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自動制御の基礎 ミニテスト【第2回】

「自動制御の基礎」のミニテスト第2回(全5問)です。

自動制御の基礎 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

線形・時不変で初期状態ゼロの系を考える。入力R、出力Y、前向き経路G、帰還経路Hが、E=R+HY、Y=GEで結ばれた正帰還系の伝達関数W=Y/Rはどれか。各記号はラプラス領域の量とし、sの表記を省略する。

(1)G/(1+GH)
(2)G/(1−GH)
(3)GH/(1+G)
(4)G(1+H)
(5)1/(G+H)

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正解:(2)G/(1−GH)
Y=G(R+HY)を展開し、Yの項を左へ集めると(1−GH)Y=GRです。したがってW=G/(1−GH)となります。
(1)はE=R−HYとした負帰還の式です。(3)は分子のHと分母が、(4)は帰還を含む分母が、(5)は入力から出力への経路が元の関係式と合いません。
分母の符号だけでは安定性を決められません。例えばG=1/(s+2)、H=1の正帰還ならW=1/(s+1)で、極は−1となり安定です。負帰還でも対象の遅れやゲインによって不安定になり得ます。式の組み立ては北海道大学の合成伝達関数の資料(PDF)を参照してください。

第2問

P動作またはPI動作に加えるD動作(微分動作)の役割として、適切な説明はどれか。

(1)一定の偏差を蓄積して定常偏差を除去する
(2)偏差の変化率に応じて操作量を加え、適切な調整で行き過ぎを抑える
(3)どの対象でも必ず応答を遅くする
(4)D動作だけで一定のオフセットをゼロにする
(5)比例ゲインだけを増やす

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正解:(2)変化率に応じた操作で行き過ぎを抑える
理想的な偏差微分ならuD=KD・de/dtです。過去から現在までの変化の傾きに反応するのであり、未来の測定値が分かるわけではありません。
(1)はI動作です。(3)応答がどう変わるかは対象と調整値によります。(4)一定偏差では微分値がゼロなので、Dだけではその偏差を除去できません。(5)偏差そのものへの比例操作と、変化率への操作は別です。
Dを加えれば必ず振動が消えるわけではなく、測定ノイズを強調することがあります。実機ではフィルタ付き微分や測定値側の微分も使われます。参考:理化工業・PID制御の仕組み。

第3問

前向き経路が比例要素G=100、帰還経路がH=1の負帰還系を考える。E=R−HY、Y=GEとしたとき、W=Y/Rに最も近い値はどれか。各ゲインは無次元とする。

(1)0.50
(2)0.99
(3)1.00
(4)50.0
(5)100

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正解:(2)0.99
Y=100(R−Y)なので101Y=100R。よってW=100/101=0.990099…で、最も近いのは0.99です。
(1)0.50はG=H=1の場合です。(3)1.00は大ゲインでの近似値ですが、今回は0.99のほうが近くなります。(4)50.0は分母を1+HとしてGを落とした値、(5)100は帰還を無視した値です。
一般にH≠0で、考えている周波数などで|GH|が1より十分大きければ、W=(1/H)・GH/(1+GH)≒1/Hです。この例の近似値1は厳密値より1 %大きくなります。近似が成り立つ範囲と閉ループの安定性は別に確認します。

第4問

初期状態ゼロの単位負帰還系で、E=R−Y、Y=GEとする。Gは前向き経路全体の伝達関数である。入力Rから出力Yへの伝達関数W=Y/Rはどれか。

(1)G
(2)G/(1+G)
(3)1/(1+G)
(4)G²/(1+G)
(5)1/G

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正解:(2)G/(1+G)
Y=G(R−Y)より(1+G)Y=GRです。一般式G/(1+GH)にH=1を代入しても同じ結果になります。
(1)Gは帰還を閉じる前の値です。(3)1/(1+G)はE/R、つまり入力から偏差への伝達関数です。(4)は前向き経路を余分にもう1回掛けています。(5)はGの逆数で、指定した接続を表しません。
Gを調節器だけと取り違えず、対象まで含む経路として扱います。帰還の符号と信号の区別は自動制御の基礎のブロック線図解説で確認できます。

第5問

正の有限な直流ゲインをもつ一次遅れ対象を、正のPゲインとIゲインによるPI制御で単位負帰還する。一定の目標値への応答が安定に収束し、外乱・測定誤差・操作量の飽和がない場合、PI動作の特徴はどれか。

(1)この条件でも定常偏差が必ず残る
(2)比例動作を行いながら、積分動作で定常偏差をゼロにできる
(3)微分項を含み、偏差の変化率に比例した操作を加える
(4)どの制御対象でも応答が最も遅い
(5)どの周波数の測定ノイズも完全に除去する

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正解:(2)比例動作と積分動作を組み合わせる
P項は現在の偏差に応じて変わり、I項は偏差を時間とともに蓄積します。Iゲインが正で、操作量も一定値へ収束するなら、I項の変化率KI・eがゼロになるため定常偏差eはゼロです。
(1)は指定条件と合いません。(3)はD項の説明で、PIには含まれません。(4)速さは対象と設定次第です。(5)PIは全ノイズを取り去るフィルタではありません。
偏差がゼロでも、それまでの積分値は保持されます。操作量が上限に張り付く場合や不安定な場合、増え続ける目標値では同じ結論を無条件に使えません。参考:北海道大学・定常偏差の成立条件(PDF)。

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