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パワーエレクトロニクス ミニテスト【第2回】

「パワーエレクトロニクス」のミニテスト第2回(全5問)です。

パワーエレクトロニクス ミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

平衡三相の正弦波交流を、理想ダイオード6個の全波ブリッジで整流する。入力の相電圧(中性点に対する電圧)の実効値をVとする。純抵抗負荷で平滑コンデンサはなく、電源インピーダンスを無視すると、出力電圧の1周期の平均値はおよそどれか。

(1)0.45×V
(2)0.9×V
(3)1.35×V
(4)1.8×V
(5)2.34×V

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正解:(5)2.34×V
ここでVは単位記号ではなく、入力の相電圧実効値です。瞬間的に最も高い相と最も低い相の電圧差が出力されます。その波形を平均すると、
Ed=(3√6/π)×V ≈ 2.34×V。
(3)1.35倍は、入力を線間電圧の実効値で表すときの係数です。線間電圧は相電圧の√3倍なので、1.35×√3≈2.34となります。(1)0.45倍は単相半波、(2)0.9倍は単相全波の係数です。(4)1.8倍は本問の波形の平均値に合いません。
脈動は交流1周期に6回ありますが、平滑回路などを指定せず「脈動が最も小さい」とは断定できません。参考:IIT Delhi・三相ブリッジ整流。

第2問

通常のサイリスタ(SCR)と比較したGTOの特徴として、正しいものはどれか。

(1)自己消弧ができない
(2)ゲート信号で ON/OFF 可能で大容量向き
(3)超高速スイッチング専用
(4)整流にしか使えない
(5)制御端子を持たない

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正解:(2)ゲート信号でON/OFF可能で大容量向き
GTOは、適切な正のゲート電流でオンし、十分な負のゲート電流でオフにできます。このように制御端子からオフにできる性質を、自己消弧能力と呼びます。遮断できる電流やゲート駆動条件には定格上の制限があります。
(1)は通常のSCRとの取り違えです。(3)高周波で最速のスイッチという意味ではありません。(4)整流だけでなくインバータやチョッパにも使います。(5)制御端子のゲートを持ちます。参考:三菱電機・GTOの動作と適用(PDF)。

第3問

サイリスタの全制御ブリッジで直流側の電流が連続して流れ、素子の電圧降下と転流の重なりを無視する。平均出力電圧をEd、点弧角α=0°での値をEd0とすると、Ed=Ed0 cosαである。α=60°のとき、EdはEd0の何倍か。

(1)0.25 倍
(2)0.50 倍
(3)0.71 倍
(4)0.87 倍
(5)1.0 倍

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正解:(2)0.50倍
比を取るとEd/Ed0=cos60°=0.50です。電圧同士の比なので単位は付きません。
(1)0.25は0.5を余分に2乗した値です。(3)約0.71はcos45°、(4)約0.87はcos30°、(5)1.0はcos0°に対応し、60°の値ではありません。
このモデルでは0°から90°へ遅らせると平均電圧が下がり、90°でゼロになります。ただし、電流が途中で途切れる負荷や半制御ブリッジへ同じ式をそのまま使うことはできません。参考:IIT Roorkee・全制御ブリッジの連続電流時の式。

第4問

一定の直流電源を使う電圧形インバータで、正弦波を目標とするPWM制御を行う。過変調を避けた範囲で、PWMが直接表す操作として正しいものはどれか。

(1)電圧を一定にする制御
(2)周波数を一定にする制御
(3)パルス幅を変え、スイッチング1周期ごとの平均電圧を正弦波状に変える操作
(4)電流を直接制御する方式
(5)磁束を制御する方式

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正解:(3)パルス幅を変える操作
PWMはパルス幅変調です。スイッチング周波数を目標の交流周波数より十分高くし、各周期のオン時間の割合を変えて、必要な基本波成分を作ります。出力端子の瞬時電圧そのものはパルス列で、高調波を含みます。負荷のインダクタンスやフィルタの作用と区別します。
(1)(2)は一定に保つ量を述べているだけで、パルス幅の操作を説明していません。(4)(5)の電流・磁束の制御にPWMを組み合わせることはありますが、それらは制御の目的です。PWMの定義でも、IGBTだけに使える方式でもありません。参考:日本電気技術者協会・インバータの基礎。

第5問

昇圧チョッパの働きと用途を、正しく説明したものはどれか。

(1)直流電圧を下げるだけの回路で、電動機の減速に用いる
(2)直流電圧を高める回路で、太陽光発電の直流部や回生制動に用いる
(3)単体で交流を直流に整流する回路である
(4)単体で系統に同期した交流を作る周波数変換回路である
(5)力率改善用の回路には利用できない

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正解:(2)直流電圧を高め、太陽光発電の直流部や回生制動に用いる
コイルに蓄えたエネルギーを出力側へ渡し、入力より高い直流電圧を得ます。太陽光パネルから直流母線への昇圧や、発電側の電圧が蓄電池側より低い回生回路などが用途です。
(1)電圧を下げるだけという説明が誤りです。回生で減速する用途自体を否定しているのではありません。(3)入力は直流であり、交流の整流は別の働きです。(4)系統交流への接続には、インバータや同期・保護制御などが別に必要です。(5)整流器の後段で電流を制御する昇圧形PFC(力率改善)回路にも使います。参考:Texas Instruments・昇圧形PFCの設計例。

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