電気工作物の区分は、電圧や発電出力の数字だけでは決まりません。その数字がどの条文の条件か、どの設備を判定しているかまで確かめましょう。
今回は、法律の目的、電圧の区分、電気工作物からの除外、太陽電池の増設、構内の発電設備と設置場所を5問で確認します。太陽電池の「50kW未満は一般用」という改正前の説明は使いません。
電験三種・法規の学習用に作成した五肢択一の演習です。全25選択肢に理由を付けました。まず答えと理由を考え、「解答を見る」で照合してください。基礎から確認する場合は、電気事業法の目的と電気工作物の解説記事を先に読みましょう。
問題中の需要設備は受電して電気を使うための設備、構内は同じ敷地の中などの区域を指します。法令では「これに準ずる区域内」も構内に含めます。以下は2026年11月3日に確認した現行条文による出題です。
第1問|第1条の「何をして、何を実現するか」
電気事業法第1条を、法律が行うことと、その結果の組に分けてノートへ整理します。条文の対応として正しいものはどれですか。
- (1)電気事業の運営を適正かつ合理的にすることで、電気工事士の資格取得を促す。
- (2)電気工作物の工事・維持・運用を規制することで、公共の安全を確保し、環境の保全を図る。
- (3)電気工作物の販売価格を規制することで、電気事業の健全な発達を図る。
- (4)電気の使用量を制限することで、電気の使用者の利益を保護する。
- (5)電気事業の運営を適正かつ合理的にすることで、電気料金を全国で同額にする。
第2問|kVをVへ直し、直流と交流を分ける
2つの電路A・Bがあります。電気設備に関する技術基準を定める省令(以下、電技省令)第2条による電圧の種別の組として正しいものはどれですか。
- A:直流0.70kV
- B:交流7.00kV
- (1)A=高圧、B=高圧
- (2)A=低圧、B=低圧
- (3)A=高圧、B=特別高圧
- (4)A=低圧、B=特別高圧
- (5)A=低圧、B=高圧
第3問|24Vなら、どの設備も除外されるか
建物内に、いずれも24Vで動く設備A・Bがあります。電気事業法施行令第1条第3号の「30V未満の設備」による除外について正しいものはどれですか。
- A:独立した電源で動き、30V以上の電気的設備とは電気的に接続されていない。
- B:200Vの電気的設備と電気的に接続されている。ほかの除外規定には当たらない。
- (1)Aは電気工作物から除外されるが、Bはこの除外に当たらない。
- (2)A・Bとも、24Vなので電気工作物から除外される。
- (3)A・Bとも、建物内にあるので電気工作物から除外されない。
- (4)Aは電気工作物から除外されないが、Bは200Vにつながっているので除外される。
- (5)Aは一般用電気工作物であり、Bは必ず自家用電気工作物である。
第4問|太陽電池を増設して合計10kWになったら
交流200Vで受電する事務所に、太陽電池発電設備7.2kWがあります。同じ構内に2.8kWを増設し、両設備を電気的に接続します。記載の出力は、法令の区分判定で使う出力とします。
構外との接続は低圧受電電線路だけで、ほかの発電設備はありません。施行規則第48条第3項の除外場所ではなく、電気事業の用に供する設備でもありません。増設後の太陽電池と、事務所の需要設備の区分の組として正しいものはどれですか。
- (1)太陽電池=一般用、需要設備=一般用
- (2)太陽電池=小規模事業用、需要設備=小規模事業用
- (3)太陽電池=小規模事業用、需要設備=一般用
- (4)太陽電池・需要設備とも、自家用(小規模事業用を除く)
- (5)太陽電池=一般用、需要設備=小規模事業用
第5問|低圧受電の需要設備について、誤った判定を探す
次の5件は、すべて交流200Vで受電し、構外との接続は低圧受電電線路だけです。電気事業の用に供するものではなく、記載以外の発電設備もありません。場所の除外は(3)だけが該当するものとします。
設置者が記録した需要設備の区分判定で、誤っているものはどれですか。発電設備自体の区分ではなく、受電して電気を使う設備の区分を答えてください。
- (1)引火性の溶剤を置く倉庫:一般用。施行規則第48条第3項の場所には当たらないため。
- (2)同じ構内に風力9kWがある作業所:一般用。ほかの一般用の条件も満たしているため。
- (3)火薬類(煙火を除く)を製造する事業場:自家用。省令の除外場所に当たるため。
- (4)同じ構内に風力20kWがある作業所:一般用。200Vで受電しているため。
- (5)同じ構内に太陽電池50kWがある事務所:自家用。小規模発電設備以外の発電設備があるため。
解いた後の整理|10kWと50kWは役割が違う
次の表は、低圧受電で、構外との接続・設置場所の条件を満たし、同じ構内にほかの発電設備がない場合です。出力は法令で判定する出力を使います。
| 太陽電池の出力 | 太陽電池/需要設備 |
|---|---|
| 10kW未満 | 一般用/一般用 |
| 10kW以上50kW未満 | 小規模事業用/一般用 |
| 50kW以上 | 自家用※/自家用※ |
※電気事業の用に供するものではない場合の、自家用(小規模事業用を除く)。10kWは太陽電池が一般用から変わる境目、50kWは小規模発電設備から外れ、同じ構内の需要設備にも影響する境目です。高圧受電やほかの発電設備がある場合には、この表をそのまま使わず判定し直してください。
ほかの問題は、次の順で見直せます。数字を覚えていても、条件を1つ省くと結果が変わります。
| 確認すること | 今回の見直し方 |
|---|---|
| 目的の文章 | 手段と結果を組で読む |
| 電圧の種別 | 直流・交流と単位を確認 |
| 30V未満の除外 | 30V以上との接続も確認 |
| 太陽電池の増設 | 同じ構内・接続・合計を見る |
| 低圧受電の需要設備 | 発電設備と除外場所も確認 |
自家用と判定した後は、保安規程や主任技術者の制度へ進みます。主任技術者については、要件を満たす保安管理業務の委託契約と承認により選任しないことができる制度もあります。区分と義務を一文で言い切らず、事業用電気工作物の保安体制で条件を確認しましょう。
間違えた箇所から復習する
- 目的・除外・分類:電気事業法の目的と電気工作物で条文と判定手順へ戻る。
- 電圧の区分:電気設備技術基準・総則と電路の絶縁で電技省令の使い方を確認する。
- 追加演習:電気事業法の目的と電気工作物 ミニテスト第2回/第3回。
- 前の学習テーマ:自動制御の基礎。
- 次の学習テーマ:事業用電気工作物の保安体制。
法令と公式問題の確認先
問題の場面・数値の組み合わせ・選択肢は、このページ用に作成したものです。公表過去問や市販教材の問題・解説・図表を転載していません。各問の根拠は、次の法令で確認できます。
- e-Gov法令検索「電気事業法」:第1条、第38条、区分による義務の違い。
- e-Gov法令検索「電気事業法施行令」:第1条第3号の30V未満の設備。
- e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」:第48条の電圧・出力・場所、第52条第2項の委託承認による選任の例外。
- e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」:第2条の低圧・高圧・特別高圧。
- 神奈川県「電気工作物とは」:一般用・小規模事業用・自家用の説明。
- 電気技術者試験センターの第三種電気主任技術者試験の問題と解答:公式問題で演習する際の確認先。
確認・改訂:2026年11月3日。電気事業法は2026年8月3日施行、施行令・施行規則は2026年4月1日施行、電技省令は2023年3月20日施行の現行版で確認しました。実際の設備の区分や手続きは、設備条件をそろえて所管の産業保安監督部などへ確認してください。
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
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