「変電所の保護装置」のミニテスト第2回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
変圧器の内部故障を検出する比率差動継電器が、故障が起きているかどうかを判断するために比べているものはどれか。
(1)一次側と二次側の電圧の差
(2)保護区間へ入る電流と、保護区間から出ていく電流の差
(3)系統の周波数と定格周波数の差
(4)変圧器の油温と周囲の温度の差
(5)電圧と電流の位相の差
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正解:(2)保護区間へ入る電流と、保護区間から出ていく電流の差
差動継電器は守りたい区間の両端にCTを置き、入る電流と出る電流をそろえて引き算します。区間の外の事故では入った分がそのまま出ていくので差はほとんど出ず、区間の中の事故のときだけ差が現れます。変圧器では巻数比の違いとY−Δ結線による位相のずれがあるため、CTの結線などで両側をそろえてから比べます。投入時の励磁突入電流やCTの誤差でも差は出るので、通過電流が大きいほど動作に必要な差電流を大きくする「比率」の特性で誤動作を防ぎます。(1)比べるのは電圧ではなく電流です。(3)は周波数継電器、(4)は第3問のブッフホルツ継電器や温度計、(5)位相を見るのは第2問の方向継電器の役目です。
第2問
高圧受電設備の地絡方向継電器(DGR)が、地絡事故が自分の構内で起きたのか構外で起きたのかを判別するために使っている情報はどれか。
(1)各相に流れる負荷電流の大きさだけ
(2)零相電圧と零相電流の大きさ、およびその二つの位相の関係
(3)線間電圧の大きさだけ
(4)系統の周波数が下がった量
(5)変圧器の油の中に発生したガスの量
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正解:(2)零相電圧と零相電流の大きさ、およびその二つの位相の関係
地絡が起きると系統には零相電圧が現れ、地絡点へ向かって零相電流が流れます。事故が構内側か構外側かで、この零相電流の向き(零相電圧に対する位相)が逆になります。DGRはGPTやZPDから零相電圧を、ZCTから零相電流を受け取り、大きさが整定値を超え、かつ位相が定めた範囲に入ったときだけ動作します。大きさだけを見るGRは、他の需要家の地絡でも自分の構内のケーブルがもつ対地静電容量を通って電流が流れるため、「もらい動作」をすることがあります。どれくらいの充電電流でDGRに替えるかは第1回の第3問で計算しています。(1)(3)は地絡の判定に使えません。(4)は周波数継電器、(5)は第3問の話です。
第3問
ブッフホルツ継電器で保護できる機器はどれか。
(1)架空送電線路
(2)コンサベータを備えた油入変圧器
(3)回転子をもつ発電機
(4)遮断器の消弧室
(5)変電所の母線
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正解:(2)コンサベータを備えた油入変圧器
ブッフホルツ継電器は、変圧器本体と油をたくわえるコンサベータをつなぐ連結管の途中に取り付けます。内部で絶縁物が焼けたり部分放電が起きたりするとガスが発生し、管を通ってこの継電器にたまります。少量たまった段階では警報を出し、内部短絡などで油が勢いよく動いたときは遮断へ進む、という二段の動きをするのが一般的です。油の動きとガスを見る機器なので、油を使わないモールド変圧器やガス絶縁変圧器には使えません。区間の外の事故では動かないので、電気量で判定する第1問の比率差動継電器と組み合わせます。(1)は距離継電器など、(3)は発電機用の差動・地絡継電器、(4)(5)は別の保護が受け持ちます。
第4問
保護リレーの後備保護(バックアップ保護)の役割として正しいものはどれか。
(1)主保護より先に動作して、事故をより早く取り除く
(2)主保護やその遮断器が動作しなかったときに、時限を遅らせて代わりに切る
(3)事故がなくても常時動作して、機器の状態を監視する
(4)変圧器の温度が上がったときに冷却装置を起動する
(5)負荷の変動に合わせて二次電圧を調整する
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正解:(2)主保護やその遮断器が動作しなかったときに、時限を遅らせて代わりに切る
主保護は、事故区間だけを最短の時間で切り離す担当です。ただしリレーの故障、遮断器の不動作、制御電源の喪失などで主保護が働かないことがあります。後備保護はその備えで、主保護が動くはずの時間を過ぎても事故が続いているときに動作するよう、わざと時限を遅らせて整定します。切る範囲は主保護より広く停電の影響も大きくなりますが、事故電流を流したままにするよりは被害が小さい、という考え方です。(1)は逆で、先に動くと停電範囲が無用に広がります。(3)保護リレーは事故のときだけ動きます。(4)(5)は保護ではなく運転・制御の話です。時限差の決め方は第1回の第4問で数字を追っています。
第5問
高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の種類として、正しいものはどれか。
(1)D種接地工事(接地抵抗100 Ω以下)
(2)C種接地工事(接地抵抗10 Ω以下)
(3)B種接地工事(変圧器の高低圧混触に備えるもの)
(4)A種接地工事(接地抵抗10 Ω以下)
(5)接地は不要
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正解:(4)A種接地工事(接地抵抗10 Ω以下)
電気設備の技術基準の解釈では、高圧・特別高圧の電路に施設する避雷器にはA種接地工事を施すことになっており、A種の接地抵抗値は10 Ω以下です。気をつけたいのは、(2)のC種も抵抗値は同じ10 Ω以下で、数字だけでは選べない点です。違うのは対象で、C種は300 Vを超える低圧用機器の金属製外箱などに施します。避雷器は高圧側の機器なのでA種です。(1)のD種は300 V以下の低圧用で100 Ω以下(地絡時に0.5秒以内で自動遮断する装置があれば500 Ω以下)。(3)のB種は高圧と低圧を結ぶ変圧器の中性点などに施し、抵抗値は混触時の条件から計算で決まります。(5)は誤りで、避雷器はサージ電流を大地へ流して働くため接地は動作の前提です。接地抵抗が高いとその分だけ電位が持ち上がり、保護の効きが落ちます(見積もりは第1回の第5問)。
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