誘導電動機の原理と構造|回転磁界・同期速度・すべり・かご形と巻線形【電験三種】
誘導電動機は、回転子に電流を誘導し、その電流と磁界の作用で軸を回すモーターです。計算の出発点は、「磁界の回る速さ」と「軸の回る速さ」を分けること。この差を割合にしたものが、すべりです。 ビルの送風機やポンプを回す三相誘導電動機をイメージしながら、構造、回転磁界、同期速度、すべり、二次周波数の順に学びます。数値例は学習用の架空設定です。最後に確認問題4問を用意しました。 前テーマの変圧器の等価回路と計算を読んだ方は、固定子を一次側、回転子を二次側と対応させるとつながります。演習から始めたい方は誘導電動機の原 ...
変圧器の等価回路と計算|一次換算・%Z・電圧変動率・効率【電験三種・機械】
変圧器の計算は、「電流が増えたときに変わるもの」と「電源につないでいるだけで生じるもの」を分けると解きやすくなります。前者は巻線での電圧降下と負荷損、後者は鉄心を磁化する電流と無負荷損です。等価回路は、この違いを電気回路に描き直したものです。 この記事では、換算する側をそろえ、2つの試験から回路の値を求め、その値で電圧と効率を計算します。途中の数値は学習用に作った架空の条件です。最後に、自分で解ける確認問題を4問置きました。 巻数比と電圧・電流の関係を先に確認したい場合は、変圧器の構造と原理へ。この記事を ...
変圧器の構造と原理|巻数比と起電力の式・三相結線と30°のずれ・V結線・並行運転【電験三種・機械】
直流機の特性と計算までは、回る機械の話でした。変圧器には、回る部分がありません。1つの鉄心に2つの巻線を巻き、電磁誘導を使って、交流の電圧と電流の大きさを変えます。電圧は巻数の比で決まり、電流はその逆の比になる。ここが出発点です。この記事では、変圧器のつくり、起電力の式と巻数比、極性、三相の結線、V結線、並行運転、単巻変圧器までを順に見ます。巻線の抵抗や漏れ磁束を入れた等価回路と、電圧変動率・損失・効率の計算は、次の変圧器の等価回路と計算に回しました。電気技術者試験センターが公表した機械科目の問題のうち、 ...
直流機の特性と計算|他励・分巻・直巻・複巻の違い、速度制御、損失と効率【電験三種・機械】
直流機の構造と原理では、界磁を別の電源につないだ他励に話をしぼって、起電力とトルクの式を組み立てました。ここでは、界磁巻線のつなぎ方を変えると何が変わるのかを見ていきます。つなぎ方は、他励・分巻・直巻・複巻の4つです。発電機なら負荷をかけたときの端子電圧の下がり方が、電動機なら負荷をかけたときの速さとトルクの出方が、つなぎ方ごとに違ってきます。後半では、速さの変え方と、損失と効率の計算を扱います。機械科目の公開問題(電気技術者試験センター)を、2022年8月の令和4年度上期から2026年8月の令和8年度上 ...
直流機の構造と原理|整流子とブラシ・起電力とトルクの式・電機子反作用と補極【電験三種・機械】
電気材料の種類と特性で電力科目が終わり、ここから機械科目です。最初に取り上げるのは直流機。鉄心と巻線に、整流子とブラシという独特の部品が加わった回転機で、軸を外から回せば発電機になり、電気を入れれば電動機になります。この記事では、部品の役目、起電力とトルクの式がどこから出てくるのか、発電機と電動機で式の符号が変わるわけ、電機子反作用とその対策までを、順に確かめます。電気技術者試験センターが公開している機械科目の問題を、令和4年度上期から令和8年度上期までの9回分読んだところ、9回とも問1は直流機の問いで、 ...
電気材料の種類と特性|導電率とIACS・絶縁材料と耐熱クラス・けい素鋼板と鉄損・永久磁石【電験三種】
電力系統の保護と安定までで、電気をつくり、送り、配り、事故から守るところまでを見ました。電力科目の最後は、その設備を形づくっている材料です。電線はなぜ銅やアルミなのか。変圧器の油やケーブルのポリエチレンは、何を受け持っているのか。鉄心はなぜ薄い鋼板を重ねるのか。材料の名前と使いみちを1対1で覚えるのではなく、「その役目なら、どの性質の数字を見るのか」から順に確かめます。電気技術者試験センターの試験概要でも、電力科目の内容の最後に「電気材料」が挙がっています。 この記事で押さえること 材料は役目で4つに分か ...
電力系統の保護と安定|中性点接地方式・地絡の見つけ方・%Zの合成・過渡安定度と再閉路【電験三種】
配電方式と配電計算では、ふだんの運転で線路に流れる電流と、電圧の下がり方を計算しました。この記事は、その線路で事故が起きたときの話です。電線どうしが触れる短絡や、電線が大地とつながる地絡が起きると、どれだけの電流が流れ、どの電圧が上がるのか。それをどうやって見つけ、どこで切るのか。切ったあと、発電機は同期を保てるのか。この3つを、中性点の接地のしかた、%インピーダンス、相差角の揺れという3つの道具で順に追います。受電設備のリレーの整定と時間の協調は変電所の保護装置で計算しているので、ここでは系統の側から見 ...
配電方式と配電計算|単相2線式・単相3線式・三相3線式の電圧降下と損失、電線量の比、力率改善【電験三種】
送電の電気的計算では、三相3線式の送電線を1相分の回路に直して、電圧の下がり方と損失を計算しました。この記事は、その先にある配電線路です。変電所から工場やビルや家庭までの区間では、三相3線式のほかに、単相2線式、単相3線式、三相4線式が使われます。方式が変わると、電流が通る電線の数が変わり、式の前につく係数が変わります。負荷が線路の途中にいくつもつながっていること、負荷のすぐそばにコンデンサを置けることも、送電線との違いです。 この記事で押さえること 電圧降下は、どの方式でも I(R cos θ+X si ...
地中送電線路|許容電流・充電電流・雷サージ透過・故障点測定の計算【電験三種】
地中送電線路は「架空送電線をそのまま地面に埋めたもの」ではありません。埋めた瞬間に、たるみも風圧も着氷雪も直撃雷も消えます。そのかわり、架空では気にしなくてよかった2つのものが前に出てきます。捨てられない熱と、大きすぎる静電容量です。試験に出てくる数字は、ほとんどがこの2つから出てきます。 この記事では、ケーブルの許容電流を「1 mあたり何ワットの熱を捨てられるか」から計算し、CVケーブルの静電容量を寸法から導いて充電電流と充電容量まで求め、架空送電線からケーブルへ雷サージが入るときの透過係数を出し、最後 ...
送電の電気的計算|電圧降下の近似式、送電損失と送電電圧、フェランチ効果、送電電力と安定度【電験三種】
地中送電線路までで、送電線が何でできているか(電線、がいし、鉄塔、ケーブル)を見てきました。この記事は、その線路に電流を流したときの話です。受電端の電圧は、送電端よりどれだけ下がるのか。途中でどれだけの電力が熱になるのか。1つの線路で、どこまでの電力を送れるのか。3つとも、線路を「抵抗とリアクタンスの直列回路」に置きかえて、1相分で計算します。事故のときに流れる電流は変電所の保護装置で扱ったので、ここで計算するのは、事故のない平常時の電圧と損失です。 この記事で押さえること 送電線は、1相分を取り出すと、 ...









