ミニテスト 理論

静電気とクーロンの法則ミニテスト|電界・電位を5問で計算

この5問は、公式を選ぶだけでなく「単位を直す→大きさを計算する→向きや符号を判定する」までを一続きで確認するミニテストです。

クーロン力、2電荷の合成電界、電位、位置エネルギー、比誘電率を扱います。問題文と数値は当サイトで作成したオリジナルです。過去問題の転載・改変ではありません。

先に公式を復習したい場合は「静電気とクーロンの法則|電荷・電界・電位・電気力線」を確認してください。5問を解いた後は、間違いを「公式」「単位」「向き・符号」のどこで起こしたか記録すると、次の計算で同じミスを減らせます。

解く前の公式と判定順

求める量 基本式 先に確認すること
クーロン力 F = k|Q1Q2|/r2 大きさと引力・斥力を分ける
点電荷の電界 E = kQ/r2 各電界の向きを描いてから合成
点電荷の電位 V = kQ/r 正負を含むスカラーとして加算
位置エネルギー変化 ΔU = q(VBVA) 電界の仕事は Wfield = −ΔU
誘電体中の力 F = k|Q1Q2|/(εrr2) 距離変化と比誘電率を同時に反映

k は真空中で約9×109 N·m2/C2です。µ(マイクロ)は10−6、n(ナノ)は10−9。距離はcmのまま代入せずmへ直します。

採点のしかた

  1. 紙に式と単位変換を書き、選択肢を見ずに数値を出します。
  2. 電界は矢印、電位は正負の数として扱います。
  3. 「解答を見る」を開き、正解番号だけでなく他の4肢が違う理由も確認します。
  4. 5問中4問以上に正解し、翌日に式を白紙から再現できれば次へ進みます。

第1問|クーロン力の大きさと向き

真空中で、点電荷 +2.0 µC と −5.0 µC が0.30 m離れている。電荷間に働く力として正しいものはどれか。ただし k = 9.0×109 N·m2/C2とする。

(1)引力0.10 N
(2)斥力1.0 N
(3)引力0.50 N
(4)引力1.0 N
(5)引力10 N

解答を見る

正解:(4)引力1.0 N

|F| = 9.0×109×(2.0×10−6)×(5.0×10−6)/(0.30)2 = 1.0 N。異符号なので向きは引力です。

  • (1)0.30を2乗した0.09を反映すると0.10 Nにはなりません。
  • (2)力の大きさは合っていますが、異符号を斥力とした点が誤りです。
  • (3)電荷の積または指数計算が不足しています。
  • (4)大きさ1.0 N、異符号だから引力で正しいです。
  • (5)µCからCへの換算か距離の2乗を誤ると出やすい値です。

第2問|2電荷がつくる合成電界

一直線上の左に +4.0 nC、右に −4.0 nC の点電荷が0.40 m離れて置かれている。中点の合成電界として正しいものはどれか。右向きを正とし、k = 9.0×109とする。

(1)0 V/m
(2)左向き900 V/m
(3)右向き900 V/m
(4)左向き1,800 V/m
(5)右向き1,800 V/m

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正解:(5)右向き1,800 V/m

中点は各電荷から0.20 m。1個がつくる電界は9.0×109×4.0×10−9/0.202 = 900 V/mです。正電荷からは外向き、負電荷へは吸い込む向きなので、中点ではどちらも右向き。900 + 900 = 1,800 V/mです。

  • (1)電荷量の符号が逆でも、中点の電界は打ち消しません。
  • (2)片方だけを計算し、方向も逆です。
  • (3)方向は正しいものの、片方の900 V/mしか足していません。
  • (4)大きさは正しいものの、負電荷がつくる電界の向きを逆にしています。
  • (5)2つの電界が右向きに加わるため正しいです。

第3問|電位は符号を含めて足す

点Pは、+6.0 nCの点電荷と −2.0 nCの点電荷からそれぞれ0.30 mの位置にある。無限遠を0 Vとしたとき、点Pの電位として正しいものはどれか。k = 9.0×109とする。

(1)−240 V
(2)−120 V
(3)+120 V
(4)+240 V
(5)0 V

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正解:(3)+120 V

V = 9.0×109×{(6.0×10−9) + (−2.0×10−9)}/0.30 = 120 V。電位は方向を持たないため、電荷の符号を含めて代数和を取ります。

  • (1)負電荷側を過大にし、符号も逆です。
  • (2)電荷の合計を −4.0 nCとした場合の値です。
  • (3)正味の電荷寄与が+4.0 nCなので正しいです。
  • (4)負電荷を絶対値で足すと出る値です。
  • (5)+6.0 nCと −2.0 nCの寄与は同じ大きさではありません。

第4問|電位差と電界がする仕事

+2.0 µCの点電荷が、電位200 Vの点Aから電位50 Vの点Bへ移動した。電気的位置エネルギーの変化 ΔU と、電界が電荷にした仕事 Wfield の組合せとして正しいものはどれか。

(1)ΔU = +0.30 mJ、Wfield = +0.30 mJ
(2)ΔU = −0.30 mJ、Wfield = +0.30 mJ
(3)ΔU = +0.30 mJ、Wfield = −0.30 mJ
(4)ΔU = −0.50 mJ、Wfield = +0.50 mJ
(5)ΔU = 0、Wfield = 0

解答を見る

正解:(2)ΔU = −0.30 mJ、Wfield = +0.30 mJ

ΔU = q(VBVA) = 2.0×10−6×(50−200) = −3.0×10−4 J = −0.30 mJ。電界の仕事はその反対符号なので+0.30 mJです。

  • (1)位置エネルギー変化と電界の仕事を同符号にしています。
  • (2)ΔUWfield = −ΔUの両方が正しいです。
  • (3)電位差を200−50の順で計算しています。
  • (4)電位50 Vそのものを差として扱った値です。
  • (5)始点と終点の電位が異なるため0にはなりません。

第5問|比誘電率と距離変化を同時に比べる

同じ2つの点電荷について、真空中・距離 r のときのクーロン力を F0 とする。比誘電率 εr = 3の一様な媒質中で距離を r/2にしたとき、力の大きさは F0 の何倍か。

(1)1/12倍
(2)1/3倍
(3)3/4倍
(4)4/3倍
(5)12倍

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正解:(4)4/3倍

F/F0 = (1/εr)×{r2/(r/2)2} = (1/3)×4 = 4/3。誘電体で1/3に弱まり、距離を半分にしたことで4倍になります。

  • (1)距離を半分にした効果を1/4と逆にしています。
  • (2)比誘電率だけを反映し、距離変化を入れていません。
  • (3)3と4の割る向きを逆にしています。
  • (4)媒質の1/3と距離の4倍を掛けて正しいです。
  • (5)比誘電率3を分子へ入れています。

結果の読み方|正解数より誤答原因を残す

誤答の型 今回の例 次回の確認
単位 µC・nC、mJへの換算 代入前に10の指数だけを別行へ書く
距離 rr2の混同 電界・力は2乗、電位は1乗と記す
向き 正負2電荷の中点電界 正から出る、負へ入る矢印を先に描く
符号 電位、ΔU、電界の仕事 始点A・終点Bの順を固定する

第2回・第3回も学習用に公開しています。追加演習は静電気とクーロンの法則ミニテスト第2回第3回へ進めます。次の理論テーマはコンデンサの基礎と計算ミニテストです。

公式資料と数値の確認先

問題・解説・公式資料確認日/最終更新日:2026年9月1日

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