「変圧器の構造と原理」のミニテスト第3回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
日本の一般的な電力用変圧器で、標準とされる極性はどれか。
(1)加極性
(2)減極性
(3)同極性
(4)無極性
(5)交互極性
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正解:(2)減極性
減極性では、規定の端子配置で一次・二次の向かい合う端子が同じ瞬間の極性になります。その一組を接続して、残った端子間の電圧を測る極性試験では、一次・二次電圧の差が現れます。端子の極性が同じことと、試験電圧が差になることを区別してください。
(1)加極性では、同じ配置・接続の試験で電圧の和が現れます。(3)同極性は端子同士の関係を表す語で、この分類の名称ではありません。(4)無極性、(5)交互極性も標準の分類名ではありません。端子配置と試験接続の図:日本電気技術者協会「変圧器の極性」。
第2問
三相の各相が同じ特性の変圧器をY-Y結線にし、中性線もΔ結線の三次巻線も設けない場合を考える。第3調波の励磁電流が流れる経路がないことで起こり得る問題はどれか。
(1)漏れ磁束が必ず増大する
(2)第3調波による相電圧波形のひずみ
(3)無負荷電流が必ず0になる
(4)冷却ができなくなる
(5)銅損だけが発生する
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正解:(2)第3調波による相電圧波形のひずみ
鉄心の磁化特性は直線ではありません。正弦波の磁束を作る励磁電流には第3調波が含まれます。三相の第3調波は同相なので、中性線のないY結線では流れる経路がありません。その結果、磁束や相電圧がひずむことがあります。同相の第3調波は、相電圧の差を取る線間電圧では打ち消し合う点にも注意します。
(1)漏れ磁束は巻線配置などにも左右され、結線だけで必ず増えるとはいえません。(3)無負荷でも励磁電流が流れます。(4)冷却方式とは別の問題です。(5)鉄損も発生します。Δ結線の三次巻線を設けると、第3調波電流の循環経路を作れます。ただし、あらゆる高調波が消えるという意味ではありません。参考:日本電気技術者協会「3巻線変圧器について」。
第3問
一般的な電力用変圧器の電磁誘導を行う本体が、直流機や誘導電動機と異なる構造上の特徴はどれか。
(1)鉄心を持たない
(2)巻線を持たない
(3)回転する部分がない(静止器)
(4)整流子を持つ
(5)冷却装置が不要
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正解:(3)回転する部分がない(静止器)
変圧器の本体は、巻線と鉄心を回転させず、時間とともに変わる磁束で電圧を誘導します。(1)一般的な電力用変圧器には鉄心があり、(2)巻線も必要です。(4)直流機のような整流子は使いません。(5)鉄損・銅損で発熱するため、冷却は必要です。
本体に回転軸がないので、回転機のような軸受摩擦損や回転子の風損はありません。ただし、冷却ファンや油ポンプを備える機種はあり、それらの補機は電力を消費します。「静止器だから設備全体の損失が0」とはなりません。
第4問
一次側がΔ、二次側がYのΔ-Y結線で、二次側から中性点を取り出せる理由はどれか。
(1)一次側のΔ結線に中性点があるため
(2)二次側の3相の巻線に共通接続点があるため
(3)一次・二次の電圧が必ず同相になるため
(4)鉄損が0になるため
(5)負荷の力率が必ず1になるため
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正解:(2)二次側の3相の巻線に共通接続点があるため
Y結線では、各相の巻線の一端をまとめた点が中性点になります。必要に応じて端子を引き出し、接地や中性線の接続に使います。(1)Δ結線にはその共通接続点がありません。(3)Δ-Yでは一次・二次の線間電圧に通常30°の位相差があり、同相とは限りません。(4)結線しても鉄損はなくならず、(5)力率も負荷によって変わります。
発電所の昇圧などに採用例がありますが、Δ-Y は昇圧専用ではありません。電圧の比は巻数比と結線で決まります。結線名と昇圧・降圧を一対一で暗記しないようにしましょう。
第5問
正弦波磁束による変圧器の誘導起電力の実効値は E=4.44fNΦm で表される。周波数 f と磁束の最大値 Φm をともに一定に保って、巻数 N を2倍にすると、E はどうなるか。
(1)1/2 倍
(2)変わらない
(3)√2 倍
(4)2 倍
(5)4 倍
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正解:(4)2 倍
f は周波数[Hz]、N は巻数、Φm は最大磁束[Wb]です。E は起電力の実効値[V]を表します。同じ磁束変化による1巻当たりの起電力を、巻数だけ足し合わせるため、N が2倍なら E も2倍です。
(1)1/2倍は反比例とした場合、(2)変わらないは巻数の変化を無視した場合です。(3)√2倍は最大値と実効値の換算との混同で、今回はどちらも実効値です。(5)4倍は N を2乗で扱った場合で、この式には当てはまりません。
印加電圧と周波数を一定にした実機で巻数を増やすなら、磁束のほうが変わります。今回の「最大磁束も一定」という条件と混同しないでください。式の確認:日本電気技術者協会「変圧器の銘板に学ぶ」。
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