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地中送電線路 ミニテスト【第2回】

地中送電線路」のミニテスト第2回(全5問)です。この回は計算ではなく、許容電流を決めているもの・故障点の探し方・布設方式・接続部という、判断の向きを問う5問です。式に数字を入れる練習は第1回にあります。

地中送電線路 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

同じ導体断面積のケーブルでも、布設する場所や条件によって流せる電流の上限(許容電流)は変わる。この上限を直接決めているのはどれか。

(1)線路の運転電圧
(2)系統の周波数
(3)発生した熱がどれだけ外へ逃げられるかと、絶縁体の最高許容温度
(4)負荷の力率
(5)ケーブル1条あたりのインダクタンス

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正解:(3)発生した熱がどれだけ外へ逃げられるかと、絶縁体の最高許容温度
電流を流せば導体は発熱します。地中では、その熱が絶縁体・シース・管の中の空気・土を通って地表へ抜けるまでに、何段もの逃げにくさ(熱抵抗)を越えます。ΔθW×RthW:1 mあたりの発生熱、Rth:熱抵抗)で温度上昇が決まり、それが最高許容温度(架橋ポリエチレン絶縁では一般に90 ℃)から基底温度を引いた分に収まるところが上限です。つまり許容電流を決めているのは電線ではなく埋めた環境で、土が乾く・条数が増える・管の中に空気層があるといった事情は、どれも熱抵抗を上げます。(1)電圧は誘電体損として熱に効きますが、その量は導体損より小さく、電圧が決めているのは絶縁体の厚さです。(2)周波数はシース損や誘電体損に関係しますが、50 Hzか60 Hzかで上限は決まりません。(4)力率は同じ電力を送るのに必要な電流を変えますが、それは負荷側の事情で、ケーブルが何A耐えるかとは別です。(5)インダクタンスは電圧降下やリアクタンスの話で、発熱とは結び付きません。実際に数字を入れて熱抵抗の上限を求める練習は第1回の第1問にあります。

第2問

地中送電線路で1線地絡事故が起きた。掘り返す場所を決めるため、健全相と故障相の端どうしを短絡して1本のループをつくり、直流ブリッジの平衡から故障点までの距離を求めたい。この方法はどれか。

(1)静電容量法
(2)マーレーループ法
(3)低圧パルス法
(4)絶縁抵抗計で対地絶縁抵抗を測る方法
(5)マンホールを開けての外観点検

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正解:(2)マーレーループ法
マーレーループ法は、ホイートストンブリッジを変形して使うものです。(「ホイートストンブリッジ」を誤答に並べると、それ自体がこの方法の原理なので答えが2つ成立してしまいます。)健全相と故障相の端をつないで折り返すと、測定器から見た経路は故障点まで行って戻る形になり、こう長 L でもループの長さは2L です。ブリッジの目盛を ab で平衡させたとき、故障点までの距離はx=2L×a/(ab) になります。1 mあたりの抵抗が式の両辺に出て消えるので、導体の断面積を知らなくても距離が出るのが利点です。ただし健全相が使えることが前提で、太さの違う区間が混ざるときは1種類の断面に換算します。(1)静電容量法は、静電容量がこう長に比例することを使う方法で、健全相を使わずに測れます(第1回の第5問)。(3)低圧パルス法はパルスを送り、反射が返る時間から距離を出します。断線や低抵抗の故障に向き、高抵抗地絡では反射が小さいので別の方式が要ります。(4)絶縁抵抗計では絶縁が落ちていることは分かっても、どこで落ちているかは分かりません。(5)ケーブルは埋まっていて全長を見られないので、外観点検で位置は割り出せません。

第3問

回線数が1〜3回線と少なく、将来の増設予定もない区間で、直接埋設式を選ぶ理由として最も適切なものはどれか。

(1)ケーブルの引替えを、道路を掘らずに行えるから
(2)管もマンホールもつくらないので、同じ条件なら建設費を抑えられ、工期も短くできるから
(3)人が入って点検できるので、3方式のなかで保守がいちばん容易だから
(4)埋設の深さに決まりがなく、浅く埋めてよいから
(5)3方式のなかで最も多くの回線を収められるから

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正解:(2)管もマンホールもつくらないので、同じ条件なら建設費を抑えられ、工期も短くできるから
直接埋設式は、ケーブルを有効幅200〜350 mmの鉄筋コンクリート製トラフなどに納め、そのまま埋め戻します。管路もマンホールも要らないぶん、同じ条件なら費用と工期で有利になります。ただし引替えや修理のたびに道路を掘り返すので、安さは「掘り返しにくいルートでは高くつく」と裏表です。「直接埋設は安い」とだけ覚えると、選ぶ理由を答えられなくなります。(1)掘らずに引替えできるのは管路式の長所です。(3)人が入れるのは暗きょ式です(第4問)。(4)省令第47条第1項を受け、重量物の圧力を受けるおそれのある場所では1.2 m以上、その他では0.6 m以上に埋める決めがあります。深さは自由ではありません。(5)多条数に向くのは暗きょ式です。なお、土に直接触れる直接埋設式は、管路式より熱が逃げやすく、許容電流では有利です。ただしそれは費用とは別の長所です。

第4問

暗きょ式(洞道・共同溝)について、正しく述べているのはどれか。

(1)3方式のなかで建設費が最も安い
(2)人が入れるトンネルの中に、ケーブルを支持して布設する
(3)管を必要な条数だけ並べ、その中にケーブルを引き入れる
(4)トラフに収めたケーブルを、地面に直接埋め戻す
(5)内部で作業ができる場合でも、防火措置までは求められない

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正解:(2)人が入れるトンネルの中に、ケーブルを支持して布設する
暗きょ式は、洞道や共同溝といった人の入れる空間にケーブルを納めます。近年はシールド工法の円形断面が主流です。空気に触れる面が広く、多条数でも1条あたりの送電容量が落ちにくいので、大都市の重要幹線や超高圧の線路に採用されます。(1)逆で、3方式のなかでは建設費が最も高くなります。トンネルそのものをつくる費用がかかるためです。(3)は管路式、(4)は直接埋設式の説明です(第3問)。(5)省令第47条第2項は、内部で作業ができる地中電線路に防火措置を講じることを求めています。人が入る空間である以上、火災の広がりがそのまま人命にかかわるからです。現場では、難燃性の被覆を持つケーブルや難燃塗装という形で効いてきます。

第5問

ケーブルどうしをつなぐ接続部(ジョイント)の施工で、とくに注意しなければならないのはどれか。

(1)導体の接続部の抵抗を、ケーブル本体より大きくしておくこと
(2)半導電層と絶縁体を段むきして電界が集中しない形に整え、絶縁と防水を確実に施工すること
(3)接続部だけ、金属遮蔽層の接地を外しておくこと
(4)接続部の周囲を密閉して、熱が逃げないようにすること
(5)接続部の絶縁体を、ケーブル本体より薄くしておくこと

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正解:(2)半導電層と絶縁体を段むきして電界が集中しない形に整え、絶縁と防水を確実に施工すること
ケーブル本体は工場でつくられて品質がそろいますが、接続部と端末だけは現場の手作業です。重なった層をいったん階段状にむいてつなぎ直すので、ここが線路全体でいちばん弱いところになります。半導電層の切り口は電界が集まりやすく、残った異物・水分・空隙が、年月のあいだに水トリーや部分放電の起点になります(第3回の第3問)。(1)接続部の抵抗が本体より大きいと、そこだけ発熱して温度が上がります。本体と同等以下に収めます。(3)金属遮蔽層は地絡電流の帰り道でもあります。接地を外せば事故時に電流の行き場がなくなり、感電の危険も出ます。(4)熱がこもれば、その区間の許容電流が下がります。接続部も放熱条件の一部です(第1問)。(5)絶縁体を薄くすれば同じ電圧でも電界が強くなり、絶縁破壊しやすくなります。

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