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直流機の構造と原理 ミニテスト【第3回】

「直流機の構造と原理」のミニテスト第3回です。5問で、巻き方を変えたときの起電力・磁束と速さを変えたときの起電力・固定子と回転子・出力とトルクの式・発電機の端子電圧を確かめます。φ は磁極1つあたりの磁束(解説記事の Φ)です。計算では、電機子反作用とブラシの電圧降下はないものとします。

直流機の構造と原理のミニテスト

第1回 第2回 第3回

テストの使い方

まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。

第1問

4極の直流発電機の電機子巻線を、波巻から重ね巻につなぎ変えた。導体の総数、磁極1つあたりの磁束、回転速度が前と同じなら、誘導起電力はどうなるか。

(1)4分の1になる
(2)半分になる
(3)変わらない
(4)2倍になる
(5)4倍になる

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正解:(2)半分になる
起電力は E=pZφN/(60a) で、並列回路数 a に反比例します。波巻は a=2、重ね巻は極数と同じ a=4 です。a が2倍になるので、起電力は半分です。導体1本の起電力はそのままで、直列に並ぶ本数が Z/2 から Z/4 に減った、と見ても同じです。
(1)8極の機械なら、a が2から8になるので4分の1です。この問題は4極です。(3)変わらないのは、導体1本の起電力と、起電力×取り出せる電流です。(4)向きが逆です。重ね巻を波巻に変えたときの値です。(5)8極で、重ね巻を波巻に変えたときの値です(第1回の第3問の表)。
重ね巻にすると、並列の列が2から4に増えるので、取り出せる電流は2倍になります。電圧が半分で電流が2倍なので、変換できる電力は同じです(解説記事の「重ね巻と波巻」)。並列回路数そのものは、第2回の第1問で確かめられます。

第2問

巻線はそのままの直流機で、磁極1つあたりの磁束 φ を1.5倍にし、回転速度 N を2/3倍にした。誘導起電力は何倍になるか。

(1)2/3倍
(2)変わらない
(3)1.5倍
(4)2.25倍
(5)4/9倍

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正解:(2)変わらない
起電力は E=pZφN/(60a) です。巻線を変えなければ p・Z・a は同じなので、E は φ×N に比例します。1.5×(2/3)=1。磁束が増えた分を、速さが下がった分がちょうど打ち消します。
(1)速さの変化だけを見た値です。磁束を1.5倍にしたことが抜けています。(3)磁束の変化だけを見た値です。速さを下げたことが抜けています。(4)掛けるところを割っています。1.5÷(2/3)=2.25。起電力は、速さにも比例します。(5)磁束で割っています。(2/3)÷1.5=4/9。起電力は、磁束にも比例します。
この式に、電機子電流は入っていません。起電力を動かせるのは、磁束(界磁電流で変える)と回転速度の2つだけです。電動機の逆起電力も同じ式で決まり、端子電圧に近い値でつり合います。だから、端子電圧を変えずに磁束を弱めると、回転速度は上がります。速さの変え方は直流機の特性と計算で扱います。

第3問

整流子とブラシをもつ直流機では、固定子と回転子に、それぞれ何を置くか。正しい組を選べ。

(1)固定子=電機子、回転子=界磁
(2)固定子=界磁、回転子=電機子
(3)両方とも電機子
(4)両方とも界磁
(5)構造上の区別はない

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正解:(2)固定子=界磁、回転子=電機子
磁束をつくるのが界磁、その磁束を横切って起電力を生み、負荷の電流を流すのが電機子です。この機械では、界磁は動かない側(固定子)に、電機子は整流子と一緒に回る側(回転子)にあります。整流子は、電機子巻線と一緒に回りながら、止まっているブラシに触れる片を入れかえます。そのため、電機子を回る側に置きます。
(1)同期機でふつうの配置です。日本電気技術者協会の講座は、同期発電機について、一般には回転子の界磁巻線に直流を流し、固定子の電機子巻線に起電力を生む、と説明しています。(3)磁束をつくる側がなくなります。(4)起電力の生まれる巻線がなくなります。(5)役目は、はっきり分かれています。固定子には界磁と継鉄とブラシが、回転子には電機子鉄心・電機子巻線・整流子があります。
部品ごとの役目は、第1回の第1問と第2問の表、解説記事の「直流機のつくり」で確かめられます。

第4問

直流電動機の軸の出力 P[W]、軸のトルク T[N·m]、角速度 ω[rad/s]の関係を表す式はどれか。

(1)P=T÷ω
(2)P=ωT
(3)P=T²ω
(4)P=ω÷T
(5)P=T+ω

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正解:(2)P=ωT
回っているものの動力は、角速度とトルクの積です。単位を見ると、N·m×rad/s=J/s=W になります。回転速度 N[min−1]で書くなら、ω=2πN/60 を入れて P=2πNT/60 です。
(1)(4)割り算では、単位が W になりません。(1)だと、速く回すほど出力が小さくなってしまいます。(3)トルクを2乗にする理由がなく、単位も合いません。(5)単位の違う量どうしは、足せません。
電機子の中でも、同じ形の式が成り立ちます。起電力×電機子電流(E×Ia)が、角速度×トルクに変わります(第1回の第4問)。軸の出力は、そこから鉄損と機械損を引いたものです。この式は、直流機にかぎらず、回る機械ならどれにも使えます。数値を入れた計算は第2回の第5問です。

第5問

他励の直流発電機が、誘導起電力 E=100 V、電機子電流 Ia=20 A で運転している。電機子回路の抵抗が Ra=0.5 Ω のとき、端子電圧[V]はいくらか。

(1)80
(2)85
(3)90
(4)95
(5)110

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正解:(3)90
発電機の式は V=E−RaIa です。
・抵抗で落ちる電圧:0.5×20=10 V
・端子電圧:100−10=90 V
(5)足しています。110 V は、この機械を電動機にして20 A を流し込むときに、電源に要る電圧です。(1)(2)(4)は、起電力が同じで、電流だけが違うときの値です。
・(1)80:電流が40 A のとき
・(2)85:電流が30 A のとき
・(4)95:電流が10 A のとき
電流が増えるほど、端子電圧は下がります。電流が0(無負荷)なら、端子電圧は起電力と同じ100 V です(第1回の第3問)。
20 A のときの電力は、次のように分かれます。
・起電力×電流:100×20=2,000 W
・抵抗で熱になる:10×20=200 W
・端子へ出る:90×20=1,800 W
式の符号は、第2回の第2問で確かめられます。

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