ミニテスト 電力

原子力と新エネルギーミニテスト第1回|崩壊熱・核分裂回数・太陽光と風力の5問

このテーマでつまずくのは、用語を覚えていないときではなく、条件を読み飛ばしたときです。この第1回では、原子炉の材料と停止後の熱、そして太陽光・風力の出力を、単位と条件をそろえて出せるかを5問で確認します。

5問とも当サイトで作成したオリジナルの学習問題です。正しいものを1つ選んだら、解答欄でほかの4つが誤りである理由まで読んでください。登場する数値は計算練習のための設定で、実在の発電所や製品の性能を示すものではありません。

先に解説を読んでから解きたい場合は、原子力発電と新エネルギー|核分裂・原子炉・太陽光・風力・燃料電池をどうぞ。解き足りないときの追加演習は原子力発電と新エネルギー ミニテスト第2回同 第3回にあります。

始める前に|代入する前に単位をそろえる

前半の2問は原子炉のしくみ、後半の3問は計算です。手元の紙には、選んだ番号だけでなく途中で使った単位も書き残してください。正解数で合否を決めるテストではなく、どこを読み直せばよいかを見つけるための演習です。

単位の関係 つまずきやすい点
原子核のエネルギー 1 eV=1.602×10−19 J MeVの「M」は106。落とすと6桁ずれる
熱出力・電力 1 MW=106 W106 J/s MWの数値のままJ/sとして割らない
日射強度 1 kW/m2×面積[m2=kW 面積を掛けて初めて電力になる
効率 18%=0.18 掛ける順と、掛け忘れの有無を確認する

以下の各問は定常状態を仮定し、指定した以外の損失は考えません。実際の設備では温度・汚れ・制御の影響を受けるため、ここで求めた値がそのまま実機の性能になるわけではありません。

第1問|軽水炉が濃縮ウランを使う理由をたどる

減速材と冷却材の両方に軽水(普通の水)を使う軽水炉は、天然ウランではなく濃縮ウランを燃料にしている。その理由として、最も適切なものはどれか。

(1)軽水は中性子のエネルギーを下げる能力(減速能)が小さく、熱中性子をほとんど作れないため。
(2)軽水は減速能が大きい一方で中性子の吸収も無視できず、天然ウランのままでは連鎖反応を保ちにくいため。
(3)軽水は沸点が低く炉内の圧力を高くできないので、燃料側で出力を補う必要があるため。
(4)ウラン235の割合を高めると、運転を止めたあとの発熱がなくなるため。
(5)重水や黒鉛を減速材にする炉でも、天然ウランのままでは運転できないため。

第2問|連鎖反応を止めた直後の炉心を考える

定格運転していた原子炉で制御棒を全挿入し、核分裂の連鎖反応をほぼ止めた。この直後の炉心について、最も適切なものはどれか。

(1)核分裂が止まるので発熱も直ちにゼロになり、冷却は不要になる。
(2)核分裂生成物の放射性崩壊による発熱が続くため、停止後も冷却を続ける必要がある。
(3)停止直後の発熱は、運転していたときの熱出力よりも大きくなる。
(4)発熱は減速材を抜き取れば直ちに止まるので、冷却系は不要になる。
(5)発熱量は時間とともに増えていくため、停止から日数がたつほど冷却が重要になる。

第3問|熱出力から1秒あたりの核分裂回数を求める

熱出力1,600 MWで定常運転している原子炉がある。核分裂1回あたりに出るエネルギーを200 MeV、1 eV=1.602×10−19 Jとし、発生している熱がすべてこの核分裂によるものとする。1秒あたりの核分裂回数に最も近いものはどれか。

(1)約5.0×1013 回/s
(2)約5.0×1018 回/s
(3)約5.0×1019 回/s
(4)約5.0×1020 回/s
(5)約5.0×1025 回/s

第4問|日射と2つの効率から交流出力を求める

受光面積30 m2、モジュール変換効率18.0%の太陽電池アレイがある。ある時刻の日射強度は0.90 kW/m2、パワーコンディショナの変換効率は95%である。素子の温度上昇・汚れ・配線の損失は考えないとき、系統へ出る交流電力に最も近いものはどれか。

(1)約0.15 kW
(2)約4.62 kW
(3)約4.86 kW
(4)約5.13 kW
(5)約27.0 kW

第5問|3乗則が使える範囲かどうかを見分ける

ある風車は風速12 m/sで定格出力2,000 kWに達し、それより強い風では羽根の角度を変えて出力を定格に保つ制御をしている。風速8 m/sのときの出力は590 kWだった。空気密度と出力係数が変わらないものとし、停止させるほどの強風(カットアウト)には達していないとき、風速10 m/sと14 m/sの出力の組合せとして最も近いものはどれか。

(1)10 m/s:約738 kW/14 m/s:約3,160 kW
(2)10 m/s:約922 kW/14 m/s:約1,810 kW
(3)10 m/s:約1,150 kW/14 m/s:約2,000 kW
(4)10 m/s:約1,150 kW/14 m/s:約3,160 kW
(5)10 m/s:約2,000 kW/14 m/s:約2,000 kW

解き終えたら|間違いを原因まで戻す

問題 見直す点 もう一度説明すること
第1問 減速材の2つの性質 減速能の大小と中性子の吸収の多少の違い
第2問 停止後の熱源 崩壊熱がどこから出て、どう減っていくか
第3問 eVとJ、MWとW MeVの106と、MWの106の扱い
第4問 掛ける順と掛け忘れ 面積・モジュール効率・変換装置効率の役割
第5問 3乗則が使える範囲 定格風速・定格出力・カットアウトの位置関係

答えが合っていても、なぜその式になるかを説明できない問題は解き直してみてください。とくに第3問と第4問は、計算そのものより単位をそろえる段階で差がつきます。指数の足し引きを暗算せず、10の何乗かを紙に書いてから割ると事故が減ります。

原子力と新エネルギーは、覚える用語が多い一方で、問われ方は「条件を読み分けられるか」に寄っています。発電している間の話か設備の一生分か、標準試験条件か実際の条件か、定格前か定格後か——この3つを意識して読むと、選択肢の言い回しに振り回されにくくなります。

出典・公式資料の確認先

用語の定義と仕組みは、次の資料で確認しました。設問文・選択肢・数値の設定・整理表はいずれも当サイトで作成したもので、これらの資料に載っている問題や図表を写したものではありません。

内容・出典確認日:2026年9月9日。崩壊熱の割合のように、資料によって示される数値に幅がある項目は、幅のまま覚えて条件で判断してください。試験問題で光の速さ・空気密度・発熱量・効率の基準が指定された場合は、その値と条件を優先して計算します。

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。

-ミニテスト, 電力