架空送電線路|たるみの合成荷重・実長・逆フラッシオーバの計算【電験三種】
架空送電線路は「電線を空中に張る」だけの技術ではありません。同じ1本の電線が、電気を通し、自分の重さと風雪に耐え、空気だけで絶縁を保ち、落雷を受け流すという4つの役目を同時に果たしています。試験に出てくる数字は、どれもこの4つのどれかの条件から出てきます。 この記事では、たるみを自重だけでなく氷雪と風圧を合成した荷重から求め、実長のわずかな伸びがたるみをどれだけ動かすかを計算し、雷が鉄塔に落ちたときの電位上昇まで数字で追います。どの式も単位を付けたまま、途中の数字を残して進めます。条件はそのつど書き出して ...
変電所の保護装置|過電流リレーの整定・地絡電流・保護協調の計算【電験三種】
保護装置を「事故を検出して遮断するもの」と覚えただけでは、試験でも現場でも足りません。実際に問われるのは、どこまでの電流で動かすか、どのくらいの時間で動かすか、という数字の決め方です。この決め方を整定(せいてい)と呼びます。 この記事で数字にするのは3つです。過電流リレーの整定タップをどう選ぶか、対地静電容量から地絡の充電電流をどう出すか、遮断が終わるまでの時間をどう積み上げれば保護協調が成り立つか。式は途中を省かず、単位を付けたまま進めます。出てくる値はすべて、条件を書き出した学習用の想定です。 保護装 ...
変電所の設備|変圧器の効率・短絡電流・力率改善の計算【電験三種】
変電所は「電圧を変える場所」と覚えるだけでは、試験でも現場でも足りません。電圧を変える・回路を切る・電圧を保つの3つを、それぞれ別の機器が受け持っています。どの機器がどこまでできるのかを、数字で線引きできるかが分かれ目です。 この記事では、変圧器の効率が最大になる負荷率、%インピーダンスから求める短絡電流、力率改善に必要なコンデンサ容量の3つを、単位と計算過程つきで確認します。数値例は条件を明示した学習用の設定で、実在設備の仕様値ではありません。 変電所の仕事は4つに分かれる 発電所から需要家までの間には ...
火力発電の仕組みと熱効率|発電端・送電端・コンバインド計算【電験三種】
結論から言います。火力発電の熱計算は、「どこに入る熱」と「どこで取り出す電力」を比べるかで決まります。燃料の発熱量だけでは熱入力になりません。燃料を使う速さを掛け、出力と同じ単位にそろえます。 まず汽力発電の水・蒸気の流れを確認し、発電端と送電端、コンバインドサイクルの順に計算します。本文の数値例と確認問題は、条件を明示した当サイト独自の学習用設定です。 火力発電の3方式|タービンを回す流体が違う 火力発電では、燃料の化学エネルギーを熱に変え、タービンなどの回転を通して発電機から電気を取り出します。ただし ...
原子力発電と新エネルギー|質量欠損・風力出力の計算【電験三種】
結論から言います。このテーマは暗記だけでは足りません。「何がエネルギーの入口で、どこで電気になるか」を式でたどれるかが分かれ目です。原子力は質量の減りが熱になり、風力は風の運動エネルギーの一部だけが軸を回します。 原子炉のしくみ → 太陽光 → 風力 → 燃料電池の順に、単位をそろえた計算例で確認します。本文の数値例と確認問題は、条件を明示した当サイト独自の学習用設定です。実在設備の仕様値ではありません。 原子力発電の全体像|熱源が原子炉に変わる 原子力発電は、ウラン燃料の核分裂で出た熱で水を蒸気にし、蒸 ...
水力発電の仕組みと計算|有効落差と出力、比速度と回転速度、速度調定率、揚水の総合効率【電験三種】
電気計測と測定器までで理論科目のテーマはひととおり終わり、ここから電力科目に入ります。最初のテーマは水力発電です。高いところにある水が低いところへ流れ落ちるとき、水がもっていた位置エネルギーで水車を回し、水車につないだ発電機で電気に変えます。燃料も蒸気も出てこないので、エネルギーの流れは電力科目の発電方式の中でいちばん追いやすい形をしています。この記事では、出力の式に出てくる 9.8 がどこから来るのかという話から始めて、落差の数え方、流量の決まり方、水車の種類と回転速度、調速機、揚水発電の順に進みます。 ...
電気計測と測定器|指示計器の動作原理、分流器と倍率器、内部抵抗による誤差、階級、ブリッジ【電験三種・理論】
半導体と電子回路までで、回路の電圧や電流を計算で求める道具はひととおりそろいました。この記事は、その電圧や電流を実際に測る側の話です。測定には、計算のときにはなかった事情が3つあります。計器をつなぐと回路そのものが変わること。計器の種類によって、応答する量(平均値か実効値か)が違うこと。読んだ値には必ず幅があること。電験三種では、理論科目の「電気計測及び電子計測」にあたる範囲です。指針がどこで止まるかという話から始めて、測定範囲の広げ方、内部抵抗による誤差、階級、ブリッジ、電力と電力量の測り方へと進みます ...
半導体と電子回路|pn接合とダイオード、トランジスタの動作領域、FET、オペアンプの負帰還【電験三種・理論】
過渡現象までは、抵抗・コンデンサ・コイルのように、電圧と電流の関係が素子の値だけで決まる部品を扱ってきました。この記事の主役の半導体素子は、そうではありません。ダイオードは向きによって電流の流れやすさがまるで違い、トランジスタは別の端子の電流や電圧で、流れる電流の大きさが変わります。オームの法則や重ね合わせはそのままでは使えないので、「素子がどの状態にあるかを仮定し、簡単なモデルに置き換えて解き、仮定が成り立っているかを確かめる」という手順で扱います。電験三種では、理論科目の「電子理論」にあたる範囲です。 ...
過渡現象|RC・RL回路の時定数、初期値と最終値、切替の瞬間に連続する量【電験三種・理論】
三相交流回路までは、スイッチを入れてから十分に時間がたち、電圧と電流が同じ形をくり返すようになった状態(定常状態)だけを計算してきました。この記事では、その手前、スイッチを入れた・切った直後から落ち着くまでの変化を扱います。これを過渡現象と呼びます。電験三種の理論で扱うのは、主に抵抗とコンデンサ1つ、または抵抗とコイル1つの回路(一次回路)です。「1τで63%」「5τでほぼ100%」という数字だけを覚えていると、はじめからコンデンサに電圧が残っていたり、抵抗がいくつもあったりしたときに使い方を誤ります。こ ...
三相交流回路|Y・Δ結線の√3と30°、1相分の等価回路、三相電力、二電力計法【電験三種・理論】
交流電力と力率改善では、1組の電圧と電流から有効電力と無効電力を出しました。発電機から送電線、建物の動力設備まで、大きな電力を運ぶ回路の多くは、その1組を3つ組み合わせた三相交流です。三相の計算には √3 という係数が何度も出てきます。ただ、どこに √3 が付くかを表で覚えただけだと、相順が逆になったり、3つの負荷がそろっていなかったりしたときに手が止まります。この記事では、√3 と30°のずれを「2つのフェーザの差」から導き、そろった負荷を1相分に直して解く手順、三相電力の式が使える条件、電力計2台で三 ...









