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【電験三種・法規】電気工事士法と電気用品安全法(工事範囲・軽微な工事・PSE)

電気工事士法は「誰がどの工事に従事できるか」、電気用品安全法は「対象製品をどのように安全に製造・輸入・販売するか」を定める法律です。

資格を持っていても、すべての工事ができるわけではありません。また、PSEマークはすべての電気製品に付くものではありません。まず対象を確かめ、それから資格・検査・表示の条件を当てはめましょう。

1.電気工事士法|設備の区分から工事の資格を考える

電気工事士法第1条は、不完全な工事による災害を防ぐため、作業する人の資格と義務を定めています。試験では、電圧や建物の大きさだけで即断せず、その法律での設備の呼び方を確認することが大切です。

用語 電気工事士法での意味
一般用電気工作物等 一般用電気工作物と、小規模事業用電気工作物を合わせた区分。「等」を省くと対象が狭くなる(第2条第1項)。
自家用電気工作物 電気事業法上の自家用から、小規模事業用、発電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備などを除いた範囲(第2条第2項)。
電気工事 上の一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置・変更する工事。ただし、政令が定める軽微な工事を除く(第2条第3項)。

例えば、電気事業法で小規模事業用に分類される太陽電池設備は、電気工事士法では「一般用電気工作物等」の側に入ります。第二種電気工事士の範囲を「一般用だけ」と覚えるのは不十分です。元になる設備区分は電気事業法の目的と電気工作物で確認できます。

施行規則第1条の2では、蓄電所や送電線路、保安通信設備等も除外対象に挙げています。また、最大電力500kWちょうどの需要設備は「500kW以上」の除外側です。ここでいう電力は需要設備の最大電力であり、交換する照明1台の消費電力や、変圧器の容量をそのまま当てはめる数字ではありません。

2.資格別の範囲|簡易電気工事と特殊電気工事

次の表は、資格を必要とする作業についての整理です。施行令の軽微な工事や、施行規則で資格を要しないとされる作業・補助作業は、次の節で分けて考えます。

資格・証書 従事できる範囲と条件
第一種電気工事士 一般用電気工作物等と、電気工事士法上の自家用電気工作物に係る電気工事。ただし、自家用の特殊電気工事は別の資格が必要。
第二種電気工事士 一般用電気工作物等に係る電気工事。第二種免状だけでは、自家用需要設備の低圧部分を工事できない。
認定電気工事従事者 同法上の自家用のうち、600V以下で使用する部分の簡易電気工事。電線路に係るものと特殊電気工事を除く。認定証の交付が必要。
特種電気工事資格者 同法上の自家用の特殊電気工事。ネオン工事又は非常用予備発電装置工事のうち、資格者認定証に記載された種類に限る。

試験に合格しただけで免状を持っていると扱うことはできません。上の工事士は免状の交付を受けた人を指します。また、法第5条では、対象の作業を技術基準に適合させ、作業時に免状・認定証を携帯する義務が定められています。

資格範囲の根拠は法第3条、施行規則第2条の2・第2条の3です。「特殊」は工事の名称、「特種」は資格者の名称で、漢字も区別します。

簡易電気工事の600Vは、ビル全体の受電電圧ではなく、工事対象の自家用電気工作物を使用する電圧です。6,600V受電のビルでも、最大電力500kW未満などの対象条件を満たせば、変圧後の200V部分に簡易電気工事が存在します。一方、そのビルの6,600V部分や電線路は、この資格だけで施工できる範囲ではありません。

ネオン工事と非常用予備発電装置工事は、設備の名前が付けば周囲の配線もすべて同じ区分になるわけではありません。例えば非常用予備発電装置工事は、原動機・発電機・配電盤等が対象ですが、配電盤と他の需要設備との間の電線との接続部分は定義から除かれます。実際には作業箇所まで確認します。

最大電力500kW以上の需要設備など、同法の資格規制から外れる設備では、電気事業法に基づく保安体制の下で工事を行います。「第二種の次に、500kW以上専用の工事士免状が必要」という制度ではありません。逆に、資格規制の対象外だから安全管理も不要になるわけではありません。監督する役割は電気主任技術者の選任と職務を参照してください。

判定練習|三つの設備を比べる

A〜Cは独立した設備です。B・Cは発電所・変電所・鉱山・鉄道等ではない通常の需要設備とし、作業は軽微な工事・資格不要の作業に当たりません。必要な資格の考え方を説明してみましょう。

  • A:法令上の小規模事業用電気工作物に当たる、出力32kWの太陽電池設備の電気工事。
  • B:6,600V受電・最大電力480kWのビルで、200Vの屋内負荷配線を変更する。電線路に係る工事でも特殊電気工事でもない。
  • C:最大電力500kWの工場の需要設備で、屋内配線を変更する。

3.軽微な工事|プラグの使用と配線工事を混ぜない

「軽微な工事」は、作業が簡単そうという意味ではありません。電気工事士法施行令第1条に列挙され、同法の電気工事の定義から除外される工事です。代表例の条件を比べます。

代表例 省いてはいけない条件
接続器・開閉器への接続 600V以下で使用する差込み接続器等に、コード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事。壁のコンセント交換全般を指すものではない(第1号)。
機器の端子へのねじ止め 600V以下で使用する電気機器又は蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事。電気機器から配線器具は除かれる(第2号)。
小型変圧器の二次側 電鈴・インターホーン等の施設に使う、二次電圧36V以下の小型変圧器の二次側配線工事。一次側まで含むわけではない(第4号)。

2025年11月14日施行の改正により、第2号には600V以下で使用する蓄電池の端子へのねじ止めも明記されています。蓄電池に関わる工事のすべてを除外したものではありません。このほか、施行令第1条には電力量計等の取付け・取外しなどの項目があります。上の表は全項目の一覧ではありません。

完成したプラグをコンセントに差し込むことと、接続器にコードを接続する工事は別の行為です。通常の電球交換も、電球だけを交換する使用上の行為であり、施行令が「電球交換」を列挙していると説明しないようにしましょう。固定配線を外して器具を交換する場合まで、同じ扱いにはできません。

さらに、施行規則第2条等には、電気工事には含まれるものの資格を必要としない作業や、有資格者の作業を補助する作業の扱いがあります。「定義から除外される工事」と「工事の中で資格を要しない作業」は、根拠が異なります。資格が必要な接続作業そのものを、単に有資格者が横で見ているからという理由で無資格者が行えるわけではありません。

4.電気用品安全法|PSEの対象を先に確認する

電気用品安全法は、製品による危険や障害を防ぐための法律です。規制対象は、法第2条と施行令の別表に基づいて指定される「電気用品」です。電気で動くものすべてが対象ではありません。用途・構造・定格電圧・容量等によって対象範囲が定められています。

区分・表示 検査と義務の考え方
特定電気用品
ひし形のPSE
対象電気用品のうち、構造・使用方法等から特に危険や障害が生じるおそれが多いとして指定されたもの。技術基準適合・自主検査に加え、登録検査機関の適合性検査等が必要。
特定電気用品以外の電気用品
丸形のPSE
法の対象で、特定電気用品ではないもの。技術基準適合・自主検査等は必要。法第9条の特定電気用品の適合性検査は求められない。
法の対象外の製品 「特定以外の電気用品」とは別。特定電気用品でないという理由だけで、丸形PSEの対象になるわけではない。

ケーブルや照明器具といった大まかな製品名だけで、ひし形・丸形を一律に決めないでください。同じ呼び名でも仕様により指定範囲が変わるため、施行令別表第1・第2で確認します。PSEは性能の優劣を示す等級でも、国がすべての完成品を直接検査したという印でもありません。

5.製造・輸入から販売まで|二つの検査を分ける

ここでは、国内向けに対象電気用品を扱う通常の事業を整理します。特定用途の承認や輸出用等の例外は、後段で区別します。

段階・根拠 基本の義務
事業の届出
法第3条
製造・輸入の事業を行う者は、事業開始の日から30日以内に所定の事項を届け出る。
技術基準への適合
法第8条第1項
届出事業者が、対象電気用品を技術基準に適合させる。
自主検査と記録
法第8条第2項
届出事業者が所定の検査を行い、記録を作成・保存する。施行規則第11条により保存は検査の日から3年間。
特定電気用品の適合性検査
法第9条
販売する時までに登録検査機関による適合性検査を受け、証明書を保存する。適用できる証明書・型式等の条件を満たす場合の特例がある。
表示
法第10条
必要な義務を履行した届出事業者が、所定の方式でPSE等の表示を付すことができる。マークを貼るだけで適法になるわけではない。
販売・陳列
法第27条
製造・輸入・販売の事業者は、原則として法定表示のない対象電気用品を販売し、又は販売目的で陳列できない。

自主検査は任意の検査ではありません。特定電気用品にも、特定以外の電気用品にも必要です。「ひし形は第三者検査だけ、丸形は自己判断でよい」という対比は誤りです。特定電気用品は、自主検査に加えて法第9条の仕組みがある、と整理します。

自主検査の方式は施行規則別表第3に定められ、製品や検査の段階で異なります。自主検査記録の3年間と、適合性検査の証明書について適用される期間は別のものです。証明書を持っているから自主検査やその記録を省ける、とは判断できません。

法第27条第2項には、特定用途の電気用品について経済産業大臣の承認を受けた場合等の例外があります。施行令第8条第2項には、輸出するための販売・陳列の特例もあります。対象外の製品、通常の対象電気用品、承認等の例外が適用される品を分けることが重要です。「業務用」「海外製」という言葉だけで自動的に除外されるものではありません。

販売する相手だけでなく、工事に使用する側にも規定があります。法第28条では、電気工事士等が電気工作物の設置・変更工事に使用する電気用品について、法定表示のあるものを使うことが求められます。同条には例外の準用もあります。工事する人の資格と、使う製品の適法性は、両方を確認する事項です。

6.確認問題|条件を読んで一つ選ぶ

各問、正しい説明を1つ選んでください。問題と解説は当サイトで独自に作成しています。

第1問|第二種の範囲と認定証

電気工事士法による資格の範囲について、正しいものはどれですか。問題に挙げる作業は、軽微な工事・資格不要の作業には当たりません。

  1. (1)第二種電気工事士は、小規模事業用電気工作物の電気工事には従事できない。
  2. (2)第二種免状があれば、自家用需要設備でも600V以下の部分をすべて施工できる。
  3. (3)認定電気工事従事者認定証があれば、一般用電気工作物等の工事にも一律に従事できる。
  4. (4)第二種電気工事士は、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせた範囲の工事に従事できる。
  5. (5)第一種免状があれば、特殊電気工事の種類を問わず施工できる。

第2問|36V以下なら何でもよいか

電気工事士法施行令第1条の軽微な工事について、条件の読み方が正しいものはどれですか。

  1. (1)電圧が低ければ、屋内の固定配線はすべて軽微な工事になる。
  2. (2)インターホーン等の施設用で二次電圧24Vの小型変圧器について、二次側の配線工事は第4号の条件に当たる。
  3. (3)小型変圧器の二次側が36V以下なら、その100Vの一次側配線工事も第4号に含まれる。
  4. (4)プラグをコンセントに差すことと、接続器にコードを接続する工事は同じ行為である。
  5. (5)壁のコンセントはねじを使うため、固定配線を外す交換工事もすべて第2号で除外される。

第3問|PSEと検査の関係

例外承認等のない通常の対象電気用品を製造する届出事業者について、正しいものはどれですか。

  1. (1)特定電気用品は適合性検査を受けるため、自主検査は不要である。
  2. (2)丸形PSEの対象は、自主検査を実施するかどうかを自由に選べる。
  3. (3)特定電気用品に該当しない電気製品は、法の対象外も含めてすべて丸形PSEを付ける。
  4. (4)特定電気用品の適合性検査は、初回の販売を済ませてから受ければよい。
  5. (5)特定電気用品にも自主検査と記録保存が必要で、適合性検査等の義務はそれに追加される。

第4問|法定表示のない品の陳列

国内の販売事業者が、電気用品安全法の対象品を国内販売用に陳列します。特定用途の承認や輸出用の特例等はなく、法第10条第1項の表示が付されていません。正しい説明はどれですか。

  1. (1)法第27条により、販売だけでなく販売目的の陳列もできない。
  2. (2)購入者が現れるまでは、販売目的の陳列ができる。
  3. (3)海外で製造された製品なら、表示がなくても販売できる。
  4. (4)購入者が業務用に使うと申し出れば、自動的に規制対象外になる。
  5. (5)販売事業者がPSEマークだけを貼れば、製造・輸入側の義務を確認せず販売できる。

7.復習の順番と公式の確認先

工事は「設備の区分→資格→工事内容」、製品は「対象判定→検査等の義務→表示→販売・使用」の順で整理しましょう。500kW、600V、36Vは、それぞれ何の条件かを説明できることが大切です。

次の法令原文で、本文に挙げた条文と別表を確認できます。試験では実施機関が指定する法令の基準日も確認してください。

法令確認日:2026年11月4日。電気工事士法は2025年6月1日、同施行令は2025年11月14日、同施行規則は2023年12月28日施行版、電気用品安全法・同施行令・同施行規則は2025年12月25日施行版を参照しています。本文・表・問題は独自作成です。運営者は資格を独学中の個人です。

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