電力

【電験三種・電力】架空送電線路(電線の種類・たるみ計算・がいし・架空地線)

結論:架空送電は「電線を空中に張って電力を運ぶ」技術

発電所から変電所、変電所から需要家へと電力を届ける送電線路。その大部分は鉄塔に電線を架けた架空送電線路です。試験では電線の種類やたるみ計算、がいしの役割が出題されます。

💡 電線の種類

ACSR(鋼心アルミ)が
最も多く使用

📐 たるみ計算

弛度D=WS²/(8T)
計算問題頻出

🧱 がいし

電線と鉄塔を
電気的に絶縁

送電線路の電線

電線の種類と特徴

電線の種類 特徴 用途
ACSR
(鋼心アルミより線)
中心に鋼線(強度)、外側にアルミ線(導電) 最も広く使用
硬銅より線 導電率が高いが重い 短距離の送電
OPGW
(光ファイバ複合架空地線)
架空地線に光ファイバを内蔵 通信+避雷

なぜアルミ?:銅のほうが導電率は高いですが、アルミは軽くて安い。同じ重さなら銅よりアルミのほうが電気を通しやすくなります。送電線は長いので、軽さが大きなメリットになるのです。

多導体方式

超高圧送電では、1相あたり複数本の電線を束にして使う多導体方式が採用されます。

  • コロナ放電の抑制(等価的に電線を太くする効果)
  • インダクタンスの低減(送電容量の増加)
  • 静電容量の増加

たるみ(弛度)の計算

弛度の公式

2つの鉄塔間に張った電線は自重でたるみます。このたるみ量を弛度(ちど)D と呼びます。

弛度の公式

D = WS28T [m]

記号 意味 単位
D 弛度(たるみ量) [m]
W 電線の単位長さあたりの荷重 [N/m]
S 径間(鉄塔間の水平距離) [m]
T 電線の水平張力 [N]

電線の実長

L = S + 8D23S [m]

【計算例】

例題

径間 200 m、電線の荷重 20 N/m、水平張力 10,000 N のとき、弛度を求めよ。

【解答】

D = 20 × 200²8 × 10000 = 800,00080,000 = 10 m

がいし

種類 特徴 用途
懸垂がいし お皿を連結した形。連結数で絶縁強度を調整 高圧〜超高圧
長幹がいし 一本の棒状(長い軸) 超高圧
ピンがいし ピンに固定する小型タイプ 配電線(低圧〜中圧)

架空地線と雷対策

送電線路の最上部に張る架空地線(グランドワイヤ)は、雷を自分に引き寄せて送電線を守る「避雷針」の役割を持ちます。

  • 遮蔽角が小さいほど(架空地線が送電線の真上に近いほど)雷保護効果が高い
  • OPGWは架空地線に通信機能を持たせた一石二鳥の電線

まとめ

テーマ 最重要ポイント
電線 ACSR(鋼心アルミ)が主流。多導体でコロナ抑制
弛度 D=WS²/(8T) は必ず暗記
がいし 懸垂がいし=高圧〜超高圧で最も使われる

学習アドバイス:架空送電の問題は「弛度の計算」と「電線・がいしの知識問題」に二分されます。弛度の公式は代入するだけのシンプルな計算なので、確実に得点しましょう。ACSRが最も使われている電線であること、多導体方式の効果もよく出ます。

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