建築物環境衛生管理技術者 清掃

建築物内廃棄物の管理と保管場所|0.04kg・3日分・予備率1.4

「建築物内の廃棄物保管場所は、2日分の広さを確保する」——この数字の出どころを、法令の中に探しても見つかりません。自治体が公開している設計要領を読むと、必要な容器の数を決めているのは収集間隔と予備率40%です。区が収集する場合、燃やすごみは3日分、燃やさないごみは13日分で計算します。

この記事では、千代田区が公開している作成要領の別表を使って、延べ面積12,000m²の事務所ビルの保管場所を実際に設計します。「2日分」で設計すると必要面積の4割弱にしかならないことを、数字で確かめます。

制度・資料確認日:2026年8月5日。廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則は、e-Gov法令検索のAPIで条文XMLを取得して原文を確認しました。保管場所の設計基準は自治体ごとに異なります。実務では必ず、建物が所在する自治体の条例・規則・要綱を確認してください。

結論|保管場所の広さは5つの数字で決まる

建築物内廃棄物の設計は、次の5つを順番に決めるだけです。どれか1つでも飛ばすと、面積が合わなくなります。

順番 決めること 例(事務所ビル)
1 有効面積(共用部分を除く床面積) 延べ12,000m²→9,000m²
2 用途別の1日あたり排出基準 0.04kg/m²
3 廃棄物の区分割合 一廃75%・産廃25%
4 収集間隔(何日ためるか) 可燃3日・不燃6日
5 予備率 40%(×1.4)

試験で問われるのは主に1と2ですが、実務で保管場所が足りなくなる原因は4と5です。ここを「2日分」で片づけてしまうと、収集が1日ずれただけで容器が廊下にあふれます。

発生量は「延べ床面積」ではなく「有効面積」に掛ける

まず、いちばん間違えやすいところから。発生量の計算に使うのは、建物の延べ床面積そのものではありません。

千代田区の作成要領は、用途別の床面積を出すときに「廃棄物の排出対象となる有効面積を、その他(共用部分)と区別します」と指示しています。同要領によれば共用部分とは、階段・廊下・エレベーター・踊り場など「ある目的の場所に行くために使用する、おおよそごみの排出が想定できない場所」です。

発生量の基本式

1日の発生量 = 有効面積(m²) × 用途別の排出基準(kg/m²・日)

※ 延べ床面積をそのまま使うと、共用部分の分だけ過大になります

ここを延べ床面積で計算すると、共用部分の割合が2割なら発生量も2割多く出ます。保管場所は建物の中でいちばん賃料効率の低い場所ですから、過大設計は素直に損です。逆に、有効面積のつもりで実は事務所の専有部分だけを拾い、テナントの給湯室や会議室を落とすと今度は過小になります。「ごみが出る場所か」で線を引いてください。

施設用途別の排出基準|事務所0.04・飲食0.20

1m²あたり1日に何kg出るか、という数字を発生原単位と呼びます。千代田区の作成要領は、別表3「施設用途別廃棄物排出基準」として次の値を示しています。

施設の用途 1日あたりの排出基準
住宅 0.843kg/人
事務所ビル 0.04kg/m²
店舗(飲食店) 0.20kg/m²
店舗(物品販売)デパート、スーパー 0.08kg/m²
病院、診療所 0.08kg/m²
ホテル 0.06kg/m²
文化・娯楽施設 0.03kg/m²
学校 0.03kg/m²
駐車場 0.005kg/m²
鉄道駅舎 0.005kg/乗降客

覚えておく順番は飲食0.20 > 物販・病院0.08 > ホテル0.06 > 事務所0.04 > 文化・学校0.03 > 駐車場0.005。飲食店は事務所の5倍です。厨芥(生ごみ)が水分を含んで重いこと、容器包装が多いことを考えれば納得できます。

ただし、この値は設計のための基準値であって、実測の平均値ではありません。同要領も「廃棄物の発生量は、同規模・同用途の建築物においても異なることが考えられますので、事前に十分に協議をしてください」と書いています。数字を暗記するより、用途の順序と倍率の感覚を持っておくほうが実務では役に立ちます。

【計算1】延べ12,000m²の事務所ビルは1日360kg

実際に計算してみます。条件は次のとおりです。

条件

延べ床面積 12,000m²/共用部分(階段・廊下・EV・踊り場)が25%/全館事務所

計算

有効面積 = 12,000 × 0.75 = 9,000m²

1日の発生量 = 9,000 × 0.04 = 360kg/日

もし延べ床面積12,000m²をそのまま使っていたら480kg/日。120kg、率にして33%も過大になります。この差が、そのまま容器の数と保管場所の面積の差になります。

重さを体積に直す鍵は「250kg/m³」

廃棄物は「何kg」で計算し、「何m³」で置き場所を考えます。この橋渡しをするのが単位容積質量値(かさ密度)です。

千代田区の作成要領は、容量を重量に換算する場合は1m³当たり250kgとして換算しますと明記しています。この値は要領内の他の数字ともきれいに整合します。

保管設備 容量 重量換算
ポリ容器(丸型・角型) 60L 15kg
反転コンテナボックス 0.7m³ 175kg

検算してみましょう。60L=0.06m³なので、0.06×250=15kg。0.7m³なら0.7×250=175kg。どちらも要領の数字と一致します。つまりこの要領は、混合状態の建物ごみを0.25t/m³とみなして設計しているわけです。

ときどき「かさ密度0.1t/m³」という数字を見かけますが、これは圧縮していない紙くずのような軽いごみの値です。厨芥を含む混合ごみに0.1t/m³を当てると、必要な容積を2.5倍に見積もることになります。どの数字を使うかは、必ず根拠とセットで押さえてください。

ちなみに先ほどの360kg/日を体積に直すと、360 ÷ 250 = 1.44m³/日。60L容器なら1日24個分です。

【計算2】容器は126個、占有面積は22.68m²

ここからが本題です。千代田区の別表5「容器数の算定」は、次の式で必要個数を出します。

容器数の算定式(区の収集を受けない事業用大規模建築物)

有効面積 × 排出基準 × 区分割合 × 収集間隔 ÷ 容器1個の容量 = A

必要個数 = A の合計 × 1.4(予備率40%)

区分割合は、区の収集を受けない場合(=許可業者に委託する一般的なオフィスビル)は一般廃棄物75%・産業廃棄物25%。収集形態が決まっていない場合の収集間隔は可燃3日・不燃6日です。同要領の様式は一般廃棄物を可燃、産業廃棄物を不燃の欄に集計するため、ここでは一般廃棄物を3日、産業廃棄物を6日で計算します。容器1個の容量は原則60L=15kgとされています。

区分 計算 個数
一般廃棄物 360×0.75×3日÷15kg 54.0個
産業廃棄物 360×0.25×6日÷15kg 36.0個
最低必要個数 54+36 90個
予備率40%を加算 90×1.4 126個

次に面積です。同要領は、丸型ポリ容器60Lの直径を60cmとし、棚を使う場合は2段(床面から容器設置面まで90〜95cm)としています。

容器保管必要面積

0.6m × 0.6m × 126個 ÷ 2段 = 22.68m²

これは容器が占める面積だけ。ここに洗浄排水設備の面積、搬入・積込み・清掃の作業面積、粗大ごみ保管場所(最低3m²)が加わります

つまり、延べ12,000m²の事務所ビルなら、容器だけで約23m²、作業スペースを含めれば30m²を超えるのが素直な設計です。設計段階で「ごみ置き場は10m²もあれば足りるだろう」と決めてしまうと、あとから足せません。

【計算3】「2日分」で設計すると4割弱にしかならない

では、冒頭の「2日分」で設計するとどうなるか。同じ条件で計算します。

設計の考え方 容器数 容器占有面積
「2日分」で設計 48個 8.64m²
要綱どおり(3日・6日+予備率1.4) 126個 22.68m²
78個 14.04m²

8.64 ÷ 22.68 = 38.1%。「2日分」で用意した保管場所は、要綱どおりに算定した容器の4割弱しか置けません。連休で収集が2日空いた、テナントが期末に一斉廃棄した——それだけであふれます。

「2日分」がまったくの誤りかというと、そうではありません。毎日収集してもらえる契約なら、2日分の保管でも回ります。問題は、収集契約の条件を確認せずに「2日分」を目安として一人歩きさせることです。保管日数は目安で決めるものではなく、収集間隔から逆算するものだと覚えてください。

【計算4】飲食テナント500m²で発生量は22%増える

用途別の排出基準が5倍も違うことの意味を、数字で見ておきます。先ほどの事務所ビルの1階に、500m²の飲食テナントが入った場合です。

用途 有効面積 発生量
事務所 8,500m² 340kg/日
飲食店 500m² 100kg/日
合計 9,000m² 440kg/日

全館事務所なら360kg/日でしたから、22.2%の増加です。面積では全体の5.6%にすぎない飲食テナントが、発生量では22.7%を占めます。

実務ではもう一段の影響があります。厨芥は水分が多く腐りやすいので、保管場所には臭気対策と、多量なら冷蔵設備が要ります。千代田区の要綱も「多量の厨芥を保管する場合は、プレハブ冷蔵庫を設置すること」と定めています。テナント誘致で飲食店が1つ増えるだけで、廃棄物設備の前提が変わるのです。ビル管理者としては、テナント入替えの情報が入った時点で保管場所を見直してください。

【計算5】排出日量1,000kgで容器が使えなくなる

千代田区の別表4は、事業用大規模建築物の保管設備を排出日量1,000kgで線引きしています。

排出日量 選べる保管設備
1,000kg未満 容器/反転コンテナボックス/自動貯留排出機/車両搭載式コンテナ等
1,000kg以上 自動貯留排出機/車両搭載式コンテナ等/その他(容器・反転コンテナは不可)

なぜ容器が使えなくなるのか、計算すれば一目でわかります。日量1,000kgをすべて60L容器で受けると仮定すると、1,000 ÷ 15 = 66.7個/日。3日分で200個、予備率1.4を掛けて280個。占有面積は0.6×0.6×280÷2段=50.4m²です。容器を1日67個入れ替える作業も含めて、現実的ではありません。

では、日量1,000kgに達するのはどのくらいの規模か。用途別に逆算します。

用途 1,000kg/日に必要な有効面積
飲食店 約5,000m²
物品販売店舗・病院 約12,500m²
ホテル 約16,700m²
事務所ビル 約25,000m²

同じ「日量1,000kg」でも、飲食店なら5,000m²、事務所なら25,000m²と5倍の開きがあります。「延べ何万m²だから大型設備が要る」という覚え方は成り立ちません。用途を先に見てください。

保管場所の構造基準は、建築物衛生法には書かれていない

ここも整理しておきたい点です。建築物衛生法(ビル管法)が廃棄物の保管場所の構造を定めている、という説明は正確ではありません。

建築物衛生法施行規則第4条の5第3項は、次のように定めるだけです。

令第二条第三号イ及びロの規定により掃除、廃棄物の処理、ねずみ等の発生及び侵入の防止並びに駆除を行う場合は、厚生労働大臣が別に定める技術上の基準に従い、掃除及びねずみ等の防除並びに掃除用機器等及び廃棄物処理設備の維持管理に努めなければならない

語尾は「努めなければならない」——努力義務です。同条第1項が大掃除を「六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うものとする」と義務づけているのとは、書き方が明確に違います。建築物衛生法が求めているのは、廃棄物処理設備を維持管理する努力であって、保管場所の寸法や構造ではありません。

では実体的な基準はどこにあるか。2つあります。

基準の出どころ 適用される場面
廃棄物処理法施行規則第8条(産業廃棄物保管基準) 事業者が産業廃棄物を保管するとき(法12条2項)
自治体の条例・規則・要綱 建物を建てるとき、保管場所を設けるとき

産業廃棄物保管基準|掲示板は縦横60cm以上

廃棄物処理法施行規則第8条の要点です。産業廃棄物を保管するビルには、これが直接かかります。

項目 基準
囲い 周囲に設ける(荷重が直接かかる構造なら構造耐力上安全なもの)
掲示板 縦・横それぞれ60cm以上
掲示板の記載 保管の場所である旨/産業廃棄物の種類/管理者の氏名・連絡先ほか
汚水対策 排水溝その他の設備を設け、底面を不浸透性の材料で覆う
積上げ高さ 屋外で容器を使わない場合、囲いから50%の勾配の面を超えない
衛生害虫 ねずみが生息せず、蚊・はえその他の害虫が発生しないようにする

試験でねらわれるのは掲示板の60cm50%勾配です。50%勾配とは、囲いの下端から内側に向かって水平1に対して垂直0.5の傾きで引いた面のこと。囲いのすぐ内側は低く、奥ほど高く積めるという意味で、崩落と飛散を防ぐ規定です。

最後の「ねずみが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること」は、清掃と防除がつながる条文です。保管場所の管理が甘いと、この条文と建築物環境衛生管理基準の両方に触れます。防除の具体策は「ねずみの生態と防除法」で扱います。

自治体の要綱が定める、現場で効く寸法

もう一方の基準、自治体の要綱です。千代田区の要綱から、設計と点検で実際に使う数字を抜き出します。

項目 基準
出入口(容器保管・運搬車が横付け) 幅1.2m以上、高さ2.0m以上
出入口(容器以外・運搬車が横付け) 幅2.0m以上、高さ2.0m以上
出入口(運搬車が内部に進入) 幅3.5m以上、高さ3.0m以上
敷地内通路から搬出する場合 幅員6m以上で運搬車が通り抜けできること
2段とし、床面から容器設置面まで90〜95cm
粗大ごみ保管場所 床面積3m²以上、1棟につき1か所、通路と共用しない
床・排水 コンクリート張り等とし、勾配をつけて排水設備へ流す
その他 他の用途と兼用しない/換気・採光ができる/洗浄設備を設ける

棚の高さ90〜95cmは、作業者が腰をかがめずに容器を出し入れできる高さです。ここを低くすると腰痛災害の原因になり、高くすると重い容器を持ち上げられません。「他の用途と兼用でないこと」も重要で、駐輪場や倉庫と兼ねた保管場所は基準違反であると同時に、ねずみと臭気の温床になります。

排水設備を設ける以上、その先の排水管とトラップが機能していることが前提です。保管場所の床排水は使用頻度が低く封水が蒸発しやすいため、臭気の逆流が起きがちです。「排水設備とトラップの診断」で扱った封水の管理と合わせて点検してください。

事業用大規模建築物の義務は、自治体で基準面積が違う

一定規模以上の建物の所有者には、廃棄物の減量に関する義務がかかります。ここで注意したいのは、「3,000m²以上」と丸暗記できないことです。

自治体 事業用大規模建築物の基準
千代田区 事業用途に供する部分の床面積の合計が1,000m²以上
中央区 延床面積3,000m²以上(1,000〜3,000m²未満は「事業用建築物」として別枠)
文京区 延床面積3,000m²以上

東京23区では、清掃事業が2000年に都から区へ移管され、一般廃棄物に関する規定は各区の条例に置かれています。現在の東京都廃棄物条例を検索しても「事業用大規模建築物」の語は出てきません。基準面積も義務の内容も、建物のある区の条例で確認するのが唯一の正解です。

義務の中身は、おおむね共通しています。千代田区の条例・規則を例に挙げます。

義務 内容・期限
廃棄物管理責任者の選任・届出 建築物ごとに選任し、選任日から30日以内に届出
再利用計画書の提出 年度ごとに作成し、毎年5月31日までに提出
再利用対象物保管場所の設置 廃棄物の保管場所と明確に区分し、混入・汚染を防ぐ
保管場所等の設置届 建築確認申請の前までに届出

実務で効くのは最後の1行です。設置届は建築確認申請の「前」。設計がほぼ固まってから清掃事務所と協議を始めると、保管場所の位置や面積の変更が間に合いません。改修で用途を変える場合も同じで、テナント構成が変われば排出量が変わり、保管場所の面積要件も変わります。

なお、勧告に従わない場合の措置も条例に書かれています。千代田区の場合、公表のうえ事業系一般廃棄物の収集の拒否や搬入禁止ができるとされ、届出をしなかった者には3万円以下の罰金または科料の定めがあります。廃棄物管理責任者を置くのは、形式ではなく実質的な義務です。

現場では、この順で点検する

既存ビルの保管場所を点検するときの手順です。上から順に見ていけば、たいていの不具合は拾えます。

順番 見るところ 不具合のサイン
1 収集契約の間隔と実績 設計時と回数が変わっている
2 テナント構成の変化 飲食・物販が増えた
3 容器の数と空き 収集直前に通路へはみ出す
4 床の排水と封水 臭気、汚水のたまり
5 ねずみ・害虫の痕跡 糞、かじり跡、コバエ
6 掲示板と分別表示 産廃の掲示板がない、記載が古い
7 作業動線と棚の高さ 持ち上げ動作、通路と兼用

特に1と2は、年に一度は必ず確認してください。保管場所の設計は建物が建った時点の前提でできています。テナントが変わり、収集契約が変わっても、保管場所の面積は変わりません。あふれてから増設できない場所だからこそ、前提の変化を早く捕まえるのが管理者の仕事です。

理解度チェック|5択4問

Q1. 延べ床面積20,000m²の事務所ビルで、共用部分が延べ床面積の30%を占める。排出基準を0.04kg/(m²・日)とするとき、1日の廃棄物発生量として最も適当なものはどれか。

(1) 240kg/日 (2) 400kg/日 (3) 560kg/日 (4) 800kg/日 (5) 1,120kg/日

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正解:(3)
発生量の計算に使うのは延べ床面積ではなく有効面積です。共用部分(階段・廊下・エレベーター・踊り場)はごみの排出が想定できない場所として除きます。有効面積 = 20,000 × 0.70 = 14,000m²。発生量 = 14,000 × 0.04 = 560kg/日。(4)の800kgは延べ床面積をそのまま掛けた場合の値で、40%以上の過大設計になります。

Q2. 建築物内廃棄物の保管設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 容量60Lの容器の重量換算は、1m³当たり250kgとすれば15kgとなる
(2) 容量0.7m³の反転コンテナボックスの重量換算は175kgとなる
(3) 排出日量が1,000kg以上の場合でも、60L容器を並べれば対応できる
(4) 棚を用いる場合は2段とし、床面から容器設置面までを90〜95cmとする
(5) 粗大ごみの保管場所は、通路と共用しない

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正解:(3)
排出日量1,000kg以上の事業用大規模建築物では、保管設備として自動貯留排出機や車両搭載式コンテナ等が求められ、容器・反転コンテナボックスは選べません。日量1,000kgを60L容器で受けると1日66.7個、3日分に予備率1.4を掛けて280個、占有面積50.4m²となり現実的ではないためです。(1)(2)は250kg/m³での換算どおり、(4)(5)は自治体要綱の基準どおりで適当です。

Q3. 産業廃棄物を保管する場合の産業廃棄物保管基準(廃棄物処理法施行規則第8条)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 掲示板は縦・横それぞれ60cm以上とする
(2) 掲示板には保管する産業廃棄物の種類と管理者の氏名・連絡先を表示する
(3) 汚水が生ずるおそれがある場合は、底面を不浸透性の材料で覆う
(4) 屋外で容器を用いずに保管する場合、積上げ高さは囲いから50%の勾配の面を超えないようにする
(5) 保管場所は、廃油の引火点が70℃未満の場合に限り、囲いを設ける

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正解:(5)
囲いは産業廃棄物の種類にかかわらず設けます。引火点による条件はありません。そもそも廃棄物処理法・施行令・施行規則の条文に「引火点」という語は1件も登場しません(詳しくは「廃棄物処理法と分類」)。(1)〜(4)はいずれも規則第8条の規定どおりです。

Q4. 有効面積9,000m²の事務所ビル(発生量360kg/日)で、一般廃棄物75%を3日分、産業廃棄物25%を6日分、容器容量15kgとして容器数を算定し、予備率40%を加算した場合の必要個数として最も適当なものはどれか。

(1) 48個 (2) 72個 (3) 90個 (4) 126個 (5) 180個

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正解:(4)
一般廃棄物:360×0.75×3÷15 = 54個。産業廃棄物:360×0.25×6÷15 = 36個。合計90個が最低必要個数で、これが(3)です。ここに予備率40%を加算して 90×1.4 = 126個。(1)の48個は「2日分」で計算した場合の値で、必要面積の4割弱にしかなりません。

公式の確認先

まとめ|保管日数は目安ではなく、収集間隔から逆算する

発生量に掛けるのは有効面積です。延べ床面積をそのまま使うと、共用部分の分だけ過大になります。用途別の排出基準は事務所0.04・ホテル0.06・物販と病院0.08・飲食0.20(kg/m²・日)。飲食は事務所の5倍で、面積比5.6%のテナントが発生量の22.7%を占めることもあります。

重さと体積をつなぐのは250kg/m³。60L容器=15kg、0.7m³コンテナ=175kgはここから出ています。0.1t/m³を混合ごみに当てると、容積を2.5倍に見積もることになります。

容器数は有効面積×排出基準×区分割合×収集間隔÷容器容量×1.4。延べ12,000m²の事務所ビルなら126個・22.68m²です。「2日分」で設計すると48個・8.64m²、必要面積の38.1%にしかなりません。

保管場所の構造基準は建築物衛生法にはありません。施行規則第4条の5第3項は「廃棄物処理設備の維持管理に努めなければならない」という努力義務です。実体的な基準は廃棄物処理法施行規則第8条(掲示板60cm以上、50%勾配、不浸透性の底面、ねずみ・害虫の防止)と自治体の条例・要綱にあります。

事業用大規模建築物の基準面積は自治体で違います。千代田区は事業用途1,000m²以上、中央区と文京区は延床3,000m²以上。廃棄物管理責任者は選任から30日以内に届出、再利用計画書は毎年5月31日まで、保管場所の設置届は建築確認申請の前までです。

廃棄物の区分そのものは「廃棄物処理法と分類」、資源として出す側の制度は「リサイクル関連法」で扱います。演習は「建築物内廃棄物の管理と計算 ミニテスト第1回」へ、清掃全体の計画は「清掃計画と品質評価」、科目全体の攻略は「科目4・5・6・7の出題傾向と攻略法」で確認できます。

制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月5日

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