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直流機の特性と計算 ミニテスト【第3回】

「直流機の特性と計算」のミニテスト第3回です。5問で、他励の特徴・発電機の端子電圧の動き・分巻電動機の効率・抵抗制御の欠点・電圧と速さを確かめます。第3問と第5問の計算は、電機子反作用と、ブラシでの電圧降下を除いて考えます。

直流機の特性と計算のミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

他励の直流機(他励式)について、正しい説明を選べ。

(1)自分の起電力で界磁を励磁する
(2)界磁巻線が電機子と直列である
(3)界磁巻線を別の電源で励磁する
(4)永久磁石で界磁をつくる
(5)界磁巻線をもたない

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正解:(3)界磁巻線を別の電源で励磁する
励磁は、界磁巻線に電流を流して磁束をつくることです。日本電気技術者協会の講座は、その電源を別電源にする方式を他励、自己の起電力を使う方式を自励、と分けています。他励は、界磁電流を、負荷と関係なく決められます。
(1)自励の説明です。自励は、つなぎ方で分巻・直巻・複巻に分かれます。(2)自励のうちの直巻です。負荷の電流が、そのまま界磁電流になります。(4)永久磁石の機械には、界磁巻線も励磁の電源もありません。磁束が一定なので、計算では、界磁電流を変えない他励と同じ式が使えます。ただし、磁束を強めたり弱めたりはできません。(5)他励にも界磁巻線があります。違うのは、電源の取り方だけです。
電動機にすると、他励と分巻は、負荷が変わっても磁束が変わらず、速さが少ししか下がりません(第1回の第1問の表の下)。4つのつなぎ方の式は、解説記事の「つなぎ方ごとの式」で見くらべられます。

第2問

直流発電機を、回転速度と界磁の調整を変えずに運転し、負荷電流を0から増やしていく。無負荷では電圧がほとんど出ず、負荷電流が増えるにつれて端子電圧が上がっていく方式はどれか。鉄心が飽和するまでの範囲で考える。

(1)他励式
(2)分巻式
(3)直巻式
(4)平複巻式
(5)差動複巻式

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正解:(3)直巻式
直巻発電機では、負荷へ出ていく電流が、界磁巻線も通ります。負荷がなければ界磁電流も0なので、端子にはほとんど電圧が出ません(残留磁束のぶんだけ)。負荷電流が増えると磁束が増え、端子電圧が上がっていきます。
(1)起電力は変わりません。電機子回路の抵抗で落ちるぶんだけ、ほぼ直線で下がります。下がりは小さめです。(2)端子電圧が下がると、界磁電流も減ります。起電力まで下がるので、他励より大きく下がります。(4)分巻の下がりを直巻界磁の磁束で補い、端子電圧をほぼ一定にした和動複巻です。無負荷でも電圧が出ています。(5)2つの界磁の磁束が、打ち消し合う向きです。負荷電流が増えると磁束が減って、大きく下がります。
どれも、日本電気技術者協会の講座の説明によります。直巻は、負荷しだいで電圧が大きく変わります。直巻発電機が用いられることは少ない、と同じ講座にあります。方式ごとの表は、第1回の第1問と、解説記事の「外部特性と電圧変動率」にあります。

第3問

分巻電動機が、端子電圧200 V で、電源から52 A を受け取っている。界磁電流は2 A、電機子回路の抵抗は0.2 Ω、鉄損と機械損は合わせて500 W である。効率[%]に最も近いものはどれか。

(1)82.7
(2)85.7
(3)86.5
(4)88.1
(5)90.0

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正解:(3)86.5
電動機は、電気の入力から損失を引いていきます。
・入力:200×52=10,400 W
・界磁の銅損:200×2=400 W
・電機子電流:52−2=50 A
・電機子の銅損:0.2×502=500 W
・損失:400+500+500=1,400 W
・軸の出力:10,400−1,400=9,000 W
・効率:9,000/10,400×100≒86.5%
(1)界磁の銅損を2回引いています。電機子に入る10,000 W から、1,400 W をまるごと引くと8,600 W です。(2)界磁電流を足して、電機子電流を54 A としています。足すのは発電機です。(4)発電機の形の式です(10,400/11,800)。10,400 W は入力なので、損失は引きます。(5)界磁へ行く2 A を、入力にも損失にも入れていません(9,000/10,000)。
動力に変わる電力は9,500 W です(10,400−400−500)。逆起電力×電機子電流の 190×50 と合います。発電機の効率は、出力に損失を足して求めます(第1回の第5問)。電力の流れは、解説記事の計算例6で追えます。

第4問

直流電動機の速さを、電機子回路に直列に入れた抵抗で変える方法(抵抗制御法)の欠点として、正しいものはどれか。

(1)高価な設備が必要
(2)定格速度以上にしかできない
(3)入れた抵抗で電力が熱になり、効率が悪い
(4)界磁電流が不安定になる
(5)逆起電力が発生しない

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正解:(3)入れた抵抗で電力が熱になり、効率が悪い
電機子電流は、入れた抵抗も通ります。そこで「抵抗値×電流の2乗」の電力が、熱に変わります。日本電気技術者協会の講座にも、抵抗制御法は損失が大きく効率的でない、とあります。
(1)同じ講座で、装置の費用が高いとされているのは、電圧制御法です。抵抗制御は、可変抵抗があればできます。(2)抵抗を入れると、逆起電力が下がって遅くなります。定格より速くするには、界磁を弱めます。(4)抵抗を入れるのは、電機子回路です。他励や分巻の界磁巻線にかかる電圧は変わらず、界磁電流は動きません。(5)回っているかぎり、逆起電力は出ます。抵抗で落ちる電圧のぶん、小さくなるだけです。
同じ速さまで下げるのに、抵抗制御は電圧制御の2倍の入力が要り、その半分が熱になる計算が、第1回の第4問にあります。同協会の別の講座は、電機子の電圧を変える方式のほうが一般に多い、としています。そのうちの直流チョッパには、可変抵抗器での電力の損失がありません(解説記事の「電圧を変える装置」)。

第5問

他励の直流電動機で、界磁電流を一定に保ったまま、端子電圧を200 V から100 V に下げた。回転速度はおよそ何倍になるか。電機子回路の抵抗で落ちる電圧は、0とみなす。

(1)約1/4倍
(2)約1/2倍
(3)変わらない
(4)約2倍
(5)約4倍

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正解:(2)約1/2倍
抵抗で落ちる電圧を0とみなすと、逆起電力は端子電圧と同じです。界磁電流が一定なら磁束も一定で、速さは逆起電力に比例します。端子電圧が半分なら、速さも半分です。電圧制御は、この関係を使います。
(1)電圧の2乗に比例させています。2乗になるのは、抵抗にかけた電圧と電力の関係です。(3)分巻のまま端子電圧を下げると、界磁巻線の電圧も半分になります。飽和していなければ磁束も半分になり、速さはあまり変わりません。この問題は、界磁電流を一定としています。(4)比が逆です。弱めると速くなるのは、磁束のほうです。(5)比を逆にしたうえで、2乗にしています。
抵抗で落ちる電圧を入れると、半分より遅くなります。180 V を90 V に下げて、速さが約44%になる計算が、第1回の第4問にあります。電圧・抵抗・界磁の3つの方法のくらべは、解説記事の計算例5です。

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