法規

事業用電気工作物の保安体制 ミニテスト第1回|届出・免状・外部委託を判断する5問

同じ設備でも、免状の範囲と外部委託の条件では、比べる数字が違います。手続きの名称、設備の区分、電圧・出力の順で確認しましょう。

このページでは、保安規程の届出、第三種免状の範囲、外部委託の設備条件、工事計画の着工制限、小規模事業用の義務を、5つの場面で練習します。

電験三種・法規の学習用に作成した五肢択一問題です。各問の答えは1つです。全25選択肢に理由を付けているので、番号だけでなく判断に使った条件も照合してください。制度を先に読みたい場合は、事業用電気工作物の保安体制の解説へ戻れます。

法令は2026年11月3日時点で確認しました。「法」は電気事業法、「規則」は電気事業法施行規則を指します。問題中の出力は法令上の判定に用いる出力です。実際の申請では、設備の所在地や併設設備も含めて確認します。

第1問|初回届出と、運用後の変更を分ける

ある会社が、自社ビルの高圧需要設備を新たに使用します。小規模事業用には該当せず、法第51条第1項・第52条第1項の自主検査を伴わない設備です。運用を始めた後、保安規程の連絡体制を変更しました。

法第42条に基づく初回と変更時の手続きの組み合わせとして正しいものはどれですか。届出先は条文の文言で答え、権限委任後の提出窓口の名称は問いません。

  1. (1)初回は使用開始後に届け出てよく、変更時は次の年次点検までに届け出る。
  2. (2)初回は使用開始前に主務大臣へ届け出るが、連絡体制の変更は記録だけでよい。
  3. (3)初回・変更時とも、都道府県知事の認可を受ける。
  4. (4)初回は使用開始前に主務大臣へ届け出、変更した事項も遅滞なく主務大臣へ届け出る。
  5. (5)初回は使用開始前に電力の小売契約先へ届け出、変更はその会社の承諾を得る。

第2問|49kVの設備と、5,000kWの蓄電所

第三種電気主任技術者免状による電気的設備の保安の監督範囲に入るものの組を選んでください。選任や兼任の可否ではなく、規則第56条の免状の範囲だけを判定します。

  • A:電圧49kVの需要設備。発電所・蓄電所を併設していない。
  • B:電圧49kV、出力4,800kWの太陽電池発電所。
  • C:電圧6.6kV、出力5,000kWの蓄電所。
  1. (1)Aだけ
  2. (2)AとB
  3. (3)BとC
  4. (4)AとC
  5. (5)A・B・Cすべて

第3問|外部委託の設備条件から外れるのはどれか

次の5件は、互いに独立した自家用電気工作物で、記載以外の併設設備はありません。規則第52条第2項各号の設備の種類・出力・電圧の条件に入らないものを1つ選んでください。

委託先の要件や契約・承認はこの問の判定対象外とし、実際に制度を使う際には別に満たす必要があるものとします。

  1. (1)電圧7,000Vで受電する需要設備。
  2. (2)出力4,200kW、電圧6,600Vで連系等をする太陽電池発電所。
  3. (3)出力4,600kW、電圧6,600Vで連系等をする蓄電所。
  4. (4)出力900kW、電圧6,600Vで連系等をする燃料電池発電所。
  5. (5)出力2,100kW、電圧6,600Vで連系等をする風力発電所。

第4問|作成から31日、受理から27日なら着工できるか

法第48条第1項の届出対象工事について、工事計画の書類を作成し、その4日後に届出が受理されました。担当者は、作成から31日を経過した時点、つまり受理から27日を経過した時点で着工しようとしています。

同条による期間の短縮・延長はなく、計画の変更・廃止の命令もありません。この着工判断について正しい説明はどれですか。経過日数は問題文に示した値を使ってください。

  1. (1)まだ着工できない。受理日から30日を経過した後という条件を満たしていない。
  2. (2)着工できる。書類の作成日から30日を超えているためである。
  3. (3)着工できる。作成から受理までの4日も、受理後の27日に重ねて算入できる。
  4. (4)着工できる。届出は認可ではないので、受理された後には待機の制限がない。
  5. (5)まだ着工できない。工事計画の着工制限は、原則として受理日から60日である。

第5問|小規模事業用と、外部委託承認済みのビル

次のA・Bについて、保安規程と電気主任技術者の扱いを比べます。正しい説明はどれですか。

  • A:太陽電池28kW。構内・接続・併設などの法令上の条件を満たし、小規模事業用電気工作物に該当する。
  • B:発電設備のない6,600V受電のビル。小規模事業用ではなく、適格な委託先との契約を結び、規則第52条第2項の外部委託承認も受けている。
  1. (1)A・Bとも事業用なので、保安規程と電気主任技術者の選任が必ず必要である。
  2. (2)Aは保安規程が必要だが、Bは委託先が保安を担当するので保安規程は不要である。
  3. (3)Aには保安規程・主任技術者の義務がなく、Bは保安規程が必要だが、承認制度により電気主任技術者を選任しないことができる。
  4. (4)Aは事業用の中でも小規模なので、技術基準に適合するよう維持する義務もない。
  5. (5)Bでは、外部委託承認によって設置者の保安上の義務がすべて委託先へ移る。

解いた後の整理|手続きの種類と、設備別の条件

「届け出る」「許可を受ける」「承認を受ける」は、同じ意味ではありません。まず何の制度かを確認してから、時期や対象を当てはめます。

制度 区別するポイント
保安規程 設置者が定めて届出。原則は使用開始前。指定の自主検査を伴うものは工事開始前。変更事項は遅滞なく届出。
通常の選任・解任 原則は免状の交付を受けた者から選任し、通常の選任・解任は遅滞なく届出。
許可選任 免状を持たない者を、許可を受けて選任する。許可を受けた選任は通常の選任届出から除く。
外部委託承認 対象設備・委託先・契約・承認の条件を満たし、選任しないことができる。保安規程は不要にならない。
工事計画 指定された工事を届出。原則は受理日から30日経過後に着工。短縮・延長の有無も確認。

次は、規則第52条第2項の設備側の条件です。この表に入るだけで承認済みになるわけではありません。併設設備がある場合は、その設備も含めて条件を確認します。

設備の種類 外部委託承認の設備側の条件
太陽電池・蓄電所 出力5,000kW未満、7,000V以下で連系等。
水力・火力・風力 出力2,000kW未満、7,000V以下で連系等。
上記以外の発電所 出力1,000kW未満、7,000V以下で連系等。
需要設備 7,000V以下で受電。
配電線路 電圧600V以下。

第2問の49kV需要設備は第三種免状の範囲内ですが、この表の7,000V以下の需要設備には入りません。免状で監督できることと、外部委託承認の対象になることを、同じ判断にしないようにしましょう。

間違えた制度から復習する

根拠条文と公式問題の確認先

各問の場面、数値の組み合わせ、選択肢、解説は、このページ用に作成しました。公式過去問や市販教材の問題文・解説を転載していません。根拠を読み直すときは、次の箇所を確認してください。

確認・改訂:2026年11月3日。電気事業法は2026年8月3日施行、施行規則は2026年4月1日施行の現行版に基づきます。受験時は適用法令の時点を、実際の手続きでは設備条件に合う管轄窓口の案内を確認してください。

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