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電力系統の保護と安定 ミニテスト【第3回】

「電力系統の保護と安定」のミニテスト第3回(全5問)です。この回は安定度の3種類・6.6 kV の接地方式・高速度再閉路・短絡容量・漏電遮断器の5問です。

電力系統の保護と安定 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

電力系統の安定度について、正しく述べたものはどれか。

(1)定態安定度は、急な短絡事故のあとに同期を保てるかを表す
(2)過渡安定度は、負荷がゆっくり変化するときに同期を保てるかを表す
(3)動態安定度は、発電機の制御装置の働きまで含めて、小さな揺れが収まるかを表す
(4)発電機が同期を保てなくなることを、周波数変動という
(5)定態安定度と過渡安定度は、同じものである

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正解:(3)動態安定度は、発電機の制御装置の働きまで含めて、小さな揺れが収まるかを表す
・定態安定度:負荷が少しずつ増えていくとき
・過渡安定度:短絡事故や、回線が外れたときのような、急で大きな変化のあと
・動態安定度:AVR(電圧調整装置)や調速機などの制御も入れて見たとき
(1)と(2)は、説明が入れ替わっています。(4)同期を保てなくなることは、脱調です。周波数変動は、発電と消費のつり合いが崩れて、系統全体の周波数が動くことです。(5)ゆっくり増やせば送れる電力でも、事故の直後の揺れを乗り切れなければ脱調します。2つは別々に確かめます。
動態安定度が問題になるのは、励磁の応答を速くしたときです。事故のあとの1波めは抑えられますが、2波め以降の揺れが収まりにくくなります。AVR に信号を足して揺れを抑える装置が PSS です(解説記事の向上策の表)。

第2問

日本の6.6 kV の高圧配電系統で使われている中性点接地方式はどれか。

(1)直接接地方式
(2)抵抗接地方式
(3)消弧リアクトル接地方式
(4)非接地方式
(5)補償リアクトル接地方式

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正解:(4)非接地方式
日本の6.6 kV の配電系統は、すべて非接地方式です(日本電気技術者協会の解説講座)。地絡電流は、線路の対地静電容量を通る充電電流だけで、負荷の電流よりずっと小さくなります。健全な相の対地電圧は、完全地絡で √3 倍の6,600 V まで上がります。もとの電圧が低く、上がっても大きさは小さいこと、街なかを通るので通信線への誘導を防ぎたいことが、接地しない理由です。
(1)187 kV 以上の系統です。(2)22〜154 kV で最も広く使われます。(3)ほとんどが架空送電線でできた系統で、地絡のアークを自然に消し、遮断せずに送電を続けます。(5)大都市の地中送電系統です。
非接地でも、地絡したまま送電を続けるわけではありません。配電用変電所は、零相電圧で地絡を知り、零相電流の向きで事故の回線を選んで切ります。そのあと、1分ほどおいて入れ直します(「高圧配電線の地絡の見つけ方」の節。解説記事)。電流の計算は、第1回の第3問です。

第3問

高速度再閉路方式は、おもに何のために行うか。最も適切なものを選べ。

(1)力率を改善する
(2)電圧降下を小さくする
(3)送電損失を減らす
(4)一時的な事故で切った送電線をすぐに入れ直し、過渡安定度を高める
(5)短絡電流を小さくする

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正解:(4)一時的な事故で切った送電線をすぐに入れ直し、過渡安定度を高める
架空送電線の事故は、雷などによる一時的なものがほとんどで、いったん電流を切れば絶縁が戻ります。そこで、遮断器で切ったあと、1秒以内に自動で入れ直します。2回線のうち1回線を切ると、送れる電力の上限が下がり、発電機の相差角が開きます。すぐに戻せば上限も戻るので、同期を保ちやすくなります。
(1)(2)(3)ふだんの運転での電流と電圧の話です。コンデンサなどの調相設備や、送電電圧の選び方で対応します。(5)短絡電流を抑えるのは、%インピーダンスの大きい変圧器や限流リアクトルです。
日本電気技術者協会の講座は、電圧のない時間を15サイクル程度、成功率を95%以上としています。アークで電離した空気が元に戻るまで待つので、短くするにも限度があります。ケーブルや変電所の機器は、絶縁物が壊れる事故なので、入れ直しません。配電線は、1分ほどおく低速度再閉路です(解説記事の「事故のあとの再閉路」)。

第4問

定格容量10 MV·A、%インピーダンス5%(自己容量基準)の変圧器がある。二次側の端子で三相短絡が起きたときの短絡容量[MV·A]はどれか。電源側のインピーダンスは無視する。

(1)2
(2)20
(3)50
(4)200
(5)5,000

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正解:(4)200
短絡容量=定格容量×100/%Z=10×100/5=200 MV·A
(1)100を掛けていません(10/5)。(2)100/5 の20は、定格の何倍になるかを表す数です。容量を掛けて、はじめて MV·A になります。(3)容量に%インピーダンスを掛けています(10×5)。(5)割るところを掛けています(10×100×5)。%Z が小さいほど、短絡容量は大きくなります。
短絡電流も、定格電流の20倍です。二次側が6.6 kV なら、定格電流は約875 A で、短絡電流は約17.5 kA になります(変電所の設備の計算例3)。遮断器は、この電流を切れるものを選びます。
電源側を無視しないときは、基準容量をそろえて足します。電源側の短絡容量が1,000 MV·A なら、10 MV·A 基準で1.0%です。合計は6.0%で、約167 MV·A に下がります。無視して出した200 MV·A は、大きめ(安全側)の値です。変圧器が並列のときは、第1回の第4問です。

第5問

低圧の回路で、漏電を見つけてその回路を自動で切る機器はどれか。

(1)距離継電器
(2)比率差動継電器
(3)地絡方向継電器
(4)過電流継電器
(5)漏電遮断器

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正解:(5)漏電遮断器
漏電遮断器は、零相変流器(ZCT)を内蔵しています。行きの電線と帰りの電線を、まとめて ZCT に通します。ふだんは行きと帰りの電流が同じ大きさなので、足すと0です。途中で大地へ漏れると、その分だけ差が出ます。この差が決めた値を超えると、回路を切ります。
(1)送電線の保護に使います。(2)変圧器の内部の事故を見つけます(第2回の第1問)。(3)6.6 kV の配電線や受電設備で、零相電圧と零相電流の向きから、地絡した回線を選びます。ZCT を使うところは同じです。(4)電流の大きさで判定します。漏れる電流は負荷の電流よりずっと小さいので、大きさだけでは見つけられません。
置かなければならない場所は、電気設備技術基準・電気使用場所で扱っています。高圧の側の地絡の見つけ方は、解説記事にあります。

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