「火力発電の仕組みと熱効率」のミニテスト第3回(全5問)です。
火力発電の仕組みと熱効率 ミニテスト
第1回 第2回 第3回
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
排熱回収をしない単純サイクルのガスタービン発電を、同程度の規模の汽力発電と比べたときの特徴として正しいものはどれか。
(1)起動に時間がかかる
(2)単純サイクル単独でも熱効率が汽力発電より高い
(3)起動が速い
(4)1台あたりの容量を大きくとりやすい
(5)捨てる排熱が少ない
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正解:(3)起動が速い
ガスタービンは圧縮機・燃焼器・タービンで成り立ち、ボイラで水を蒸気に変える工程がないため起動が速いのが特徴です。所要時間は機種や待機の状態で変わりますが、数分から十数分程度とされ、需要のピーク対応や非常用に向きます。(1)は逆で、時間がかかるのは大量の水と厚い金属を温める汽力側です。(2)は誤りで、単純サイクルでは高温の排ガスをそのまま捨てるため熱効率は汽力より低いのが一般的です。排熱回収ボイラと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクルにして、はじめて汽力を上回ります。(4)も1台あたりの容量は汽力より小さいのが普通です。(5)も逆で、排熱は高温のガスとして多く出ます。それを捨てずに使うのがコンバインドサイクルです。
第2問
ビル・工場・病院などに設置されるディーゼル発電設備の主な用途はどれか。
(1)常時運転するベースロード電源
(2)非常用発電
(3)揚水発電
(4)系統の電圧を調整する調相設備
(5)送電ロスの低減
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正解:(2)非常用発電
ディーゼル発電設備は始動から定格までが速く、燃料を敷地内に貯めておけて系統から切り離しても単独で運転できるため、停電時に消防設備や重要負荷へ電気を送る非常用電源や、離島・自家用の電源として使われます。(1)は燃料費・保守・容量の面で不利で、常時運転の主力にはなりません。(3)はポンプ水車で水をくみ上げる水力の方式です。(4)の調相設備は電力用コンデンサや分路リアクトル、同期調相機などが受け持つ役割で、ディーゼル発電機の用途ではありません。(5)は送電電圧や導体の選定など送電設備側の課題です。
第3問
近年運転を開始した大容量のコンバインドサイクル発電所について、低位発熱量(LHV)基準の発電端熱効率はおよそどの程度か。
(1)20〜30%
(2)30〜40%
(3)40〜50%
(4)おおむね50〜60%台
(5)80%以上
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正解:(4)おおむね50〜60%台
コンバインドサイクルはガスタービンの排熱を排熱回収ボイラで回収し、その蒸気で蒸気タービンも回すため、単純サイクルや汽力より高い効率になります。近年運転を開始した大容量機では、低位発熱量(LHV)基準の発電端熱効率が60%を超える例もメーカーや電力会社から公表されています。ただし同じ設備でも高位発熱量(HHV)基準に直すと数ポイント低い値になり、部分負荷や外気温の高い条件でも下がるため、数字を比べるときは基準と運転条件をそろえます。(1)〜(3)は古い汽力や単純サイクル、小型機の水準です。(5)は排熱を熱としても利用するコージェネレーションの総合効率の水準で、発電の熱効率ではありません。
第4問
排熱回収ボイラ(HRSG)を標準的な構成要素として備える発電方式はどれか。
(1)汽力発電
(2)ディーゼル発電
(3)コンバインドサイクル発電
(4)原子力発電
(5)水力発電
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正解:(3)コンバインドサイクル発電
HRSGはガスタービンから出る高温の排ガスを熱源にして蒸気をつくるボイラで、その蒸気で蒸気タービンを回すのがコンバインドサイクルです。燃料を追加で焚かない構成が基本なので、蒸気の量と条件は排ガスの温度と流量で決まります。(1)の汽力発電のボイラは燃料を直接燃やして蒸気をつくるもので、排熱回収ボイラではありません。(2)のディーゼルやガスエンジンでも排熱回収ボイラを付けたコージェネはありますが、発電方式として必ず備える構成要素ではありません。(4)の原子力は蒸気発生器または原子炉本体で蒸気をつくり、(5)の水力にはボイラがありません。
第5問
所内で電力を消費している実際の火力発電所について、発電端熱効率と送電端熱効率の大小関係として正しいものはどれか。
(1)発電端>送電端
(2)発電端<送電端
(3)発電端=送電端
(4)関係はない
(5)送電端は計算できない
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正解:(1)発電端>送電端
発電所の中では給水ポンプ、通風機、循環水ポンプ、照明などが電気を使います。送電端電力=発電端電力−所内消費電力なので、同じ熱入力で比べると送電端熱効率は発電端熱効率より低くなります。所内率をL、発電端熱効率をηgとすると送電端熱効率はηg×(1−L)で、パーセントどうしの引き算ではない点に注意してください。(2)は所内消費がある限り成り立たず、(3)が成り立つのは所内消費がゼロという理想の場合だけです。(4)は上の式のとおり関係があり、(5)も所内消費電力を測れば計算できます。
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