ミニテスト 理論

直流回路ミニテスト|合成抵抗・分圧分流・電力を5問で計算

この5問は、公式を単独で暗記するのではなく「接続を読む→簡単化する→電流・電圧を戻す→電力で検算する」手順を確認するミニテストです。

抵抗の寸法変化、直並列の合成、負荷を接続した分圧、分流、電力・電力量を扱います。問題文と数値は当サイトで作成したオリジナルで、過去問題の転載・改変ではありません。

公式を先に復習する場合は「直流回路の基礎|オームの法則・合成抵抗・分圧分流・電力」を確認してください。回路全体の値と、個々の抵抗の値を混同しないことが5問共通のポイントです。

解く前の公式と検算ルール

場面 基本式 すぐできる検算
導体の抵抗 R = ρl/S 同じ材質なら長さに比例、断面積に反比例。円形断面は直径の2乗に比例
直列接続 R = R1 + R2 + … 合成抵抗は最大の抵抗より大きい
並列接続 1/R = 1/R1 + 1/R2 + … 合成抵抗は最小の抵抗より小さい
分圧・分流 V1 = VR1/(R1+R2)、I1 = IR2/(R1+R2) 電圧降下の和は電源電圧、分岐電流の和は全電流
電力・電力量 P = VI = I2R = V2/RW = Pt 全体の電力と各抵抗の電力の和が一致する

kΩとmAを組み合わせると、kΩ×mA = Vとして計算できます。電力量では30分を0.5 hまたは1,800 sへ直し、kWhとJを混ぜないようにします。

採点のしかた

  1. 直列部分と並列部分を囲み、最も内側の接続から合成します。
  2. 回路全体の電流または電圧を求めてから、各枝へ戻ります。
  3. 答えを選んだ後、抵抗の大小、電流の和、電圧の和、電力の和のいずれかで検算します。
  4. 5問中4問以上に正解し、翌日に途中式を再現できれば次の直流回路解析へ進みます。

第1問|長さと直径が変わる導線の抵抗

同じ材質・同じ温度の円形断面をもつ導線がある。長さl、直径dのときの抵抗が12 Ωだった。この導線を、長さ1.5l、直径2dの導線へ取り替える。新しい抵抗はいくらか。

(1)3.0 Ω
(2)4.5 Ω
(3)8.0 Ω
(4)18 Ω
(5)72 Ω

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正解:(2)4.5 Ω

R = ρl/Sで、円形断面積は直径の2乗に比例します。長さは1.5倍、断面積は22 = 4倍なので、R′/R = 1.5/4。したがってR′ = 12×1.5/4 = 4.5 Ωです。

  • (1)直径2倍による面積4倍だけを反映し、長さ1.5倍を入れていません。
  • (2)長さの倍率を分子、断面積の倍率を分母へ入れて正しいです。
  • (3)長さだけを1.5で割っており、断面積の変化を扱えていません。
  • (4)長さ1.5倍だけを反映し、太くなって抵抗が減る効果がありません。
  • (5)直径を面積と同じ向きに掛けており、比例・反比例が逆です。

第2問|直列と並列が混在する回路

理想直流電源24 Vに、8 Ωの抵抗と、12 Ω・6 Ωの並列回路を直列に接続した。電源から流れ出す全電流と、12 Ωの抵抗に流れる電流の組合せはどれか。

(1)1.0 A、1/3 A
(2)2.0 A、2/3 A
(3)2.0 A、4/3 A
(4)3.0 A、1.0 A
(5)6.0 A、2.0 A

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正解:(2)2.0 A、2/3 A

並列部分は12×6/(12+6) = 4 Ω、全体は8+4 = 12 Ωです。全電流は24/12 = 2.0 A。並列部分の電圧は2.0×4 = 8 Vなので、12 Ω枝は8/12 = 2/3 Aです。6 Ω枝の4/3 Aと足すと2 Aになり検算できます。

  • (1)並列部分と8 Ωをすべて直列として足しています。
  • (2)並列を先に4 Ωへまとめ、枝電流まで正しく戻しています。
  • (3)全電流は正しいですが、6 Ω側の枝電流を答えています。
  • (4)12 Ωと6 Ωを直列と並列で取り違えています。
  • (5)並列部分の合成抵抗4 Ωだけを全回路の抵抗にしています。

第3問|負荷を接続した分圧回路

理想直流電源20 Vに、上側4 kΩと下側6 kΩの抵抗を直列接続し、中点と電源の負側の間を出力とする。さらに6 kΩの負荷抵抗を出力へ並列に接続した。負荷接続後の出力電圧と、電源から流れる電流の組合せはどれか。

(1)6.0 V、2.0 mA
(2)8.57 V、2.86 mA
(3)10 V、2.0 mA
(4)12 V、2.0 mA
(5)12 V、3.33 mA

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正解:(2)8.57 V、2.86 mA

下側6 kΩと負荷6 kΩは並列なので3 kΩです。全体は4+3 = 7 kΩ、電源電流は20/7 = 2.857… mA。出力電圧は20×3/7 = 60/7 = 8.571… Vです。負荷を接続する前の12 Vより低下します。

  • (1)並列合成後の3 kΩを出力電圧と取り違えています。
  • (2)負荷と下側抵抗を先に並列合成して正しいです。
  • (3)4 kΩと6 kΩを同じ値として扱っています。
  • (4)負荷を接続する前の分圧20×6/(4+6)を答えています。
  • (5)出力電圧は無負荷値のまま、電流だけ別の抵抗で計算しています。

第4問|分流と電力の和による検算

10 Ωと15 Ωの抵抗を並列に接続し、並列回路全体へ5.0 Aを流す。10 Ωの抵抗に流れる電流と、並列回路全体で消費する電力の組合せはどれか。

(1)2.0 A、60 W
(2)2.0 A、150 W
(3)3.0 A、90 W
(4)3.0 A、150 W
(5)5.0 A、150 W

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正解:(4)3.0 A、150 W

合成抵抗は10×15/(10+15) = 6 Ωなので、並列両端の電圧は5.0×6 = 30 Vです。10 Ω枝は30/10 = 3.0 A、15 Ω枝は2.0 A。全電力は30×5.0 = 150 Wで、枝電力90 W+60 Wとも一致します。

  • (1)15 Ω枝の電流と、その枝だけの電力を答えています。
  • (2)全電力は正しいですが、電流は15 Ω枝の値です。
  • (3)10 Ω枝の値だけなら正しいものの、全電力ではなく枝電力です。
  • (4)枝電流の和と枝電力の和がどちらも全体値に一致します。
  • (5)全電流5.0 Aが10 Ω枝だけに流れるとしており、分流していません。

第5問|電圧を変えた抵抗負荷の電力と電力量

定格100 V・500 Wの抵抗負荷を、抵抗値が20 Ωで一定の理想抵抗とみなす。この負荷へ80 Vを加えて30分間使用したとき、消費電力と電力量の組合せはどれか。

(1)256 W、0.128 kWh
(2)320 W、0.160 kWh
(3)400 W、0.200 kWh
(4)500 W、0.250 kWh
(5)640 W、0.320 kWh

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正解:(2)320 W、0.160 kWh

抵抗一定なので、80 V時の電力はP = V2/R = 802/20 = 320 Wです。30分 = 0.5 hより、電力量は0.320 kW×0.5 h = 0.160 kWh。Jへ直すと320×1,800 = 576,000 J = 576 kJです。

  • (1)電圧比0.8を電力へ2回掛けた後、さらにもう一度掛けています。
  • (2)電圧の2乗で電力を求め、使用時間0.5 hを掛けて正しいです。
  • (3)電力が電圧に比例すると考えています。抵抗一定なら電圧の2乗に比例します。
  • (4)80 Vでも定格電力500 Wのままとしています。
  • (5)電圧が下がると電力が増える計算になっており、関係が逆です。

実際の電熱線などは温度で抵抗値が変化し得ます。この設問は問題文どおり抵抗値一定の理想条件での計算です。

結果の読み方|どの段階で崩れたかを特定する

間違えた問題 戻る項目 再テストの完了条件
第1問 R = ρl/Sと円の面積 長さ・直径・断面積の倍率を別々に書く
第2問 直並列の簡単化と枝へ戻る手順 2本の枝電流の和が全電流になる
第3問 負荷抵抗を含めた分圧 負荷と下側抵抗を並列合成してから分圧する
第4問 分流とP = VI 電流の和と電力の和を両方検算する
第5問 P = V2/Rと時間換算 kWhとJの両方で同じ電力量を表せる

追加演習は直流回路の基礎ミニテスト第2回第3回へ進めます。前のテーマへ戻る場合は電磁誘導・インダクタンスミニテスト、次のテーマは直流回路の解析ミニテストです。

公式資料と単位の確認先

問題・解説・公式資料確認日/最終更新日:2026年9月2日

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