ミニテスト 理論

電磁誘導・インダクタンスミニテスト|符号とエネルギー5問

この5問は、起電力の大きさだけでなく「何が変化したか→基準方向を決める→負号の意味を読む」までを一続きで確認するミニテストです。

磁束鎖交数、運動起電力、自己誘導、相互インダクタンス、磁気エネルギーを扱います。問題文と数値は当サイトで作成したオリジナルで、過去問題の転載・改変ではありません。

公式を先に復習する場合は「電磁誘導とインダクタンス|ファラデー・レンツの法則」を確認してください。絶対値だけを求める問題と、正方向を定めて符号・極性まで求める問題を区別して採点します。

解く前の式と符号の読み方

場面 基本式 負号・向きの意味
コイルを貫く磁束が変化 e = −NΔΦ/Δt = −Δλ/Δt 誘導起電力は磁束変化を妨げる向き
導体が磁界を横切る |e| = Blv sinθ 極性は正電荷への v×B または右手則で判定
コイル自身の電流が変化 eL = −LΔit 電流の変化を妨げる。電流そのものと常に逆ではない
2コイルが磁気結合 M = k√(L1L2)、|e2| = Mi1t| 極性には巻き方やドット記号の基準が必要
コイルに蓄えるエネルギー W = LI2/2 電流倍率は2乗して比較する

λ = NΦ は磁束鎖交数です。mWbは10−3 Wb、mHは10−3 H。符号問題では、問題文で定めた正方向を式へ入れてからレンツの法則を適用します。

採点のしかた

  1. 「磁束」「電流」「導体の移動」のどれが変化したかを先に囲みます。
  2. mWb・mHをSI単位へ直し、正方向がある問題は増減を符号つきで書きます。
  3. 絶対値を計算した後、負号・右手則・ドット記号のどれで向きを決めるか確認します。
  4. 5問中4問以上に正解し、翌日に公式と負号の意味を説明できれば次へ進みます。

第1問|磁束鎖交数の変化と起電力の符号

200巻コイルの1巻当たりの磁束が、正方向の+3.0 mWbから+1.0 mWbへ0.040 sで一様に変化した。起電力の正方向も問題文の基準矢印で定めたとき、平均誘導起電力 e = −NΔΦ/Δt はいくらか。

(1)−20 V
(2)−10 V
(3)−5.0 V
(4)+5.0 V
(5)+10 V

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正解:(5)+10 V

ΔΦ = (1.0−3.0)×10−3 = −2.0×10−3 Wb。したがって e = −200×(−2.0×10−3)/0.040 = +10 Vです。磁束が正方向へ減る変化を妨げるため、起電力は正向きになります。

  • (1)磁束の差と巻数の扱いが重複しています。
  • (2)大きさは合っていますが、ファラデーの式の負号を反映していません。
  • (3)巻数または磁束差を半分にしています。
  • (4)符号は正しいものの、磁束差か巻数が不足しています。
  • (5)ΔΦの負号とレンツの負号を順に反映して正しいです。

第2問|運動起電力の大きさと極性

紙面の奥向きに磁束密度0.60 Tの一様な磁界がある。長さ0.30 mの直線導体を紙面上で縦向きに保ち、右向きへ4.0 m/sで動かす。導体・磁界・速度は互いに直角である。導体両端の起電力と極性はどれか。

(1)0.18 V、上端が正
(2)0.72 V、上端が正
(3)0.72 V、下端が正
(4)1.2 V、上端が正
(5)7.2 V、下端が正

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正解:(2)0.72 V、上端が正

|e| = Blv = 0.60×0.30×4.0 = 0.72 V。正電荷へ働く力の向きは v×B で、右向きの速度と紙面奥向きの磁界から上向きになります。よって上端が正です。

  • (1)3量を掛ける途中で余分に1/4を掛けています。
  • (2)大きさと発電機の右手則による極性がともに正しいです。
  • (3)大きさは合っていますが、v×Bの向きを逆にしています。
  • (4)導体長または速度を別の値として計算しています。
  • (5)小数点と極性の両方が違います。

第3問|自己誘導は電流の変化を妨げる

自己インダクタンス0.80 Hのコイルで、正方向の電流が2.0 Aから5.0 Aへ0.15 sで一様に増加した。正方向を電流と同じ基準で表すとき、平均自己誘導起電力 eL = −LΔit はいくらか。

(1)−24 V
(2)−16 V
(3)−6.0 V
(4)+16 V
(5)+24 V

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正解:(2)−16 V

Δit = (5.0−2.0)/0.15 = 20 A/s。eL = −0.80×20 = −16 Vです。負号は、正方向へ増える電流を妨げる極性を示します。

  • (1)最終値5.0 Aと初期値2.0 Aを差ではなく別々に扱っています。
  • (2)電流変化率とレンツの負号がともに正しいです。
  • (3)電流差3.0 Aを時間で割っていません。
  • (4)大きさは合っていますが、増加を妨げる負号がありません。
  • (5)電流の最終値をそのまま変化量にしています。

第4問|相互インダクタンスと二次起電力

自己インダクタンス L1 = 0.40 H、L2 = 0.90 Hの2コイルが、結合係数 k = 0.50で結合している。一次電流が6.0 Aから2.0 Aへ0.020 sで一様に減少したとき、相互インダクタンス M と二次側誘導起電力の大きさ |e2| の組合せはどれか。

(1)M = 0.15 H、|e2| = 30 V
(2)M = 0.30 H、|e2| = 12 V
(3)M = 0.30 H、|e2| = 60 V
(4)M = 0.60 H、|e2| = 60 V
(5)M = 1.30 H、|e2| = 260 V

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正解:(3)0.30 H、60 V

M = k√(L1L2) = 0.50√(0.40×0.90) = 0.50×0.60 = 0.30 H。電流変化率の大きさは|2.0−6.0|/0.020 = 200 A/sなので、|e2| = 0.30×200 = 60 Vです。極性を決めるには巻き方またはドット記号の基準が別に必要です。

  • (1)結合係数を2回掛けています。
  • (2)Mは正しいですが、電流差を時間で割っていません。
  • (3)相互インダクタンスと電流変化率の両方が正しいです。
  • (4)√(L1L2)へ結合係数0.50を掛けていません。
  • (5)2つの自己インダクタンスを足しており、式が違います。

第5問|磁気エネルギーの変化

自己インダクタンス20 mHの理想コイルで、電流を3.0 Aから5.0 Aへ増加させた。増加前の磁気エネルギー、増加後の磁気エネルギー、その増加量の組合せとして正しいものはどれか。

(1)0.030 J、0.050 J、0.020 J
(2)0.090 J、0.150 J、0.060 J
(3)0.090 J、0.250 J、0.160 J
(4)0.180 J、0.500 J、0.320 J
(5)0.90 J、2.50 J、1.60 J

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正解:(3)0.090 J、0.250 J、増加0.160 J

20 mH = 0.020 H。増加前は W1 = 0.020×3.02/2 = 0.090 J、増加後は W2 = 0.020×5.02/2 = 0.250 J。差は0.250−0.090 = 0.160 Jです。

  • (1)エネルギーを電流に比例すると考えています。
  • (2)電流の2乗または式の1/2の適用が途中でずれています。
  • (3)mH換算、電流の2乗、2値の差がすべて正しいです。
  • (4)式の1/2を入れていません。
  • (5)20 mHを0.20 Hとしており1桁大きい値です。

結果の読み方|大きさと向きの工程を分ける

間違えた問題 戻る項目 再テストの完了条件
第1問 磁束鎖交数とファラデーの負号 ΔΦを符号つきで出してから負号を付ける
第2問 Blvと発電機の右手則 大きさと正端を別々に説明できる
第3問 自己誘導と電流変化率 「電流」ではなく「電流の変化」を妨げると説明
第4問 M = k√(L1L2) 結合係数を1回だけ掛け、A/sまで求める
第5問 mH換算とI2 前後のエネルギーを個別に出して差を取る

追加演習は電磁誘導とインダクタンスミニテスト第2回第3回へ進めます。前のテーマへ戻る場合は磁気・電磁力ミニテスト、次の理論テーマは直流回路の基礎ミニテストです。

公式資料と単位の確認先

問題・解説・公式資料確認日/最終更新日:2026年9月2日

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