「変電所の保護装置」のミニテスト第3回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
過電流継電器の限時特性のうち、電流が大きいほど動作時間が短くなるものを、まとめて何と呼ぶか。傾きの違いによる細かい分類ではなく、その総称を選べ。
(1)瞬時特性
(2)定限時特性
(3)反限時特性
(4)強反限時特性
(5)遅延特性
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正解:(3)反限時特性
限時特性は、整定値を超えてから動作するまでの時間が電流の大きさでどう変わるかによる分類です。反限時特性は「電流が大きいほど動作時間が短くなる」特性の総称で、軽い過負荷は時間をかけて見守り、大きな短絡はすばやく切る使い分けができます。(4)の強反限時は、その反限時のうち傾きを急にしたものの呼び名で、ほかに標準反限時・超反限時があります。反限時に含まれる細かい分類なので、総称を問うこの設問では正解になりません。(1)の瞬時特性は整定値を超えた瞬間に動作するもので、電流による時間の変化がありません。(2)の定限時特性は、整定値を超えれば電流が何倍でも決まった時間で動作します。(5)の遅延特性は限時特性の分類名ではありません。実際の受電設備では、大電流用の瞬時要素と過負荷用の限時要素を組み合わせて整定します。
第2問
零相変流器(ZCT)が取り出している電流はどれか。
(1)各相に流れる負荷電流の大きさ
(2)三相の電流をベクトルとして足し合わせた零相電流
(3)線間の電圧
(4)回路が消費している有効電力
(5)短絡したときに各相へ流れる大きな電流
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正解:(2)三相の電流をベクトルとして足し合わせた零相電流
ZCTは三相の電線をまとめて一つの鉄心に貫通させます。健全なときは三相の電流の和がほぼ0になるので、二次側にはほとんど何も現れません。地絡が起きると大地へ抜けた分だけ和が0でなくなり、その差が零相電流として二次に出ます。地絡電流は負荷電流より桁がいくつも小さいため、ZCTは小さな電流を精度よく取り出せるよう作られています。ただしZCTだけで分かるのは大きさで、事故が構内か構外かという向きまでは判別できません。向きを知るには零相電圧を基準にする必要があり、それを担うのが第2回の第2問で扱う地絡方向継電器(DGR)です。(1)(5)は各相のCT、(3)はVT、(4)は電力計の役目です。
第3問
同じ事故に対する主保護と後備保護の動作時間の関係として、正しいものはどれか。
(1)主保護のほうが遅く動作するよう整定する
(2)後備保護のほうが遅く動作するよう整定する
(3)どちらも同じ時間で動作するよう整定する
(4)動作の順番は決めず、先に動いたほうに任せる
(5)必ず同時に動作させ、両方の区間をまとめて切る
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正解:(2)後備保護のほうが遅く動作するよう整定する
事故が起きたら、まず主保護が事故区間だけを最小の停電範囲で切り離します。後備保護はそれが失敗したときの備えなので、主保護が動くはずの時間と、遮断器が電流を切り終わるまでの時間が過ぎてから動くよう、時間差をつけて整定します。差が小さすぎると、主保護が正しく動いているのに後備保護まで動いて停電範囲が無用に広がります。逆に大きすぎると、主保護が失敗したときに事故電流が長く流れ続け、機器の傷みが進みます。(1)は関係が逆です。(3)(5)は上位側も同時に切れるので広い範囲が停電します。(4)では毎回切れ方が変わり、どこが悪かったのかも分かりません。時間差を実際の秒数で作る手順は第1回の第4問で確かめています。
第4問
過電流継電器の整定値(動作を始める電流)を小さくしたときの説明として、正しいものはどれか。
(1)より大きな電流でなければ動作しなくなる
(2)より小さな電流でも動作するようになる
(3)反限時特性では、同じ事故電流に対する動作時間が必ず長くなる
(4)電流の大きさにかかわらず、まったく動作しなくなる
(5)動作を始める電流も動作時間も変わらない
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正解:(2)より小さな電流でも動作するようになる
整定値は「ここを超えたら過電流とみなす」という境目です。小さくすれば軽い過電流でも動作する、つまり感度が上がります。ただし感度の高さと誤動作のしにくさは引き換えです。下げすぎると、電動機の始動電流や変圧器の励磁突入電流のような、事故ではない一時的な大電流でも動いてしまいます。逆に上げすぎると過負荷を検出できません。だから整定値は、その設備の負荷電流を一次側の値に戻して比べたうえで決めます(第1回の第1問で換算しています)。(3)は逆です。反限時特性の動作時間は「整定値の何倍の電流か」で決まるので、整定値を下げると同じ事故電流でも倍率が上がり、動作は早くなります。(1)(4)(5)はいずれも誤りです。
第5問
送電線の保護に距離継電器(インピーダンス継電器)が使われる主な理由はどれか。
(1)ほかの継電器より装置が安価だから
(2)自端で測った電圧と電流から事故点までの距離を推定でき、受け持つ区間を決められるから
(3)取り付けや配線が簡単で、CTやVTがいらないから
(4)交流専用の継電器で、直流回路には使えないから
(5)直流回路にもそのまま使えるから
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正解:(2)自端で測った電圧と電流から事故点までの距離を推定でき、受け持つ区間を決められるから
距離継電器は、取り付けた地点で測った電圧を電流で割ってインピーダンスを求めます。送電線のインピーダンスは亘長にほぼ比例するので、この値から事故点までの距離を見積もれます。整定したインピーダンスより内側の事故だけで動作させれば、自分の端子で測った値だけで受け持つ区間を決められます。一般には第1段を自端から線路の8割程度までとして瞬時に動作させ、その先は時限をもたせた第2段・第3段が後備として受け持ちます。全長を第1段にしないのは、事故点のアーク抵抗や電源側のインピーダンス、並行回線からの誘導で測定値がずれ、隣の区間まで切ってしまうおそれがあるからです。(1)(3)は誤りで、電圧と電流の両方を使うためVTとCTが要ります。(4)(5)は使われる理由の説明になっていません。
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