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【第三種冷凍機械責任者・法令】認定指定設備・帳簿・事故届を整理

この記事で分かること

  • 認定指定設備が第一種・第二種の区分へ与える効果
  • 認定後も必要な定期自主検査と技術基準
  • 第一種製造者が備える帳簿の内容と10年保存
  • 災害・喪失・盗難時の事故届と法定の届出先

結論:認定指定設備は「すべての検査を免除する設備」ではない

認定指定設備は、高圧ガス保安法第56条の7に基づき、所定の技術上の基準への適合が認定されたユニット形の設備です。最大の効果は、認定を受けた設備を法第5条第1項の第一種製造者の許可判定から除外することです。

そのため、認定設備だけで高圧ガスを製造する場合は、能力が第一種の境界以上でも、通常は第二種製造者として届出規制を受けます。完成検査・保安検査を直接「免除する証明書」と覚えるより、第一種の許可規制から第二種の届出規制へ区分が変わると理解する方が正確です。

旧稿の重要な訂正:認定指定設備でも定期自主検査は法第35条の2の対象です。一方、冷凍保安責任者の選任能力を計算するときは認定指定設備の冷凍能力を除きます。「認定設備でも必ず選任が必要」という旧説明は一律には成り立ちません。また、事故届の法第63条上の届出先は都道府県知事または警察官で、消防吏員とは規定されていません。

指定設備は不活性ガスを使うユニット形設備が入口

高圧ガス保安法施行令第15条は、指定設備の一つとして、冷凍のため不活性ガスを圧縮・液化するユニット形の設備のうち、経済産業大臣が定めるものを挙げています。パッケージ形ならすべて自動的に認定指定設備になるわけではありません。

認定には、製造者・輸入者等が申請し、設備の仕様、製造・品質管理方法、試験成績などの審査を受けます。冷凍保安規則第57条の主な技術上の基準は次のとおりです。

工場で一体化
脚上または一つの架台上に組立て
単独性
ブライン以外は他設備と共用しない
工場試験
耐圧・気密試験と試運転を実施
自動化
自動制御と所定の安全装置

このほか、受液器の内容積5,000L未満、日常操作用止め弁に手動式を使わないこと、所定容器へ切替弁に接続した複数安全弁を設けることなど、認定設備固有の基準があります。

認定で第一種の許可判定から除外される

確認項目 未認定設備 認定指定設備
第5条第1項の判定 能力を算入 認定設備を除外
主な手続 境界以上なら第一種の許可 原則は第二種の届出
定期自主検査 対象条件を確認 法第35条の2の対象

独自判定例:不活性フルオロカーボンを使う認定指定設備が80冷凍トンの場合

未認定なら第一種の許可境界50トン以上ですが、認定設備は法第5条第1項第2号の判定から除かれます。20トン以上の第二種製造者として、製造開始の20日前までの届出を確認します。認定があるから無手続になるわけではありません。

事業所に未認定設備もある場合は、それらを含む製造施設の構成から区分を判定します。区分の入口は「第一種・第二種製造者の区分」、能力の算定は「1日の冷凍能力の算定」で確認してください。

完成検査・保安検査と定期自主検査を混同しない

完成検査と保安検査は、第一種製造者の許可施設に対する制度です。認定指定設備だけを使う者は第二種製造者となるため、これらの第一種向け検査を受ける関係ではなくなります。ただし、設置または変更工事後の試運転・気密試験等、第二種の技術上の基準は残ります。

一方、法第35条の2は認定指定設備を使う第二種製造者を明記して定期自主検査の対象にしています。冷凍保安規則第44条により、対象施設は原則として年1回以上、技術上の基準への適合を検査し、記録を作成・保存します。

覚え方:認定指定設備は「行政検査を全部なくす」のではなく、工場で安全性を確認したユニットを第二種の規制体系で使えるようにする制度です。使用段階の自主保安は続きます。

冷凍保安責任者の選任計算から認定設備の能力を除く

冷凍保安規則第36条は、冷凍保安責任者を選任するときの製造施設区分について、認定指定設備の冷凍能力を除くよう定めています。認定設備だけを設置する事業所なら、その能力をそのまま選任区分へ足しません。

ただし、未認定設備が併設されている、複数施設を一体管理しているなどの場合は、残る設備の能力・冷媒・施設構成から改めて判定します。認定証だけを見て「必ず選任不要」「必ず選任必要」のどちらにも決めつけないことが大切です。

移設・改造・冷媒変更で認定証が無効になることがある

冷凍保安規則第62条では、認定指定設備に変更工事、移設等、冷媒ガスの種類変更を行うと、原則として指定設備認定証は無効になります。安全性は「認定時と同じ仕様であること」を前提に評価されているためです。

  • 同等部品への交換だけ:認定証が無効にならない例外
  • 移設等・所定の冷媒変更:交付機関等の調査を受け、技術基準適合書が交付されれば無効とならない場合がある
  • 例外に入らない変更:認定証を返納する

認定設備には、認定証番号、製造業者、認定機関、冷凍能力、冷媒ガスの種類と充塡量などを表示します。現物表示と認定証、変更履歴を対応させて管理します。

帳簿は第一種製造者が異常年月日と措置を10年保存する

高圧ガス保安法第60条を受けた冷凍保安規則第65条は、第一種製造者に、事業所ごとの帳簿を備えるよう求めています。冷凍則で記載するのは、製造施設に異常があった年月日と、それに対して取った措置です。保存期間は記載の日から10年間です。

帳簿項目 記録例 保存
異常年月日 漏えい警報が作動した日 記載日から10年
取った措置 停止・隔離・修理・確認 同上

法定帳簿と、実務上の日常運転日誌は役割が異なります。日誌に正常値を毎日記録する運用は有用ですが、それを理由に「冷凍則第65条が毎日の正常運転記録を一律に要求する」と読み替えないようにします。

事故届は災害・喪失・盗難を遅滞なく届ける

高圧ガス保安法第63条の対象は第一種・第二種製造者だけではありません。販売、貯蔵、消費、容器の製造・輸入など、高圧ガスまたは容器を取り扱う者へ広く及びます。

場合 法定の届出先 時期
高圧ガスの災害 都道府県知事または警察官 遅滞なく
ガス・容器の喪失や盗難 都道府県知事または警察官 遅滞なく

都道府県知事または指定都市の長へ書面で届ける場合は、冷凍保安規則第68条の事故届書を提出します。火災・負傷・救助が絡む場合に消防や警察へ緊急通報することは当然必要ですが、法第63条の届出先の暗記は条文どおりに整理します。

事故時は人命保護、緊急停止、避難、二次災害防止を優先します。「遅滞なく」は30日以内という意味ではなく、必要な初動を行いながら所管へ速やかに連絡し、書面・追加報告へつなげる考え方です。

理解度チェック

【問1】不活性フルオロカーボンを使う80冷凍トンの認定指定設備だけで製造する場合の基本的な扱いはどれですか。

(1) 第一種製造者の許可
(2) 第二種製造者の届出
(3) 無届で製造
(4) 容器検査だけ
(5) 貯蔵所の許可だけ

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正解:(2)
認定設備は第一種の許可判定から除外され、第二種製造者の届出規制を受けます。認定が無手続を意味するわけではありません。

【問2】認定指定設備の移設について正しいものはどれですか。

(1) どこへ移設しても認定証はそのまま有効
(2) 表示だけ書き換えればよい
(3) 原則無効だが所定調査と適合書で無効とならない場合がある
(4) 冷媒を抜けば手続不要
(5) 認定証を複写すればよい

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正解:(3)
移設等は原則として認定証を無効にします。交付機関等の調査を受け、技術基準適合書が交付される例外があります。

【問3】冷凍保安規則第65条の第一種製造者の帳簿として正しいものはどれですか。

(1) 毎日の正常値だけを1年保存
(2) 異常年月日と措置を10年保存
(3) 売上額を3年保存
(4) 試験問題を永久保存
(5) 第二種だけが作成

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正解:(2)
製造施設に異常があった年月日と取った措置を記載し、記載の日から10年間保存します。

【問4】所有する高圧ガス容器が盗まれた場合の法第63条の対応はどれですか。

(1) 年度末に経済産業大臣へ報告
(2) 30日以内に市町村長へ報告
(3) 次回検査時に申告
(4) 遅滞なく都道府県知事または警察官へ届出
(5) 被害がなければ届出不要

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正解:(4)
高圧ガスまたは容器の喪失・盗難も事故届の対象です。遅滞なく都道府県知事または警察官へ届けます。

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まとめ

認定指定設備は、認定設備の能力を第一種製造者の許可判定から除外し、通常は第二種製造者の届出規制へ移す制度です。認定後も技術基準と年1回以上の定期自主検査を確認し、選任計算では認定設備の能力を除きます。

第一種製造者の帳簿は、異常年月日と取った措置を記載日から10年保存します。高圧ガスの災害、ガス・容器の喪失または盗難が起きたときは、取り扱う者が遅滞なく都道府県知事または警察官へ届けます。

最終更新日:2026年7月29日

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