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架空送電線路 ミニテスト【第2回】

架空送電線路」のミニテスト第2回(全5問)です。

架空送電線路 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

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第1問

超高圧の送電線で、1相を1本の電線ではなく複数の素導体の束にする多導体方式を採用する、主な目的はどれか。

(1)電線と金具の材料費を減らすこと
(2)電線表面の電界を下げてコロナを抑え、あわせてインダクタンスを下げて送電容量を増やすこと
(3)架線作業を簡単にすること
(4)鉄塔を軽く小さくすること
(5)保守点検の手間を減らすこと

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正解:(2)電線表面の電界を下げてコロナを抑え、あわせてインダクタンスを下げて送電容量を増やすこと
多導体は、1相分の電線を2本・4本・6本といった束にし、素導体どうしをスペーサで一定の間隔に保つ方式です。束にすると電気的な等価半径が大きくなるので、同じ電圧でも電線表面の電界が下がり、コロナが出にくくなります。同時にインダクタンスが小さくなるため、同じ電圧でも送れる電力が増えます。ただし静電容量は大きくなるので、軽負荷のときは進み電流が増え、受電端の電圧が送電端より高くなるフェランチ効果を起こしやすくなります(第3回の第3問)。(1)素導体・スペーサ・金具が増えるぶん、材料費はむしろ上がります。(3)架線する電線の本数が増えるので、作業は複雑になります。(4)電線の総重量と、風圧を受ける面積が増えるため、鉄塔は軽くなりません。むしろ強度が要ります。(5)スペーサなど点検する部品が増えます。多導体は「コロナと送電容量のために、費用と手間を払う」方式だと考えてください。

第2問

鉄塔の最上部に張る架空地線の、主な目的はどれか。

(1)三相の電力を送る4本目の電線として使うこと
(2)光ファイバ通信を行うこと自体を第一の目的とすること
(3)雷を自分で受けて大地へ流し、下にある電線への直撃を防ぐこと
(4)受電端の電圧を調整すること
(5)電線の温度を測定すること

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正解:(3)雷を自分で受けて大地へ流し、下にある電線への直撃を防ぐこと
架空地線は鉄塔の最上部に張り、鉄塔を通して大地につないだ電線です。雷を先に受け止めて大地へ逃がすことで、下にある送電線への直撃を防ぎます。ただし張ってあれば守られるわけではありません。遮蔽角が小さいこと(電線が架空地線の傘の内側に入っていること)と、塔脚の接地抵抗が低いことの2つがそろって初めて効きます。接地抵抗が高いと、雷電流が鉄塔を流れたときに鉄塔側の電位が持ち上がり、がいし連を鉄塔側から電線側へ逆にフラッシオーバさせてしまいます(第1回の第5問で数字を出しています)。(1)架空地線に送電の役はありません。(2)架空地線の中に光ファイバを収めたOPGWは実在しますが、それは雷を受ける役に通信の役を兼ねさせたもので、第一の目的はあくまで遮蔽です。(4)電圧調整は変電所の調相設備や変圧器のタップが受け持ちます。(5)温度測定は架空地線の役目ではありません。なお架空地線には、通信線への誘導を弱める遮へい効果もあります(第3回の第4問)。

第3問

送電線路を区間に分け、各相の電線が上・中・下の位置を順に受け持つように入れ替えるねん架の、主な目的はどれか。

(1)電線そのものの機械的な強度を上げること
(2)三相それぞれのインダクタンスと静電容量をそろえること
(3)電線表面のコロナ放電をなくすこと
(4)電線のたるみを小さくすること
(5)必要な鉄塔の本数を減らすこと

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正解:(2)三相それぞれのインダクタンスと静電容量をそろえること
三相の電線は鉄塔上で三角形などに配置されるので、各相と大地・他相との位置関係は同じになりません。そのままだと相ごとにインダクタンスと静電容量が違い、平常時でも三相のバランスが崩れます。そこで線路をいくつかの区間に分け、各相が上・中・下の位置を順に受け持つように入れ替えます。これがねん架です。バランスが崩れたままだと、中性点に電圧が現れたり、並行する通信線に誘導障害が出たりします。区間の取り方や地形によっては不平衡が完全には消えない点も、あわせて押さえてください。(1)ねん架は電線の配置を入れ替えるだけなので、電線そのものの強度は変わりません。(3)コロナは電線表面の電界で決まるので、太い電線や多導体が対策です(第1問)。(4)たるみは荷重・径間・張力で決まります(第4問)。(5)鉄塔の本数はねん架では減りません。

第4問

架空送電線のたるみ(弛度)が大きくなる向きに働くものはどれか。ただし、たるみは DWS2/(8T)(W:電線1 mあたりの荷重、S:径間、T:水平張力)で近似できるものとする。

(1)電線を張るときの水平張力を大きくする
(2)径間を短くする
(3)同じ径間で、より軽い電線に張り替える
(4)気温が上がる
(5)鉄塔を高くして、電線を支える点の高さを上げる

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正解:(4)気温が上がる
気温が上がると電線が熱で伸びて実長が長くなり、その伸びがたるみでは拡大されて現れます。このとき張力のほうは下がります。(1)T は分母にあるので、張力を大きくするとたるみは小さくなります。(2)S は2乗で効くので、径間を短くするとたるみは大きく減ります。(3)W が小さくなるので、たるみも小さくなります。(5)鉄塔を高くしても WST は変わらないので、たるみは同じままで、電線と地面との距離(対地高さ)だけが増えます。実際の設計では、たるみが最も大きくなる夏の高温時に地面や交差する物件との距離が足りるかを見て、張力が最も大きくなる冬の低温時(着氷雪や風圧が加わる条件)に電線と支持物が耐えるかを見ます。たるみは小さいほど良い、というものではありません。なお、気温が同じでも着氷雪や風圧が加われば W が増えるので、たるみも張力も大きくなります。温度が何度上がるとたるみが何m変わるかは、第1回の第3問で数字を追っています。

第5問

架空地線を張った送電線で、電線への直撃雷を減らす効果に直接効く対策はどれか。

(1)電線をより太いものに替える
(2)架空地線を2条張って、遮蔽角を小さくする
(3)径間を長くして、鉄塔の本数を減らす
(4)塔脚の接地抵抗を高くする
(5)がいし連の個数を減らす

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正解:(2)架空地線を2条張って、遮蔽角を小さくする
遮蔽角は、架空地線から下ろした鉛直線と、架空地線と電線を結んだ線とがつくる角です。この角が小さいほど電線は架空地線の傘の内側に深く入り、直撃を受けにくくなります。親記事で引用した日本電気技術者協会の資料では、一般に架空地線を1条張って遮蔽角を45°程度以下に、高電圧の主要送電線では2条張って15°以下にしています。2条にするのは、鉄塔が高くなるほど遮蔽の効きが落ちるためです。(1)太い電線はコロナ対策で、直撃雷の遮蔽とは別の話です。(3)径間を長くすると鉄塔の本数は減りますが、支持点から離れた径間の中央では架空地線と電線の間隔が開くので、遮蔽には不利に働きます。(4)塔脚の接地抵抗を高くすると、雷電流が流れたときの鉄塔の電位上昇が大きくなり、逆フラッシオーバを招きます。向きが逆です(第1回の第5問)。(5)がいし連の個数を減らすと絶縁が下がり、かえってフラッシオーバしやすくなります。遮蔽角と塔脚接地抵抗は、どちらか一方だけでは足りない組み合わせだと覚えてください。

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