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高圧ガス保安法の目的と高圧ガス判定の問題5問【第1回】

この5問で身につくこと

  • 法の目的が「規制」と「自主保安の促進」の二本立てだと説明できる
  • 圧縮ガス1MPa・液化ガス0.2MPaを二段構えで判定できる
  • 1冷凍トンを熱量から自分で計算できる
  • 3トン・5トンの適用除外を冷媒の種類とセットで判断できる

「高圧ガスかどうか」は、数字を1つ覚えれば決まるものではありません。法第2条は、どのガスにも「常用の温度で見る条件」と「特定の温度で見る条件」の2つを用意しており、どちらかに当たれば高圧ガスです。ここを片方だけで覚えると、現場の圧力計を見ても判定できません。

もう1つ大切なのが、冷凍装置を運転することが法律上の「製造」に当たるという点です。冷媒を圧縮・液化しているので、ビルの冷凍機は法の対象になり得ます。用語の全体像は「高圧ガス保安法の目的と定義|1MPa・0.2MPaの判定」で詳しく確認できます。

高圧ガスの判定は「どちらかに当たれば該当」

ガスの種類 条件A(常用の温度) 条件B(特定の温度)
圧縮ガス
圧縮アセチレンを除く
1MPa以上となり、かつ現に1MPa以上 温度35℃で1MPa以上
圧縮アセチレン 0.2MPa以上となり、かつ現に0.2MPa以上 温度15℃で0.2MPa以上
液化ガス 0.2MPa以上となり、かつ現に0.2MPa以上 0.2MPaとなる場合の温度が35℃以下

ここでいう圧力はすべてゲージ圧力です。大気圧を0とした表示なので、絶対圧力より約0.1MPa小さい値になります。液化ガスの条件Bは「今は0.2MPa未満でも、35℃以下で0.2MPaに達するなら高圧ガス」という意味で、冷媒容器の判定でよく効いてきます。

冷凍設備が法の適用を受けるライン

1日の冷凍能力 第一種ガス アンモニアなど
3トン未満 適用除外 適用除外
3トン以上5トン未満 適用除外 法の適用あり
5トン以上 法の適用あり 法の適用あり

第一種ガスは、施行令第2条第5項第4号でヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、窒素、二酸化炭素、難燃性の基準に適合するフルオロカーボン、空気と定められています。参考書で「不活性のフルオロカーボン」と書かれてきたものが、現行の政令では難燃性を有するものとして経済産業省令で定める燃焼性の基準に適合するフルオロカーボンという表現になっています。

現行法令・公式資料の確認先

法令・公式情報確認日:2026年7月29日。問題文と数値例は独自作成し、公表試験の設問本文や外部図表は転載していません。

高圧ガス保安法の目的と用語の定義 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:法の目的と手段を正しく読む

【問1】高圧ガス保安法第1条が定める目的と手段について、最も適切なものはどれですか。

(1) 高圧ガスの使用を全面的に禁止することを目的としている
(2) 製造・貯蔵・販売・移動その他の取扱い・消費・容器の製造及び取扱いを規制するとともに、民間事業者と高圧ガス保安協会の自主的な保安活動を促進し、公共の安全を確保する
(3) 高圧ガスの流通価格を安定させることを目的としている
(4) 規制だけを手段としており、事業者の自主的な保安活動は法の関心事ではない
(5) 容器の製造と取扱いは規制の対象外である

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正解:(2)
法第1条は、災害の防止のために取扱い全般と容器を規制すること、そして民間事業者とKHKによる自主的な保安活動を促進すること、この2つを手段として掲げ、公共の安全確保を目的としています。規制と自主保安の両輪という構造が、危害予防規程や保安教育の義務につながります。

第2問:圧縮ガスを二段構えで判定する

【問2】ある圧縮窒素の設備で、常用の温度におけるゲージ圧力は0.85MPa、温度35℃まで上がったときのゲージ圧力は1.05MPaになります。高圧ガス保安法上の判定として、最も適切なものはどれですか。

(1) 常用の温度で1MPa未満なので高圧ガスに当たらない
(2) 温度35℃で1MPa以上となる圧縮ガスなので高圧ガスに当たる
(3) 液化ガスの0.2MPa基準で判定するので高圧ガスに当たらない
(4) 絶対圧力に直すと1MPa未満なので高圧ガスに当たらない
(5) 圧縮ガスに数値基準はなく、事業者の判断による

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正解:(2)
法第2条第1号は、常用の温度で1MPa以上かつ現に1MPa以上であるものまたは温度35℃で1MPa以上となる圧縮ガスを高圧ガスとしています。今回は前者に当たりませんが後者に当たるので高圧ガスです。「または」でつながっている点が判定の鍵です。

第3問:液化ガスは温度側からも判定する

【問3】ある液化フルオロカーボンは、現在のゲージ圧力が0.15MPaで、圧力が0.2MPaになるときの温度は28℃です。判定として最も適切なものはどれですか。

(1) 現に0.2MPa未満なので高圧ガスに当たらない
(2) 圧力が0.2MPaとなる場合の温度が35℃以下なので高圧ガスに当たる
(3) 圧縮ガスの1MPa基準で判定するので高圧ガスに当たらない
(4) 液化ガスに温度側の判定基準はない
(5) 15℃で0.2MPa以上かどうかで判定する

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正解:(2)
法第2条第3号の後段は「圧力が0.2MPaとなる場合の温度が35℃以下である液化ガス」を高圧ガスとしています。今その圧力に達していなくても、35℃以下で達するなら該当します。なお15℃基準は圧縮アセチレンガスのものです。

第4問:1冷凍トンを熱量から計算する

【問4】1冷凍トンは、1日(24時間)に0℃の水1,000kgを0℃の氷にする能力です。氷の融解潜熱を79.7kcal/kg、1kcal=4.19kJとすると、これは連続運転時の冷凍能力として何kWに相当しますか。

(1) 約1.4kW
(2) 約3.9kW
(3) 約13.9kW
(4) 約79.7kW
(5) 約3,320kW

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正解:(2)
1日に必要な熱量は 79.7×1,000=79,700kcal。1時間あたりでは 79,700÷24≒3,320kcal/h です。SI単位に直すと 3,320×4.19≒13,900kJ/h、これを3,600秒で割って 約3.86kW になります。(3)の13.9は1時間あたりのkJであってkWではありません。なお、法令上の「1日の冷凍能力」はこの熱量ではなく、冷凍保安規則第5条の算定式で求めます。→ 1日の冷凍能力・法定冷凍トンの計算問題

第5問:同じ4トンでも冷媒で結論が変わる

【問5】1日の冷凍能力が4.0トンの冷凍設備が2台あります。1台は難燃性の基準に適合するフルオロカーボン、もう1台はアンモニアを冷媒としています。高圧ガス保安法の適用について、最も適切なものはどれですか。

(1) 2台とも適用除外である
(2) 2台とも法の適用を受ける
(3) フルオロカーボンの設備は適用除外、アンモニアの設備は法の適用を受ける
(4) フルオロカーボンの設備は法の適用を受け、アンモニアの設備は適用除外である
(5) 冷媒に関係なく5トン未満はすべて適用除外である

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正解:(3)
施行令第2条第5項第3号は、冷凍能力3トン未満の冷凍設備内の高圧ガスを冷媒の種類を問わず適用除外にしています。同項第4号は、3トン以上5トン未満について第一種ガスに限って適用除外としています。難燃性フルオロカーボンは第一種ガスに含まれるので4.0トンでも適用除外、アンモニアは含まれないので法の適用を受けます。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 判定を自分で組み立てられる 第2回へ進む
3〜4問 数値か条件の片方が抜けている 誤答だけ解き直す
0〜2問 用語の整理が先 2つの比較表へ戻る
  • 問1を誤答:目的は規制と自主保安の促進の二本立て
  • 問2・3を誤答:条件Aと条件Bは「または」でつながる
  • 問4を誤答:kJ/hとkWの換算で3,600を忘れていないか確認
  • 問5を誤答:3トンは全冷媒、5トンは第一種ガス限定

次の練習と学習ルート

まとめ

高圧ガスの判定は、圧縮ガスなら1MPa、液化ガスなら0.2MPaという数値と、「常用の温度」と「35℃(アセチレンは15℃)」という2つの見方をセットで覚えます。どちらか一方に当たれば高圧ガスです。

冷凍設備については、3トン未満はすべて適用除外、3トン以上5トン未満は第一種ガスだけが適用除外という二段のラインで判断します。実務では、対象の冷媒が現行の政令・省令でどの区分に置かれているかを、必ず最新の条文で確認してください。

最終更新日:2026年7月29日

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