。この整理ができれば、申込時の大きな勘違いを防げます。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月13日
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