「誘導電動機の原理と構造」のミニテスト第2回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
三相誘導電動機で、すべり s = 0.04、電源周波数 f = 50 Hz のとき、回転子に発生する起電力の周波数 f₂ [Hz] はどれか。
(1)0.5
(2)1.0
(3)2.0
(4)5.0
(5)50
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正解:(3)2.0
電動運転の範囲では、回転子から見た磁界の変化の速さはすべりに比例します。f₂=sf=0.04×50=2.0 Hzです。
同じ50 Hzで(1)0.5 Hzならs=0.01、(2)1.0 Hzなら0.02、(4)5.0 Hzなら0.10、(5)50 Hzなら1となり、指定の0.04と合いません。
定格時の二次周波数は、電源周波数とその機種の定格すべりで決まります。1〜3 Hzと一律には決められません。電源周波数一定で停止から同期速度に近づくほど低下しますが、同期速度を超える発電域も含む周波数の大きさは|s|fです。参考:日本電気技術者協会の二次周波数の説明。
第2問
平衡三相電源につないだ誘導電動機の軸を、外力で同期速度に保つ(s=0)。二次側の外部励磁はなく、基本波だけを考え、過渡現象を除くとき、正しいものはどれか。
(1)効率が最大になる
(2)基本波による誘導トルクがゼロになる
(3)固定子電流が最大になる
(4)力率が最大になる
(5)電動機としての機械的出力が最大になる
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正解:(2)基本波による誘導トルクがゼロになる
回転子と基本波の回転磁界との速度差が0なので、回転子に誘導起電力とそれによる電流が生じず、誘導トルクも0です。ただし固定子には磁界を作る励磁電流が流れます。
(1)と(5)は、誘導トルクが0で機械的出力を生み出せない状態を最大効率・最大出力としています。(3)は回転子の誘導電流と固定子電流の区別が必要です。固定子電流が最大になる条件ではありません。(4)も、励磁に必要な電流が残るので最大力率の条件とはいえません。
通常の電動運転では負荷や摩擦に対抗するためすべりが必要です。一方、外力で同期速度にすることまで不可能という意味ではありません。
第3問
深溝かご形誘導電動機の、回転子構造による特徴として正しいものはどれか。
(1)深溝構造だけで巻線形より速度制御がしやすくなる
(2)始動時の表皮効果による実効抵抗の増大を利用し、始動特性を改善する
(3)二次抵抗を接続するスリップリングを持つ
(4)定格時も始動時と同じ強い表皮効果で実効抵抗を大きく保つ
(5)2極専用の構造である
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正解:(2)始動時の電流の偏りを利用する
停止時は二次周波数が電源周波数と等しく、導体棒の電流が溝の開口側へ偏ります。電流が通る部分が狭まるため実効抵抗が増え、始動電流や始動トルクの改善に利用できます。加速してすべりが小さくなると偏りが弱まり、実効抵抗は下がります。「表皮効果が完全になくなる」とは限りません。
(1)深溝構造はそれだけで速度制御装置にはなりません。かご形もインバータで周波数制御できます。(3)の外部抵抗用スリップリングは巻線形の構造です。(4)は二次周波数の低下を考慮していません。(5)極数を2に限定する構造ではありません。始動トルクの大小は機種・設計条件でも変わります。参考:特殊かご形と速度制御。
第4問
8 極の三相誘導電動機を 50 Hz で運転した場合の同期速度 [min⁻¹] はどれか。
(1)500
(2)600
(3)750
(4)900
(5)1,000
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正解:(3)750
同期速度Nsは磁界が回る速さです。周波数f[Hz]、極数pから、Ns=120f/p=120×50/8
=750 min⁻¹となります。
同じ50 Hzで(1)500なら12極、(2)600なら10極、(5)1,000なら6極の値です。(4)900は60 Hz・8極の値で、今回の周波数とは違います。
通常の電動運転では軸はこれより遅く回ります。同期速度750 min⁻¹と、実際の軸の回転速度を混同しないようにします。
第5問
教材用の条件として、8極・50 Hzの三相誘導電動機の定格回転速度を720 min⁻¹とする。この機械の定格すべりを含む範囲はどれか。
(1)0(0 %)
(2)0.02〜0.05(2〜5 %)
(3)0.1〜0.2(10〜20 %)
(4)0.3〜0.5(30〜50 %)
(5)1.0(100 %)
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正解:(2)0.02〜0.05(2〜5 %)
第4問と同じ条件なので同期速度は750 min⁻¹です。s=(Ns−N)/Ns
=(750−720)/750=0.04(4%)。0.02〜0.05に含まれるため(2)です。
(1)の0は同期速度、(5)の1は停止に対応します。(3)の0.1〜0.2なら軸速度600〜675 min⁻¹、(4)の0.3〜0.5なら375〜525 min⁻¹で、720 min⁻¹と合いません。
2〜5%はすべての誘導電動機に共通する定格範囲ではありません。銘板などに示された周波数・極数・定格回転速度から、その機械の値を計算します。
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