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自動制御の基礎 ミニテスト【第3回】

「自動制御の基礎」のミニテスト第3回(全5問)です。

自動制御の基礎 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

前向き経路の比例要素G₁=2とG₂=5を直列につなぎ、帰還ゲインH=0.5で負帰還する。E=R−HY、Y=G₁G₂Eのとき、W=Y/Rに最も近い値はどれか。各ゲインは無次元とする。

(1)0.83
(2)1.67
(3)5.0
(4)10.0
(5)20.0

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正解:(2)1.67
直列経路ではY=5×(2E)=10Eです。E=R−0.5Yを代入するとY=10R−5Yとなるので、W=10/6=1.666…≒1.67です。
(1)0.83は帰還信号HYと入力Rの比5/6に近い値で、出力Y/Rではありません。(3)5.0は一巡ゲインGHです。(4)10.0は前向き経路のゲイン、(5)20.0はG/Hを計算した値で、どちらも閉ループの関係を満たしません。
確認にR=1とすると、Y=5/3、HY=5/6、E=1/6となり、Y=10Eも成立します。参考:北海道大学・合成伝達関数の求め方(PDF)。

第2問

エアコンが室温をセンサで測り、設定温度との差を小さくするように冷房能力を自動調整している。この室温調整の方式はどれか。

(1)室温の測定結果を戻さない開ループ制御
(2)フィードバック(閉ループ)制御
(3)室温を参照せず、決めた順序だけで運転する制御
(4)温度差を拡大する向きの正帰還制御
(5)人が室温を見て能力を調整する手動制御

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正解:(2)フィードバック(閉ループ)制御
調整した結果の室温を測り、その情報を次の調整へ戻すループがあるためです。機器がエアコンだからではなく、設問に書かれた信号の流れで判断します。
(1)は測定結果を戻す条件と矛盾します。(3)は室温との差を使う動作を表しません。(4)は指定した差を小さくする向きと逆です。(5)は人ではなく装置が調整しているため違います。
実機には起動や停止の順序を扱うシーケンスも併存します。シーケンス制御と閉ループ制御は分類の観点が異なるので、機器全体を一つの名称だけで決めつけません。参考:チノー・フィードバック制御の説明。

第3問

P制御の正のゲインKPを大きくする際の説明として適切なのはどれか。対象は積分要素を持たず、正の有限な直流ゲインK₀をもつ。操作量はu=KP・e(固定分なし)とする。単位負帰還、正の一定目標値、外乱・飽和なしとし、安定な範囲で比較する。

(1)どの対象でも必ず応答が遅くなる
(2)定常偏差は必ず大きくなる
(3)立上りを速められる場合があるが、対象の遅れなどによる振動には注意が必要
(4)有限のゲインを増やすだけで定常偏差は必ずゼロになる
(5)偏差に対する操作量は変わらない

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正解:(3)効果は対象により、振動にも注意する
同じ偏差eならP項KP・eは大きくなります。目標値をAとすると、定常状態ではY=K₀KP(A−Y)なので、偏差はA/(1+KPK₀)。安定な範囲でゲインを増やすと小さくなります。
(1)常に遅くなるわけではありません。(2)は偏差の式と逆です。(4)今回の有限ゲインでは分母も有限なので偏差は残ります。(5)は比例動作の式と矛盾します。
純粋な一次遅れ対象なら、Pゲインを増やしてもこの理想モデルは振動しません。一方、遅れが重なる対象などでは振動が強まり、さらに増やすと不安定化することもあります。立上りの速さと整定時間も別です。参考:理化工業のP動作による温度制御例。

第4問

線形・時不変な系の初期状態をゼロとする。入力と出力のラプラス変換をX(s)、Y(s)、伝達関数をG(s)としたときの関係はどれか。選択肢ではsの表記を省略する。

(1)Y = X + G
(2)Y = X − G
(3)Y = G × X
(4)Y = X / G
(5)Y = G − X

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正解:(3)Y = G × X
G(s)=Y(s)/X(s)という入出力関係から、Y(s)=G(s)X(s)となります。時間とともに変わる信号を変換した領域での積です。
(1)(2)(5)の足し引きは、この関係を表しません。(4)Y=X/Gは、入力から出力への伝達関数を逆数にしてしまっています。
初期状態がゼロでない場合、出力には初期状態に由来する応答も加わります。また一般の動的な系で、瞬時値どうしをy(t)=G・x(t)と掛ける意味ではありません。参考:日本機械学会誌・ラプラス変換と伝達関数。

第5問

ブロック線図で、他の演算要素を伴わない引き出し点の役割はどれか。

(1)信号を加減算する
(2)信号を増幅する
(3)信号を分岐させる
(4)信号を遅延させる
(5)信号をフィルタリングする

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正解:(3)信号を分岐させる
一つの信号を複数の経路へ取り出します。引き出し点の直後は、それぞれ元と同じ信号値です。分岐の数で値を割るわけではありません。
(1)加減算は符号を付けた加え合わせ点の役割です。(2)増幅にはゲインをもつブロックが必要です。(4)遅延と(5)フィルタリングも、それぞれの特性をもつ要素で表します。
電流が分かれる実際の回路の分岐とは区別します。枝の先にHなどのブロックがあれば、その出力で初めて信号が変わります。図の読み方は自動制御の基礎のブロック線図解説を参照してください。

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