結論:火力発電は「熱エネルギーを回転力に変えて発電する」仕組み
日本の発電量の約7割を占める火力発電。燃料を燃やして蒸気をつくり、タービンを回して発電します。電験三種では熱サイクルの理解と熱効率の計算がポイントです。
🔥 汽力発電
蒸気でタービンを回す
最も一般的な方式
💨 ガスタービン
高温燃焼ガスで
タービンを直接回す
♻ コンバインド
ガス+蒸気の
複合で高効率
汽力発電の仕組み ― ランキンサイクル
汽力発電の4つの工程
| 工程 | 設備 | 内容 |
|---|---|---|
| ① 給水 | 給水ポンプ | 水を高圧に加圧してボイラへ送る |
| ② 加熱 | ボイラ | 燃料を燃やして水を蒸気に変える |
| ③ 膨張 | 蒸気タービン | 蒸気の力でタービンを回して発電 |
| ④ 凝縮 | 復水器 | 使い終わった蒸気を冷やして水に戻す |
熱効率の向上策
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| 再熱サイクル | タービン途中で蒸気を再加熱 → タービン効率↑、湿り度↓ |
| 再生サイクル | タービン途中の蒸気で給水を予熱 → ボイラの負担↓ |
| 再熱再生サイクル | 両方を組み合わせた最も高効率な方式 |
熱効率の計算
熱効率
η = 発電端出力燃料の発熱量 × 100 [%]
燃料の発熱量
入力熱量 = 燃料消費量 [kg/s] × 発熱量 [kJ/kg]
コンバインドサイクル発電
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電方式です。
- ガスタービンの排熱で蒸気をつくり、蒸気タービンも回す
- 熱効率は50%以上(汽力発電単独は約40%)
- 起動・停止が速い(ピーク対応に向く)
コンバインドサイクルの合成効率
ηc = ηG + (1 − ηG) × ηS
ηG はガスタービン効率、ηS は蒸気タービン効率です。
試験に出る!典型的な計算パターン
例題:熱効率
発熱量 40,000 kJ/kg の燃料を毎時 10 t 消費して 40 MW の出力を得ている。この発電所の熱効率を求めよ。
【解答】
入力 = 10,000 kg/h × 40,000 kJ/kg = 4 × 108 kJ/h
出力 = 40,000 kW = 40,000 kJ/s × 3,600 s/h = 1.44 × 108 kJ/h
η = (1.44 × 108) / (4 × 108) × 100 = 36%
例題:コンバインド効率
ガスタービン効率 35%、蒸気タービン効率 30% のコンバインドサイクルの合成効率を求めよ。
【解答】
ηc = 0.35 + (1 − 0.35) × 0.30 = 0.35 + 0.195 = 0.545 = 54.5%
まとめ
| テーマ | 最重要ポイント |
|---|---|
| 汽力発電 | ランキンサイクル(給水→加熱→膨張→凝縮) |
| 効率向上 | 再熱(蒸気を再加熱)、再生(蒸気で給水予熱) |
| コンバインド | ηc = ηG + (1−ηG)ηS、50%超の高効率 |
| 熱効率 | 出力/入力熱量 ×100、単位変換に注意 |
学習アドバイス:火力発電は暗記と計算の両方が出ます。サイクルの流れ(4工程)と効率向上策(再熱・再生)は暗記、熱効率の計算は単位変換さえ間違えなければ確実に解けます。kJ と kW の変換(1 kW = 1 kJ/s)は必ず押さえましょう。
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