この5問で身につくこと
- 埋火と油・ガスだきボイラーの通常停止を区別する
- 休止期間だけでなく、凍結の有無から保存法を選ぶ
- 満水保存でpHと薬剤濃度を別々に管理する
- 水側だけでなく、燃焼側・煙道側の腐食も防ぐ
- 再起動前に乾燥剤や閉止板の取り残しを防止する
結論:休止中の保全は「何か月休むか」だけでは決まりません。燃料方式、凍結のおそれ、水を完全に抜けるか、保存水を分析できるか、再起動まで管理を続けられるかを合わせて判断します。
埋火(まいか)は、石炭などの固体燃料をたくボイラーで火床に火種を残す操作です。油・ガスだきで燃焼量を下げたまま放置することではありません。基本から復習する場合は「運転停止・埋火・休止中の保存」を先に確認してください。
保存法を選ぶ4つの判断軸
| 判断軸 | 乾燥保存 | 満水保存 |
|---|---|---|
| 休止期間 | 長期向き | 3か月程度以内が目安 |
| 凍結 | 採用しやすい | おそれがあれば採用しない |
| 管理 | 湿気・吸湿剤を点検 | 薬剤濃度などを測定 |
| 復旧 | 仮設物を全数回収 | 保存水の処理を確認 |
満水保存は、処理水で空気を追い出せる一方、凍結すれば管や缶体を損傷するおそれがあります。乾燥保存は水を排出しますが、残水や外部からの蒸気・水の侵入があれば腐食条件が再びそろいます。期間は選定条件の一つであり、単独の決定基準ではありません。
保存中も水側・燃焼側・隔離状態を確認する
水側
残水、空気だまり、pH、薬剤濃度、漏れ
燃焼側・煙道
すす、灰、結露、防錆処置、外気侵入
隔離・復旧
閉止板、弁、仮設配管、乾燥剤の記録
満水保存を選んでも、燃焼側や煙道のすす・灰は水で守られません。湿気を吸った付着物は腐食を促すため、清掃と必要な防錆処置を別に行います。また、保存開始時に追加した物と隔離した箇所を記録し、再起動時に逆順で照合します。
公式資料の確認先
- 安全衛生技術試験協会:公表試験問題一覧
- 安全衛生技術試験協会:令和8年4月掲載 二級ボイラー技士公表問題
- 安全衛生技術試験協会:令和7年10月掲載 二級ボイラー技士公表問題
- 安全衛生技術試験協会:乾燥・満水・窒素保存の公表問題
公式情報確認日:2026年7月31日。保存剤、濃度、点検周期、停止・復旧手順は設備仕様と事業場の基準を優先します。問題文・設備条件・選択肢は独自作成です。
第1問:埋火を適用する設備を判定する
【問1】設備Aは石炭を火格子上で燃やすボイラー、設備Bはガスバーナボイラーです。どちらも8時間休止後に再起動します。「埋火」の扱いとして最も適切なものはどれですか。
(1) A・Bとも低燃焼のまま無人にする
(2) Aは設備手順に従い火床へ火種を残す埋火を検討できるが、Bの通常停止を埋火とは呼ばない
(3) Bだけ燃料弁を少し開けたままにする
(4) Aは灰を全て除き、最大通風で火種を強くする
(5) 燃料方式に関係なく、埋火は満水保存と同じ操作である
第2問:休止期間と凍結条件から保存法を選ぶ
【問2】ボイラーを10週間休止します。休止中に室温が0℃未満になる可能性があり、確実な凍結防止設備はありません。最も適切な保存計画はどれですか。
(1) 3か月以内なので条件を問わず満水保存にする
(2) 常用水位だけ残し、上部を空気で満たす
(3) 凍結リスクを優先し、排水・清掃・完全乾燥・隔離を行う乾燥保存を検討する
(4) 水質が良ければ保存処置は不要である
(5) 毎週少量ずつ給水すれば凍結しない
第3問:満水保存中の分析値を判断する
【問3】満水保存中の月例分析で、pHは事業場の基準内でしたが、保存剤の有効成分濃度は下限を下回っていました。適切な対応はどれですか。
(1) pHが基準内なので何もしない
(2) pHだけ測っていれば、薬剤濃度の低下は無視できる
(3) 漏れや希釈の原因を確認し、定めた手順で保存剤濃度を補正して再測定する
(4) 空気を入れて水位を半分まで下げる
(5) ボイラーを点火して薬剤を濃縮する
第4問:燃焼側に残ったすす・灰へ対応する
【問4】水側は処理水で満たしましたが、燃焼室と煙道にはすす・灰が残り、休止中に結露する可能性があります。最も適切な判断はどれですか。
(1) 満水保存なら燃焼側も自動的に防食される
(2) すす・灰を除去し、設備基準に従って乾燥や防錆処置を行う
(3) 結露させてすすを湿らせた方が腐食しない
(4) 煙道だけ密閉すれば清掃は不要である
(5) 水側の保存剤を燃焼室へ散布する
第5問:乾燥保存からの再起動準備を選ぶ
【問5】乾燥保存中、吸湿剤を3容器置き、蒸気管と給水管に閉止板を各1枚取り付けました。再起動前の作業として最も適切なものはどれですか。
(1) 吸湿剤を残したまま給水する
(2) 閉止板は圧力が上がってから外す
(3) 記録と現物を照合して吸湿剤3容器と閉止板2枚を回収し、系統・計器・安全装置を復旧確認してから給水する
(4) 点火してから点検口を閉じる
(5) 記録があれば現物確認は省略する
採点結果と誤答別の復習先
| 正解数 | 次の行動 |
|---|---|
| 5問 | 第2回へ進み、停止と保存の基本用語を追加確認 |
| 3〜4問 | 凍結・水質・燃焼側の3条件を再確認 |
| 0〜2問 | 本解説で保存法の選定から復習 |
- 問1を誤答:埋火は固体燃料の火床操作と整理する
- 問2・3を誤答:期間だけでなく凍結と管理値を確認する
- 問4・5を誤答:水側以外の防食と復旧確認までを一つの作業として考える
次の練習と学習ルート
まとめ
埋火は固体燃料の火種を管理する操作で、油・ガスだきの通常停止とは分けます。休止保存は、3か月程度以内なら満水という目安だけで即決せず、凍結、水質分析、完全排水の可否を照合します。
水側を保存しても燃焼側は別管理です。最後は吸湿剤・閉止板・仮設配管を記録どおり回収し、安全装置と系統の復旧を確認してから再起動へ進みます。
最終更新日:2026年7月31日
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