ミニテスト 理論

電気計測ミニテスト|計器負荷・倍率器・ブリッジ・CTを5問で計算

この5問は、計器名を暗記するだけでなく「接続した計器も回路の一部として扱う→測定範囲と誤差の基準を確認する→指示値を元の電気量へ換算する→安全条件まで検算する」手順を診断するミニテストです。

問題文に示す理想化した計器と回路を使います。問題・数値・選択肢は当サイトで作成したオリジナルで、過去問題の転載・改変ではありません。

指示計器、分流器・倍率器、誤差、ブリッジ測定を先に復習する場合は「電気計測と測定器|指示計器・測定範囲・誤差」を確認してください。実際の測定では計器の取扱説明書、測定カテゴリ、定格、校正条件を優先します。

解く前の前提|測定器を接続すると回路条件が変わる

測定項目 このテストで確認する式・条件 よくある取り違え
電圧計の負荷効果 入力抵抗を測定点へ並列に接続し、回路を解き直す 入力抵抗が有限でも測定前の電圧をそのまま指示すると考える
倍率器 計器の最大電流と内部抵抗から必要な直列抵抗を求める 全入力抵抗と追加する倍率器抵抗を混同する
直流ブリッジ 検出器電流0の平衡条件で、左右の中点電位を等しくする 抵抗の配置を示さず比だけを暗記する
確度階級 問題で指定された最大目盛値基準の絶対誤差を、指示値基準の相対誤差へ換算する 階級値をどの指示値でも同じ相対誤差とする
変流器(CT) 変流比で一次電流へ換算し、一次通電中は二次を開放しない 変流比を逆にする、または電圧用のVTと安全手順を混同する

採点のしかた

  1. 被測定回路と測定器を分けて描き、計器の内部抵抗と接続位置を書き込みます。
  2. 最大目盛値、指示値、変成比など、誤差や換算の基準量を先に確認します。
  3. 単位をV、A、Ωへそろえ、求めた指示値が測定範囲と安全条件に収まるか検算します。
  4. 5問中4問以上に正解し、翌日に式と接続理由まで説明できれば次へ進みます。

第1問|電圧計の入力抵抗による負荷誤差を求める

開放端子電圧100 V、直列の内部抵抗100 kΩで表せる直流信号源がある。この端子へ入力抵抗900 kΩの理想指示電圧計を接続した。電圧計の指示値と、開放端子電圧100 Vを基準とする相対誤差の組合せはどれか。相対誤差は(指示値−基準値)/基準値とする。

(1)90.0 V、−10.0%
(2)100 V、0%
(3)10.0 V、−90.0%
(4)90.0 V、+10.0%
(5)111 V、+11.1%

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正解:(1)90.0 V、−10.0%

電圧計を接続すると、100 kΩと900 kΩの直列分圧になります。指示値は100×900/(100+900)=90.0 V、相対誤差は(90−100)/100×100=−10.0%です。

  • (1)有限な入力抵抗を被測定回路へ組み込み、基準値との差の符号も保っています。
  • (2)入力抵抗が無限大なら成立しますが、900 kΩには電流が流れます。
  • (3)内部抵抗側の10 Vを電圧計の指示値にしています。
  • (4)指示値は基準より小さいため、定義した誤差は負です。
  • (5)測定器を接続しただけで受動分圧回路の端子電圧が100 Vを超えることはありません。

第2問|可動コイル形計器の倍率器を設計する

最大目盛電流1.00 mA、内部抵抗100 Ωの直流可動コイル形計器へ直列抵抗を加え、最大目盛10.0 Vの電圧計にする。必要な直列抵抗と、完成した電圧計の全入力抵抗の組合せはどれか。

(1)9.90 kΩ、10.0 kΩ
(2)10.0 kΩ、10.1 kΩ
(3)100 Ω、200 Ω
(4)0.0100 Ω、100 Ω
(5)90.0 kΩ、90.1 kΩ

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正解:(1)9.90 kΩ、10.0 kΩ

最大目盛時の全入力抵抗はRtotal=10.0 V/1.00 mA=10.0 kΩです。計器内部に100 Ω=0.100 kΩがあるため、追加する倍率器は10.0−0.100=9.90 kΩです。

  • (1)必要な全抵抗から計器内部抵抗を差し引いています。
  • (2)10.0 kΩを追加抵抗としてしまい、内部抵抗を二重に足しています。
  • (3)最大目盛電圧は1.00 mA×200 Ω=0.200 Vにしかなりません。
  • (4)0.0100 Ωのような小抵抗を並列に使うのは大電流用分流器の考え方です。
  • (5)全抵抗90.1 kΩでは、10 Vで最大目盛電流に達しません。

第3問|ホイートストンブリッジを抵抗配置から解く

直流ホイートストンブリッジの左枝は上側R1=120 Ω、下側R2=300 Ω、右枝は上側R3=80 Ω、下側Rxで構成する。電源を上下端子間、零位検出器を左右中点間へ接続したところ平衡した。Rxはいくらか。

(1)32 Ω
(2)50 Ω
(3)200 Ω
(4)450 Ω
(5)800 Ω

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正解:(3)200 Ω

平衡時は検出器電流が0で、左右中点の電位が等しくなります。この配置ではR2/(R1+R2)=Rx/(R3+Rx)、整理してR1Rx=R2R3です。したがってRx=300×80/120=200 Ωです。

  • (1)積と比の対応を崩して120×80/300としています。
  • (2)左右上側抵抗の差だけを使っています。
  • (3)問題文の上下・左右の配置に対応する平衡式を満たします。
  • (4)300×120/80として、未知抵抗がある枝の対応を逆にしています。
  • (5)4抵抗を単純に加減しても平衡条件にはなりません。

第4問|確度階級から指示値の最大相対誤差へ直す

問題上、確度階級0.5級を「最大許容誤差が最大目盛値の±0.5%」と定義する。最大目盛300 Vのアナログ電圧計で60.0 Vを指示したとき、最大絶対誤差と、指示値60.0 Vを基準とする最大相対誤差の組合せはどれか。

(1)±0.30 V、±0.5%
(2)±1.50 V、±0.5%
(3)±1.50 V、±2.5%
(4)±3.00 V、±5.0%
(5)±30.0 V、±50%

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正解:(3)±1.50 V、±2.5%

絶対誤差の上限は300×0.5/100=±1.50 Vです。60.0 V指示に対する相対誤差は1.50/60.0×100=±2.5%です。最大目盛値基準の階級値と指示値基準の相対誤差は同じではありません。

  • (1)60 Vの0.5%を絶対誤差としており、基準量を取り違えています。
  • (2)絶対誤差は正しい一方、相対誤差を再計算していません。
  • (3)最大目盛値基準から指示値基準へ正しく換算しています。
  • (4)階級値を1.0級として計算した値です。
  • (5)百分率の100で割る操作を落としています。

第5問|CTの指示換算と二次側の安全条件を組み合わせる

定格変流比200 A/5 Aの理想CTに電流計を接続したところ、二次電流は3.00 Aだった。一次電流と、一次側を通電したまま電流計を外す際のCT二次側の扱いとして正しい組合せはどれか。

(1)120 A、先に二次側を短絡してから外す
(2)120 A、二次側を開放したまま外す
(3)75 A、先に二次側を短絡してから外す
(4)8.00 A、二次側を開放したまま外す
(5)600 A、二次側を接地から切り離して外す

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正解:(1)120 A、先に二次側を短絡してから外す

変流比は200/5=40なので、一次電流は40×3.00=120 Aです。一次通電中に二次側を開放すると、鉄心磁束と二次端子電圧が危険な値へ上昇し得るため、専用短絡端子などで二次回路を短絡してから計器を外します。実作業は設備の手順と有資格者の指示に従います。

  • (1)変流比の向きとCTの開放禁止を両方満たします。
  • (2)一次電流は正しいものの、一次通電中の二次開放は危険です。
  • (3)5/200を途中で逆用しています。
  • (4)200/5と3 Aを加減しており、変流比による換算になっていません。
  • (5)200×3として定格二次電流5 Aを無視し、安全な短絡手順にもなっていません。

結果の読み方|どの測定条件へ戻るか

間違えた問題 戻る項目 再テストの完了条件
第1問 入力抵抗と負荷効果 測定器を接続後の等価回路から指示値と符号付き誤差を出せる
第2問 倍率器 全入力抵抗と追加直列抵抗を区別できる
第3問 ブリッジ平衡 抵抗配置から中点電位を立式して未知抵抗を求められる
第4問 絶対誤差と相対誤差 最大目盛値基準と指示値基準を分けて換算できる
第5問 CTの変流比と安全 一次電流を換算し、二次開放が危険な理由を説明できる

追加演習は電気計測ミニテスト第2回第3回へ進めます。前のテーマへ戻る場合は半導体・電子回路ミニテスト、次のテーマは水力発電ミニテストです。

公式資料と測定分野の確認先

問題・解説・公式資料確認日/最終更新日:2026年9月3日

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