「誘導電動機の特性と計算」のミニテスト第3回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
三相誘導電動機に加わる電圧が定格の80 %になった。周波数・極数・回路定数は一定で、磁気飽和を無視できるとき、最大トルクは定格電圧時の何%か。
(1)40 %
(2)56 %
(3)64 %
(4)80 %
(5)89 %
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正解:(3)64 %
同じ周波数などの条件で、最大トルクの比は電圧比の2乗です。
0.82=0.64=64 %。減少分は100−64=36 %です。
(1)40 %と(2)56 %は0.8の2乗になりません。(4)80 %は電圧比をそのまま使った値、(5)89 %は√0.8に近い値で、2乗とは異なります。
求めたのは出せる最大トルクです。負荷トルクが必ず64 %になるわけではなく、負荷によってはすべりや電流が増え、さらに条件が悪化すると失速するおそれがあります。参考:日本電気技術者協会のトルク特性。
第2問
巻線形誘導電動機で、電源周波数と極数を変えず、スリップリングを介して回転子巻線につないだ外部抵抗の値を変える速度制御はどれか。
(1)V/f 制御
(2)極数変換
(3)二次抵抗制御
(4)直列リアクトル
(5)進相コンデンサ
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正解:(3)二次抵抗制御
二次合成抵抗を変えるとトルク・すべり特性が変わり、負荷トルクとのつり合いで回転速度が変わります。同じ負荷トルクで安定に運転できる範囲では、抵抗を増やすとすべりが増え、速度は下がります。
(1)V/f制御は電圧と周波数を調整する方式で、巻線形にも適用できますが、本問の外部抵抗を使う方法ではありません。(2)は極数を変える方式です。(4)は一次側に直列に入れて電動機への電圧・電流を抑える方法で、二次抵抗の操作ではありません。(5)は主に力率改善に用い、すべりを二次抵抗で調整するものではありません。
外部抵抗でも熱が発生します。二次側の損失sP₂には、その抵抗で消費する電力も含めます。参考:始動方法と速度制御。
第3問
三相誘導電動機の二次入力P₂は40 kW、すべりs=0.025である。二次銅損Pc₂[kW]はどれか。二次外部抵抗はなく、回転子鉄損などを省く等価回路で考える。
(1)0.5
(2)1.0
(3)1.5
(4)2.0
(5)2.5
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正解:(2)1.0
Pc₂=sP₂=0.025×40
=1.0 kWです。
(1)0.5ならすべり0.0125、(3)1.5なら0.0375、(4)2.0なら0.05、(5)2.5なら0.0625で、指定の0.025と違います。
発生機械出力Pmは40−1=39 kWです。ここから機械損を引くと軸出力になります。1−s=0.975はPm/P₂であり、電動機全体の効率97.5 %を意味しません。全体の効率には一次側の損失や機械損も関係します。
第4問
始動補償器の電圧比k=電動機端子の線間電圧/電源線間電圧を0.6とする。電源側の始動線電流は、同じ電源での全電圧始動時の何倍か。補償器は理想変圧器とし、停止時の電動機インピーダンスは同じとする。
(1)0.20 倍
(2)0.36 倍
(3)0.50 倍
(4)0.60 倍
(5)0.80 倍
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正解:(2)0.36倍
全電圧始動時の線電流をI₀とします。端子電圧が0.6倍なので、電動機側の線電流は0.6I₀。電源側では理想変圧器の関係からさらにkを掛け、
I電源=0.6×0.6I₀
=0.36I₀です。
(4)0.60倍は電動機側の値です。(1)0.20倍、(3)0.50倍、(5)0.80倍は、電圧比0.6の2乗と一致しません。
この近似では始動トルクも全電圧時の0.36倍です。電流を抑えられても、負荷を加速できるトルクが必要です。比較対象は定格電流や加速後の電流ではなく、停止時の全電圧始動電流です。参考:補償器始動の電流とトルク。
第5問
二次入力P₂、二次銅損Pc₂、機械損を引く前の発生機械出力Pmを考える。二次外部抵抗と回転子鉄損などがないモデルで、P₂:Pc₂:Pm=1:s:(1−s)である。すべりs=0.05のとき、正しい比はどれか。
(1)1 : 0.5 : 0.5
(2)1 : 0.05 : 0.95
(3)1 : 0.95 : 0.05
(4)0.05 : 1 : 0.95
(5)0.95 : 0.05 : 1
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正解:(2)1:0.05:0.95
s=0.05、1−s=0.95を順に入れます。二次入力の5 %が銅損、95 %が発生機械出力です。0.05+0.95=1となり、電力の収支も一致します。
(1)はすべりを0.5とした比です。(3)は銅損と発生機械出力を逆にしています。(4)は二次入力より銅損が大きく、(5)は発生機械出力だけで二次入力を超えるので、この電動運転の収支に合いません。
Pmは軸出力とは区別します。また、電動機全体の効率を求めるには、軸出力を一次入力で割ります。この比だけから全体の効率が95 %だとは判断できません。
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