「同期機の計算」のミニテスト第3回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
同期発電機の、無負荷定格電圧に対応する飽和同期リアクタンスが%Xs=80 %である。定格電圧・定格電流を基準とし、電機子抵抗を無視するとき、短絡比Ksはどれか。
(1)0.80
(2)1.00
(3)1.25
(4)1.50
(5)2.00
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正解:(3)1.25
80 %を、定格を1とする単位法の値へ直すと0.80です。その逆数なので、Ks=1÷0.80=100÷80=1.25。短絡比に単位は付きません。
(1)0.80は逆数を取る前のリアクタンスの値です。(2)1.00なら100 %、(4)1.50なら約66.7 %、(5)2.00なら50 %に対応し、本問の80 %とは合いません。ここで使う飽和値と、不飽和値・過渡値は区別します。参考:日本電気技術者協会の短絡比と同期インピーダンス。
第2問
平衡三相の非突極同期発電機で電機子抵抗を無視する。相電圧の実効値は内部起電力E=3000 V、端子電圧V=2000 V、1相の同期リアクタンスXs=5 Ωである。EがVより進む相差角δ=30°のとき、三相の有効出力[kW]はどれか。
(1)600
(2)900
(3)1,200
(4)1,500
(5)1,800
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正解:(5)1,800
1相分はP=(EV/Xs)sinδです。
3000×2000÷5×sin30°
=1,200,000×0.5=600,000 W
=600 kW。三相合計は600×3=1800 kWです。
(1)600 kWは1相分のままです。(3)1200 kWは1相の式でsin30°を掛け忘れた値です。(2)900 kWと(4)1500 kWも、1相600 kWを3倍した結果に合いません。EとVが相電圧か線間電圧かを確認してから、相数の係数を決めます。
第3問
非突極同期発電機で電機子抵抗を無視し、E・V・Xsを一定とする基本定常モデルを考える。発電側の0°<δ<180°で、小さな角度変化に対する同期化力が正となる範囲を、上限まで最も広く正しく示す条件はどれか。
(1)δ < 45°
(2)δ < 60°
(3)δ < 90°
(4)δ < 120°
(5)δ < 180°
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正解:(3)δ < 90°
P=(EV/Xs)sinδの傾きはcosδに比例します。0°<δ<90°では角度が増えると電気出力も増え、回転子を元へ戻す方向の働きが生じます。90°では傾きがゼロ、その先では負です。
(1)45°未満、(2)60°未満も正の範囲に含まれますが、本問が求める上限までの範囲を示していません。(4)120°未満、(5)180°未満は、傾きが負となる90°超も含むため不適切です。
これは指定モデルの静的な限界です。突極機や制御系を含む条件、事故後の回転子の動きまで、「90°を超えた瞬間に必ず脱調」と一律に判定するものではありません。参考:電気学会「過渡安定度」。
第4問
同期発電機を所定の力率・定格負荷で運転したときの端子電圧は定格の200 Vであった。回転速度と界磁電流を保って負荷を外すと240 Vになった。両方とも同じ線間で測った実効値として、電圧変動率[%]はどれか。
(1)10
(2)15
(3)17
(4)20
(5)25
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正解:(4)20
電圧差は240−200=40 Vです。負荷時の200 Vを基準にするので、
ε=40÷200×100=20 %。
(1)10 %、(2)15 %、(5)25 %なら、200 Vに対する電圧差はそれぞれ20 V、30 V、50 Vとなります。(3)17 %は、分母を無負荷の240 Vにした約16.7 %を丸めた値で、基準が違います。自動電圧調整器などで界磁電流を変えた後の電圧を比較する測定ではありません。
第5問
非突極同期発電機の1相の等価回路で電機子抵抗raを無視する。EとVは内部起電力と端子電圧の相電圧フェーザ、Iは発電機から負荷へ流出する相電流フェーザ、Xsは1相の同期リアクタンス、jは虚数単位とする。正しいベクトル式はどれか。
(1)E = V − jXsI
(2)E = V + jXsI
(3)E = V × jXsI
(4)E = V ÷ jXsI
(5)E = jXsI − V
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正解:(2)E=V+jXsI
発電機の内部から端子へ向かって電流が流れるとき、内部起電力は端子電圧とリアクタンスの電圧降下の和になります。j²=−1で、jを掛けると電流フェーザに対して90°進んだ向きを表します。
(1)E=V−jXsIは、電動機へ流入する電流を基準にした式に対応し、指定方向と合いません。(3)は電圧同士の積、(4)は電圧同士の比で、Eの単位になりません。(5)は端子電圧Vの符号が逆です。
フェーザの和は位相を含むため、大きさだけを普通の数のように加算してはいけません。参考:同期発電機の等価回路とベクトル図。
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