この5問は、回路図の形だけで公式を選ぶのではなく「基準方向を決める→式を立てる→符号を読む→別の関係で検算する」手順を確認するミニテストです。
キルヒホッフの電流則・電圧則、平衡ブリッジ、テブナン等価回路、重ね合わせを扱います。問題文と数値は当サイトで作成したオリジナルで、過去問題の転載・改変ではありません。
公式と基本手順を先に復習する場合は「直流回路の解析|キルヒホッフ・ブリッジ・テブナン」を確認してください。以下では図がなくても接続が一意になるよう、節点、端子、電流の正方向を文章で指定しています。
解く前の基準方向と検算ルール
| 手法 | 立式の要点 | 検算 |
|---|---|---|
| KCL(電流則) | 節点へ流入を正とするなら、流入は+、流出は−として電流の代数和を0にする | 流入電流の和と流出電流の和が一致する |
| KVL(電圧則) | ループの一周方向を固定し、電位上昇と電位降下を符号つきで足して0にする | 電源による上昇の和と抵抗での降下の和が一致する |
| 平衡ブリッジ | 検出器の両端が同電位なら検出器電流は0。抵抗の位置を確認して比または積の式を立てる | 左右の中点電位を別々に計算して一致する |
| テブナン | 負荷を外した開放電圧Vthと、端子から見た等価抵抗Rthを求める | 負荷電流はVth/(Rth+RL) |
| 重ね合わせ | 線形回路で独立電源を1個ずつ作用させ、同じ基準方向の電流・電圧を符号つきで加える | 全電源を同時に作用させた節点法の結果と一致する |
理想独立電圧源を0 Vにすると短絡、理想独立電流源を0 Aにすると開放です。従属電源は制御関係を保つため無効化しません。また、重ね合わせで直接加えられるのは電流・電圧であり、電力を電源別に計算して足してはいけません。
採点のしかた
- 問題文に指定された電流の矢印、端子電圧の正負、ループの一周方向へ印を付けます。
- 数値を入れる前に、KCLまたはKVLを記号と符号で1行書きます。
- 答えを選んだ後、電流の和、電圧の和、中点電位、元回路の節点式のいずれかで検算します。
- 5問中4問以上に正解し、翌日に式と符号を再現できれば交流回路へ進みます。
第1問|KCLと電流の基準方向
節点Aへ4.0 Aが流入し、別の枝から1.5 Aが流出している。残る枝の電流Iは、節点Aから流出する向きを正と定める。Iの符号つきの値はいくらか。
(1)−5.5 A
(2)−2.5 A
(3)+1.5 A
(4)+2.5 A
(5)+5.5 A
第2問|KVLで向かい合う2電源を読む
1つの閉回路に理想直流電圧源18 Vと6 V、抵抗2 Ωと4 Ωがすべて直列に接続されている。2電源の極性は互いに逆向きで、時計回りに一周すると18 Vでは電位が上昇し、6 Vでは電位が低下する。電流の正方向を時計回りとしたとき、回路電流と4 Ω抵抗の電圧降下の組合せはどれか。
(1)1.5 A、6 V
(2)2.0 A、8 V
(3)3.0 A、12 V
(4)4.0 A、16 V
(5)6.0 A、24 V
第3問|平衡ブリッジの抵抗と電源電流
ホイートストンブリッジの上端と下端の間に理想直流電源12 Vを接続する。左枝は上側120 Ω・下側180 Ω、右枝は上側200 Ω・下側Rxである。左右の中点間に接続した理想検出器の電流が0となり、ブリッジは平衡している。Rxと電源から流れ出す全電流の組合せはどれか。
(1)120 Ω、77.5 mA
(2)200 Ω、70 mA
(3)300 Ω、64 mA
(4)450 Ω、58.5 mA
(5)600 Ω、55 mA
第4問|2電源を含む回路のテブナン等価
端子bを0 Vとする。理想電圧源により節点pは+18 V、節点qは+6 Vに保たれている。端子aはpへ3 Ωを介して、qへ6 Ωを介して接続され、ほかの接続はない。端子a-bから見た開放電圧Vth、等価抵抗Rth、さらにa-b間へ5 Ωの負荷を接続したときの負荷電流(aからb向きを正)の組合せはどれか。
(1)12 V、9 Ω、0.857 A
(2)14 V、2 Ω、2.0 A
(3)24 V、2 Ω、3.43 A
(4)14 V、9 Ω、1.0 A
(5)6 V、2 Ω、0.857 A
第5問|重ね合わせで電源別の寄与を足す
端子bを0 Vとする。節点aは、2 Ωを介して+12 Vの理想電圧源の正端子へ、別の4 Ωを介して+8 Vの理想電圧源の正端子へ接続されている。さらに負荷4 Ωをa-b間に接続する。負荷電流はaからb向きを正とする。重ね合わせにより求めた12 V源だけの寄与I12、8 V源だけの寄与I8、全負荷電流Iの組合せはどれか。
(1)1.5 A、0.5 A、2.0 A
(2)1.5 A、−0.5 A、1.0 A
(3)3.0 A、2.0 A、5.0 A
(4)6.0 A、2.0 A、8.0 A
(5)2.0 A、1.0 A、3.0 A
結果の読み方|どの式と符号へ戻るか
| 間違えた問題 | 戻る項目 | 再テストの完了条件 |
|---|---|---|
| 第1問 | KCLと電流矢印 | 流入和=流出和と、負の答えが矢印と逆向きであることを説明できる |
| 第2問 | KVLと電源極性 | 一周方向を決め、上昇と降下を符号つきで書ける |
| 第3問 | ブリッジの抵抗配置 | 平衡式だけでなく左右の中点電位でも検算できる |
| 第4問 | VthとRth | 負荷を外す操作と独立電源を0にする操作を分けられる |
| 第5問 | 重ね合わせと電源の無効化 | 寄与の符号をそろえ、全電源で解いた節点式と一致させられる |
追加演習は直流回路の解析ミニテスト第2回、第3回へ進めます。前のテーマへ戻る場合は直流回路ミニテスト、次のテーマは交流回路の基礎ミニテストです。
公式資料と試験形式の確認先
- 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者の試験概要」:理論科目の範囲と五肢択一方式
- 第三種電気主任技術者試験の問題と解答:最新を含む公表問題と本番の計算形式
- BIPM「SI Brochure, 9th edition, version 4.01」:A、V、Ω、WなどSI単位の確認
問題・解説・公式資料確認日/最終更新日:2026年9月2日
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