「誘導電動機の特性と計算」のミニテスト第2回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
三相誘導電動機の二次銅損Pc₂が400 W、すべりs=0.04のとき、二次入力P₂[kW]はどれか。二次外部抵抗はなく、回転子鉄損などを省く等価回路で考える。
(1)5
(2)8
(3)10
(4)12
(5)15
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正解:(3)10
二次入力のうち、すべりsの割合が二次銅損になります。Pc₂=sP₂なので、
P₂=400÷0.04=10,000 W
=10 kWです。
(1)5 kWなら銅損200 W、(2)8 kWなら320 W、(4)12 kWなら480 W、(5)15 kWなら600 Wとなり、400 Wと一致しません。
機械損を引く前の発生機械出力Pmは、(1−s)P₂=0.96×10=9.6 kWです。軸出力はここから摩擦・風損などの機械損を引いた値です。参考:日本電気技術者協会の入力・出力と損失。
第2問
誘導電動機の線形等価回路で、次の量のうち、それだけを変えても最大トルクの大きさを変えないものはどれか。選んだ量以外は一定とし、最大トルク点が0<s<1にある範囲で比較する。
(1)電源電圧
(2)漏れリアクタンス
(3)二次抵抗
(4)電源周波数
(5)極数
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正解:(3)二次抵抗
電圧・周波数・極数と他の回路定数が一定なら、二次抵抗を変えると最大トルクが出るすべりが変わり、山の高さは変わりません。ただし同じすべりでのトルクや電流は変わるので、「すべりだけが変わる」とは言えません。
(1)最大トルクは電圧の2乗に比例します。(2)漏れリアクタンスも山の高さに関わります。その反比例関係まで使うには、一次抵抗を無視するなどの近似が必要です。(4)周波数は同期角速度やリアクタンス、(5)極数は同期角速度に関わるため、最大トルクに影響します。
抵抗を大きくしすぎて山がs>1へ移ると、停止から同期速度までの範囲でその山には届きません。
第3問
あるかご形誘導電動機の仕様を、定格線電流25 A、指定された電源での全電圧始動時の線電流150 Aとする。この機械の始動電流の倍率を含む範囲はどれか。
(1)1〜2 倍
(2)2〜3 倍
(3)3〜4 倍
(4)5〜8 倍
(5)10〜15 倍
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正解:(4)5〜8倍
同じ線電流どうしを比べ、150÷25=6倍です。5〜8倍の範囲に入ります。(1)1〜2倍、(2)2〜3倍、(3)3〜4倍、(5)10〜15倍には6倍が含まれません。
直入れの始動電流は定格の数倍になる例がありますが、倍率は機種や電源条件で変わります。小容量でも、電源容量や配線による電圧降下、負荷の加速時間を確認します。減電圧始動では電流とともにトルクも低下するため、負荷を加速できるかも必要です。参考:各種始動法と始動時の注意点。
第4問
電圧・周波数と回路定数を一定にした誘導電動機を考える。同期速度に十分近く、すべりsが小さい範囲で、電磁トルクTとsの近似関係はどれか。
(1)T ∝ s²
(2)T ∝ s
(3)T ∝ 1/s
(4)T ∝ √s
(5)T は s に無関係
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正解:(2)T ∝ s
この範囲ではトルクはすべりにほぼ比例します。たとえば十分小さいすべりを2倍にすると、トルクもおよそ2倍です。
(1)は4倍、(3)は1/2倍、(4)は√2倍、(5)は変化なしとなるため、この近似と合いません。(3)の反比例は、二次抵抗項がリアクタンス項に比べて十分小さい別の範囲で使う近似です。
「比例推移」は、二次合成抵抗と対応するすべりを同じ倍率で変え、抵抗/すべりを保つと同じトルクが得られる性質です。本問のT ∝ sとは区別します。参考:速度・トルクと比例推移。
第5問
6極・50 Hzの三相誘導電動機が電動運転し、三相合計の二次入力P₂は12 kWである。回転子鉄損などを省く等価回路で、発生する電磁トルク[N·m]に最も近いものはどれか。
(1)76.4
(2)95.5
(3)114.6
(4)127.4
(5)143.2
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正解:(3)114.6
同期速度Ns=120×50÷6
=1,000 min⁻¹。同期角速度は
ωs=2π×1,000÷60
≈104.7 rad/sです。
電磁トルクT=P₂/ωs
=12,000÷104.7
≈114.6 N·mです。
同じωsで(1)76.4ならP₂は約8 kW、(2)95.5なら約10 kW、(4)127.4なら約13.3 kW、(5)143.2なら約15 kWとなり、12 kWと合いません。
発生機械出力Pmを使うなら実際の軸の角速度ωで割り、T=Pm/ωです。一方、機械損を引いた軸出力Po/ωは軸トルクです。何を割る場合も同期角速度を使うわけではありません。
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