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直流機の構造と原理 ミニテスト【第2回】

「直流機の構造と原理」のミニテスト第2回です。5問で、並列回路数・発電機の式・トルクと磁束・始動のときの抵抗・出力からトルクを確かめます。φ は磁極1つあたりの磁束で、解説記事では Φ と書いています。5問とも、電機子反作用とブラシの電圧降下はないものとします。

直流機の構造と原理のミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

重ね巻でつないだ直流機の電機子巻線では、並列回路数 a はいくつになるか。

(1)常に1
(2)常に2
(3)極数 p と同じ
(4)極数の2倍
(5)コイルの巻数と同じ

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正解:(3)極数 p と同じ
並列回路数は、プラスのブラシとマイナスのブラシのあいだにできる、並列の道の数です。日本電気技術者協会の講座は、重ね巻なら極数と同じ、波巻なら極数に関係なく2としています。重ね巻は、4極なら4、6極なら6です。
(1)極数は2以上の偶数です。どちらの巻き方でも、1にはなりません。(2)波巻の値です。重ね巻が2になるのは、2極のときだけです。(4)2倍にはなりません。p は N 極と S 極を別々に数えた数で、それがそのまま並列回路数です。(5)巻数や導体の本数を増やしても、道の数は変わりません。増えるのは、1つの道に直列に並ぶ導体のほうです。
導体が全部で Z 本なら、Z/a 本ずつ直列になった列が、a 列できます。電圧を決めるのは1列ぶんの本数で、列が多いほど、取り出せる電流が増えます。8極・576本の機械で2つの巻き方を比べた表が、第1回の第3問にあります。

第2問

他励の直流発電機で、端子電圧 V、誘導起電力 E、電機子回路の抵抗 Ra、電機子電流 Ia のあいだに成り立つ式はどれか。

(1)V=E+RaIa
(2)V=E−RaIa
(3)V=E×Ra
(4)E=V+2RaIa
(5)V=RaIa

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正解:(2)V=E−RaIa
発電機の電機子は、起電力 E に抵抗 Ra が直列についた電源と同じ形です。電流 Ia を送り出すと、巻線の抵抗で RaIa だけ電圧が落ち、残りが端子に出ます。だから、E は V より大きくなります。
(1)電動機の式です。電動機では、外から加えた V のほうが E より大きく、電流は起電力に逆らって流れ込みます。(3)起電力に抵抗を掛けても、電圧にはなりません。単位が合いません。(4)抵抗で落ちる電圧を、2回数えています。2がなければ、(2)と同じ式です。(5)RaIa は、抵抗で落ちる分だけです。起電力が入っていません。
E と V の大きいほうが、電流を押し出します。同じ機械でも、E が V を上回れば発電機、下回れば電動機です(第1回の第4問の(5))。実際の機械では、ブラシでの電圧降下なども加わります。問題文に値が出てきたときだけ、式に入れます。数値を入れた計算は第3回の第5問です。

第3問

界磁の磁束 φ と電機子電流 Ia を、別々に変えられる他励の直流機がある。トルク T の説明として、正しいものを選べ。

(1)T は磁束 φ の2乗に比例する
(2)T は磁束 φ と電機子電流 Ia の積に比例する
(3)T は電機子電流 Ia の2乗に比例する
(4)T は磁束 φ に反比例する
(5)T は回転速度 N に比例する

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正解:(2)T は磁束 φ と電機子電流 Ia の積に比例する
トルクの式は T=pZφIa/(2πa) です。極数 p、導体の数 Z、並列回路数 a は、機械ができあがれば変わりません。だから T は φ×Ia に比例します。
(1)式の磁束は1乗です。磁束だけを2倍にすれば、トルクも2倍です。(3)他励では、電流だけを2倍にすると、トルクは2倍です。2乗になるのは、界磁巻線を電機子と直列につなぐ直巻の電動機で、磁束が飽和していないあいだです。電流が増えると、磁束も一緒に増えるからです(日本電気技術者協会の講座)。(4)逆です。同じ電流なら、磁束を弱めるとトルクは下がります。(5)式に回転速度は入っていません。回転速度が入るのは、起電力の式 E=pZφN/(60a) のほうです。
2つの式は、同じ定数でつながっています。そのため、E×Ia は、角速度×トルクと同じ値になります(第3回の第4問)。式の組み立ては解説記事の「トルクの式と出力」、直巻の特性は直流機の特性と計算で扱います。

第4問

直流電動機を始動するとき、電機子回路に直列に抵抗(始動抵抗。起動抵抗とも書く)を入れるのは、おもになぜか。

(1)端子電圧を上げるため
(2)逆起電力が0で、過大な電流が流れるのを防ぐため
(3)回転速度を上げるため
(4)力率を改善するため
(5)磁束を増やすため

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正解:(2)逆起電力が0で、過大な電流が流れるのを防ぐため
電動機の電機子電流は Ia=(V−E)/Ra です。始動の瞬間は、まだ回っていないので、逆起電力 E は0です。電流をおさえるものが、小さな抵抗 Ra だけになります。そこで、直列に抵抗 r を足して、Ia=V/(Ra+r) におさえます。速さが上がるにつれて逆起電力が出てきて、電流は小さくなります。それに合わせて r を少しずつ下げ、最後は0にします(日本電気技術者協会の講座)。
(1)電源の電圧は変わりません。抵抗で落ちる分、電機子にかかる電圧は、かえって下がります。(3)電流をおさえるとトルクも小さくなるので、加速はゆるやかになります。速さを上げるための抵抗ではありません。(4)力率は、交流で電圧と電流の位相がずれるときに出てくる量です。直流の回路にはありません。(5)磁束は界磁電流で決まります。電機子回路に抵抗を足しても、増えません。
第1回の第5問の表では、30 A で回る電動機に、止まったままだと400 A が流れます。抵抗の値の出し方は、解説記事の「始動のときの電流」にあります。

第5問

ある直流電動機が、軸の出力5 kW、回転速度1,500 min−1 で回っている。軸のトルク[N·m]に最も近いものはどれか。

(1)15.9
(2)23.9
(3)31.8
(4)47.7
(5)63.7

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正解:(3)31.8
出力[W]は、角速度[rad/s]とトルク[N·m]の積です。先に単位をそろえます。
・出力:5 kW=5,000 W
・角速度:2π×1,500/60≒157.1 rad/s
・トルク:5,000/157.1≒31.8 N·m
1つの式にまとめると T=60P/(2πN) です。60は、1分あたりの回転を1秒あたりに直す数です。
外れの4つは、同じ5 kW を、別の速さで出すときのトルクです。
・(1)15.9:3,000 min−1 のとき
・(2)23.9:2,000 min−1 のとき
・(4)47.7:1,000 min−1 のとき
・(5)63.7:750 min−1 のとき
出力が同じなら、速く回る機械ほどトルクは小さく、ゆっくり回る機械ほど大きくなります。(5)は、2π を π と書きまちがえたときにも出ます。
割ったのが軸の出力なので、出てくるのは軸のトルクです。電機子の中で動力に変わる電力 E×Ia は、鉄損と機械損のぶんだけ、軸の出力より大きくなります(第1回の第4問)。

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