電力系統の保護と安定までで、電気をつくり、送り、配り、事故から守るところまでを見ました。電力科目の最後は、その設備を形づくっている材料です。電線はなぜ銅やアルミなのか。変圧器の油やケーブルのポリエチレンは、何を受け持っているのか。鉄心はなぜ薄い鋼板を重ねるのか。材料の名前と使いみちを1対1で覚えるのではなく、「その役目なら、どの性質の数字を見るのか」から順に確かめます。電気技術者試験センターの試験概要でも、電力科目の内容の最後に「電気材料」が挙がっています。
この記事で押さえること
- 材料は役目で4つに分かれる。電流を通す導電材料、通さない絶縁材料、磁束を通す磁性材料、電流の通し方を変えられる半導体材料。
- 導電率は、20 ℃ の標準軟銅を100%とした百分率で表す。硬銅線は96〜97%以上、硬アルミ線は61%以上。金属でいちばん高いのは銀で、銅はその次。
- 銅線には、硬くて強い硬銅線と、やわらかくて導電率が少し高い軟銅線がある。張る電線には硬銅線、曲げる電線には軟銅線を使う。
- 絶縁材料は気体・液体・固体のどれも、絶縁破壊の強さと、耐えられる温度で選ぶ。絶縁抵抗が高いことと、高い電圧に耐えることは別の性質。
- 絶縁物は、熱・機械・環境・電気の4つの要因で傷む。固体の中の気泡には強い電界がかかり、そこだけ先に放電する(部分放電)。
- 耐熱クラスは、推奨される最高連続使用温度の数値。指定文字は低い順に Y・A・E・B・F・H・N・R で、アルファベット順ではない。
- 鉄心には、保磁力が小さい軟磁性材料を使う。けい素で抵抗率を上げ、薄い板を重ねて渦電流損を抑える。永久磁石には、保磁力の大きい硬磁性材料を使う。
記号と前提。ρ は抵抗率、S は断面積、E は電界の強さ(この記事では相電圧ではありません)、f は周波数、H は磁界の強さ、B は磁束密度です。抵抗率の単位は、電線の計算では Ω·mm2/m を使います。断面積を mm2、長さを m のまま入れられるからです。半導体の「n形・p形」は「n型・p型」とも書き、同じものです。規格の数値は、どれも本文に書いた版のものです。計算例と確認問題に置いた寸法・電圧・質量は、手順を見せるためにこちらで決めた値です。実在の設備のものではありません。
材料を役目で4つに分ける
電気設備に使う材料は、何を受け持つかで4つに分かれます。受け持つ役目が違えば、良し悪しを測る数字も違います。
| 材料 | 役目と、見る数字 |
|---|---|
| 導電材料 | 電流を通す。 抵抗率と導電率、 引張強さ、密度、 温度による抵抗の変化。 電線、巻線、母線に。 |
| 絶縁材料 | 電流を通さない。 絶縁破壊の強さ、 体積抵抗率、誘電正接、 耐えられる温度。 気体・液体・固体がある。 |
| 磁性材料 | 磁束を通す。 透磁率、飽和磁束密度、 保磁力、鉄損。 鉄心と永久磁石では、 求める性質が逆になる。 |
| 半導体 材料 |
電流の通し方を変えられる。 不純物の種類と量、 温度による変化。 ダイオードや トランジスタの材料。 |
1つの数字だけで材料は決まりません。アルミは導電率だけなら銅に負けますが、軽さまで入れると架空送電線では有利になります。けい素鋼板は、けい素を増やすほど鉄損が減りますが、増やしすぎると加工できなくなります。この記事では、どの材料でも「良くなる数字」と「引きかえに悪くなる数字」を並べて見ていきます。
導電材料|銅とアルミ
導電率は標準軟銅が基準
導体の抵抗は、抵抗率に長さを掛けて断面積で割ったものです(式の前提は直流回路の基礎)。材料の通しやすさは抵抗率で決まりますが、電線の分野では「標準軟銅の何%か」で表すのがふつうです。JIS C 3001(電気用銅材の電気抵抗)は、標準軟銅を、20 ℃ で体積抵抗率が 1/58 Ω·mm2/m、密度が8.89 g/cm3 のものと定め、導電率はこの標準軟銅を100とした百分率で表す、としています。日本銅センターの解説も、国際標準軟銅の体積抵抗率を100%とするこの表し方(IACS)を紹介しています。
導電率から抵抗率を出す(20 ℃)
抵抗率=0.017241÷(導電率/100)
抵抗=抵抗率×長さ/断面積
0.017241 は1/58。単位は Ω·mm2/m
長さは m、断面積は mm2 で入れる
1 Ω·mm2/m は10−6 Ω·m
100%は「基準にした銅の値」で、上限ではありません。JIS C 3102(電気用軟銅線)は、径0.50 mm 以上の軟銅線の導電率を100.0%以上と定めています。金属でいちばん導電率が高いのは銀で、日本銅センターも、銅は銀に次いで導電率が高い金属だと説明しています。銀は高価なので、大量に使う電線の材料にはなりません。
硬銅線・軟銅線・硬アルミ線
同じ銅でも、線の仕上げ方で性質が変わります。引き伸ばしたままの硬い線が硬銅線、それを焼きなましてやわらかくした線が軟銅線です。JIS の表から、径4.0 mm の線の値を並べます(硬銅線は JIS C 3101、軟銅線は JIS C 3102、硬アルミ線は JIS C 3108)。
| 項目 | 硬銅線 | 軟銅線 | 硬アルミ線 |
|---|---|---|---|
| 導電率 | 97.0% 以上 |
100.0% 以上 |
61% 以上 |
| 引張強さ | 419 MPa 以上 |
規定なし | 159 MPa 以上 |
| 伸び | 1.20% 以上 |
30.0% 以上 |
1.9% 以上 |
| 抵抗 1 km |
1.414 Ω | 1.372 Ω | 2.25 Ω |
| 質量 1 km |
111.7 kg | 111.7 kg | 33.94 kg |
抵抗と質量は、規格の表に参考として載っている20 ℃ の値です。硬アルミ線の引張強さは、試験片ごとの最小値を書きました。
- 硬銅線は、軟銅線より導電率が3%ほど低いかわりに、引張強さが規定されています。張力のかかる架空電線に使います。
- 軟銅線は、伸びが30%以上あり、曲げても折れにくい線です。屋内配線、ケーブルの導体、機器の巻線に使います。
- 硬アルミ線は、導電率が銅の6割ほどで、引張強さも小さい線です。そのかわり密度が2.70 g/cm3 と、銅の約0.30倍しかありません。
アルミの「通しにくい」は太くすることで、「弱い」は中心に鋼線を入れることで補います。これが鋼心アルミより線(ACSR)です。同じ抵抗にそろえたときの太さと重さの比、ACSR の構造は、架空送電線路で計算しています。ここでは、同じ太さのまま比べてみます。
計算例1|同じ太さの銅とアルミ
設定。径4.0 mm、長さ1 km の硬銅線(導電率97%)と硬アルミ線(導電率61%)がある。20 ℃ での抵抗と質量を求め、上の表の値と比べる。次に、電線の温度が80 ℃ になったときの抵抗を求める。密度は銅が8.89 g/cm3、アルミが2.70 g/cm3。温度が1 ℃ 上がるごとの抵抗率の増え方は、銅が0.000068、アルミが0.000113(単位は Ω·mm2/m)とする。
① 断面積:π/4×4.02≒12.57 mm2
② 20 ℃ の抵抗率:
硬銅 0.017241÷0.97≒0.01777
硬アルミ 0.017241÷0.61≒0.02826
③ 20 ℃ の抵抗:
硬銅 0.01777×1,000/12.57≒1.414 Ω
硬アルミ 0.02826×1,000/12.57≒2.248 Ω
④ 質量:断面積1 mm2 の線1 km の体積は1,000 cm3 なので、
この線は12,570 cm3。
硬銅 8.89×12,570 g≒111.7 kg
硬アルミ 2.70×12,570 g≒33.9 kg
⑤ 80 ℃ の抵抗率(60 ℃ 上がる):
硬銅 0.01777+0.000068×60=0.02185
硬アルミ 0.02826+0.000113×60=0.03504
⑥ 80 ℃ の抵抗:
硬銅 0.02185×1,000/12.57≒1.738 Ω
硬アルミ 0.03504×1,000/12.57≒2.788 Ω
読み取り。③と④は、規格の表の値(1.414 Ω と2.25 Ω、111.7 kg と33.94 kg)と合います。同じ太さなら、アルミの抵抗は銅の約1.59倍、質量は約0.30倍です。規格の引張荷重は、硬銅線が5,267 N 以上、硬アルミ線が最小1,999 N で、約0.38倍しかありません。「軽いが、通しにくく、弱い」ので、アルミは太くして鋼心を入れる、という使い方になります。
温度が60 ℃ 上がると、抵抗は硬銅線で約1.23倍、硬アルミ線で約1.24倍になります。1 ℃ あたりにすると、銅が約0.38%、アルミが約0.40%です。⑤の増え方は、JIS C 3002 が20 ℃ 付近の測定値を換算するために定めている定数で、80 ℃ まで同じ割合で増えるとみなした概算です。抵抗の値には、いつも「何 ℃ での値か」がついて回ります。標準軟銅の温度係数は、JIS C 3001 では20 ℃ で0.00393です。基準の温度を変えたときの式は直流回路の基礎で扱っています。
抵抗材料は合金でつくる
抵抗器や発熱体では、導電材料とは逆に、抵抗率の大きい材料を使います。使われるのは合金で、JIS が用途ごとに規格を分けています。
| 材料 | 性質と使いみち |
|---|---|
| ニッケル クロム ニクロム |
発熱体に使う。 高温でも酸化しにくい。 JIS の1種は、発熱体の 表面で約1,100 ℃ まで。 |
| 銅マンガン マンガニン |
抵抗の温度係数と、 銅に対する熱起電力が、 どちらも小さい。 値を変えたくない 測定用の抵抗器に向く。 |
| 銅ニッケル コンスタンタン |
抵抗の温度係数が小さい。 銅に対する熱起電力は 大きく、熱電対にも 使える。 |
マンガニンとコンスタンタンは、どちらも温度で抵抗が変わりにくい合金です。違いは、銅とつないだところに出る熱起電力の大きさです。測定用の抵抗器では、銅の配線とのつなぎ目に温度差があると、熱起電力がそのまま誤差になります。だから熱起電力の小さいマンガニンが向きます。熱電対は逆に、その熱起電力を温度の測定に使います。抵抗器を使った測定は電気計測と測定器、発熱体の計算は照明と電熱で扱います。
絶縁材料は3つの状態
絶縁材料に求めることは4つあります。高い電圧をかけても破れないこと(絶縁破壊の強さ。絶縁耐力ともいう)、もれる電流が小さいこと(体積抵抗率)、交流をかけたときの損失が小さいこと(誘電正接)、そして熱に耐えることです。
このうち絶縁抵抗と絶縁耐力は、別々の性質です。日本電気技術者協会の解説講座は、塩化ビニルをポリエチレンと比べると、誘電正接は約20倍、体積抵抗率は1万分の1程度なのに、絶縁耐力は2分の1くらいだ、という例を挙げています。絶縁抵抗が高いからといって、高い電圧に耐えるとはかぎりません。高圧や特別高圧の機器では、耐電圧試験で確かめます(絶縁抵抗と絶縁耐力の決まりは電気設備技術基準・総則と電路の絶縁)。
| 状態 | 材料と、使われるところ |
|---|---|
| 気体 | 空気:架空送電線、 気中の開閉設備。 SF6:ガス絶縁開閉装置、 ガス遮断器。 |
| 液体 | 絶縁油:油入変圧器、 油入コンデンサ、 油入ケーブル、油入遮断器。 絶縁と冷却を兼ねる。 |
| 固体 | 架橋ポリエチレン: CV ケーブル。 エポキシ樹脂: モールド変圧器、 高圧電動機のコイル。 マイカ:高圧の回転機。 絶縁紙:油入変圧器の巻線。 磁器:がいし。 |
SF6ガス|絶縁耐力は空気の約3倍
SF6(六ふっ化硫黄)は、無色・無臭・無毒で燃えない、化学的に安定した気体です。パワーアカデミーの用語集(出典は電気事業事典)によると、絶縁耐力は平等電界で空気の約3倍あり、0.2〜0.3 MPa に圧縮すれば絶縁油に並びます。アークを消す能力は空気の約100倍です。そこで 0.1〜0.6 MPa に圧縮して、ガス絶縁開閉装置(GIS)やガス遮断器に使います。空気で絶縁するより導体どうしを近づけられるので、設備が小さくなります(変電所の設備)。
弱点は2つあります。1つは、絶縁破壊電圧が電界のいちばん強い場所で決まることです。同じ用語集は、電界が一様でないと絶縁破壊電圧が著しく下がる、としています。もう1つは温室効果です。電気学会の用語解説は、大気に漏れたときの温暖化作用を二酸化炭素の23,500倍とし、乾燥空気、窒素、二酸化炭素などを使う代替の技術が研究されている、と紹介しています。
絶縁油|絶縁と冷却を兼ねる
絶縁油の役目は、機器の絶縁と冷却の2つです。日本電気技術者協会の講座「絶縁油の管理」は、ふつうの変圧器には原油を精製した鉱油系の絶縁油が使われ、絶縁破壊電圧が高いことと、冷却の効果が高いことが求められる、と説明しています。JIS C 2320(電気絶縁油)でも、油入変圧器と油入遮断器に使う鉱油は、1種2号などとして品質が決められています。
油は使ううちに傷みます。変圧器は温度が変わるたびに外気を出し入れするので、気密が悪いと空気中の酸素と水分が油に入ります。そこへ運転中の温度上昇が加わると酸化が進み、酸性の成分が増え、やがて泥のようなスラッジができます。同じ講座は、油の中の水分が 30〜40 ppm を超えると、絶縁破壊電圧が急に下がることを示しています。このため、吸湿呼吸器(シリカゲル)を付けたり、窒素を封入したり、隔膜で外気と分けたりします。
| 調べること | 内容 |
|---|---|
| 絶縁破壊 電圧 |
球の電極のすきまを 2.5 mm にして電圧を上げ、 破れる電圧を測る。 |
| 全酸価 | 油1 g の酸性の成分を 中和するのに要る 水酸化カリウムの mg 数。 酸化が進むと増える。 |
| 水分 | 増えると、 絶縁破壊電圧が下がる。 |
| 油中ガス 分析 |
油に溶けたガスの種類で、 内部の過熱や放電を知る。 アセチレンは、微量でも 異常と判定する。 |
絶縁油には、法令の決まりもあります。電気設備の技術基準を定める省令の第19条第14項は、「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具及び電線は、電路に施設してはならない。」と定めています。同じ条の第10項は、中性点直接接地式電路に接続する変圧器を設置する箇所に、絶縁油が構外へ流れ出たり地下へしみ込んだりしないための措置を求めています。最近は、植物からつくるものを含むエステル系の絶縁油も使われ始めました。電気学会の用語解説は、鉱油より生分解性が高いこと、合成エステルと天然エステルは引火点が250 ℃ 以上であることを、特徴に挙げています。
固体|紙・樹脂・マイカ
- 絶縁紙。油入変圧器の巻線を包む紙です。日本電気技術者協会の、変圧器の劣化を扱った講座の説明では、油は交換できますが、巻線の絶縁紙は交換できないので、変圧器の寿命は紙で決まります。長く使って傷んだ紙は、絶縁破壊電圧はそれほど落ちないのに(10〜20%の低下)、引張強さが大きく落ちます。短絡の電磁力で紙が破れると、そこから絶縁破壊につながります。
- 架橋ポリエチレン。CV ケーブルの絶縁体です。同協会の別の講座は、耐熱温度60 ℃ の塩化ビニル絶縁電線に比べて、架橋ポリエチレン絶縁電線は90 ℃ で、電線を細くできる、としています。弱点の水トリーは地中送電線路で扱っています。
- マイカとエポキシ樹脂。高圧電動機のコイルは、部分放電に強いマイカのテープで包み、エポキシ樹脂をしみ込ませて固めます。同協会の講座は、絶縁層の中のすき間をできるだけ減らすために、真空にしてから圧力をかけて樹脂をしみ込ませる方法(真空加圧含浸)がとられる、と説明しています。
絶縁物はなぜ傷むのか
日本電気技術者協会の解説講座は、高圧電動機の巻線を例に、絶縁を傷める要因を4つに分けています。この4つは重なって働き、劣化を早めます。
| 要因 | 起きること |
|---|---|
| 熱 | 酸化や分解で、 材料そのものが変質する。 絶縁層にすき間(ボイド) やひび割れができる。 |
| 機械 | 始動・停止や負荷の変動で、 加熱と冷却をくり返す (ヒートサイクル)。 振動でもすり減る。 |
| 環境 | 水(湿気)、まわりのガス、 ほこりの影響を受ける。 |
| 電気 | すき間や表面の部分放電が、 絶縁を少しずつ侵食する。 トリーイング、 トラッキングも起きる。 |
トラッキングは、表面の汚れや湿りで電界が部分的に強くなり、表面にそった絶縁が落ちていく現象です。部分放電は、絶縁層の中のすき間で起きる小さな放電です。なぜすき間だけで放電が起きるのかは、層が重なったときの電界の分かれ方を計算するとわかります。
計算例2|気泡にかかる電界
設定。厚さ5.0 mm の固体の絶縁物(比誘電率4.0)を2枚の電極ではさみ、20 kV を加える。絶縁物の中に、電極と平行な厚さ0.20 mm の薄い気泡の層(比誘電率1.0)があるとき、固体の部分と気泡の部分の電界の強さを求める。端の影響は考えない。固体の電界を Es、気泡の電界を Eg と書く。
① 気泡がないとき:20/5.0=4.0 kV/mm
② 層が重なると、電束密度はどの層でも同じ。電界は比誘電率に反比例するので、
Eg=4.0×Es
③ 固体は4.8 mm、気泡は0.20 mm。電圧の和は20 kV:
Es×4.8+Eg×0.20=20
Es×(4.8+4.0×0.20)=20
④ 固体:Es=20/5.6≒3.57 kV/mm
⑤ 気泡:Eg=4.0×20/5.6≒14.29 kV/mm
⑥ 受け持つ電圧:
気泡 14.29×0.20≒2.86 kV
固体 3.57×4.8≒17.14 kV
読み取り。気泡は、厚さでは全体の4%なのに、電圧の約14%を受け持ちます。電界は、気泡がないときの約3.6倍です。固体のほうは4.0から3.57 kV/mm へ、かえって楽になっています。気体は固体より低い電界で放電を始めるので、固体が十分に耐えられる電圧でも、気泡の中だけで先に放電が起きます。これが部分放電です。くり返されると、まわりの固体が少しずつ侵食されます。
4.0倍という比は、電界に垂直な薄い層という、いちばん大きくなる形での値です。丸い気泡ではこれより小さくなります(球なら、同じ比誘電率で約1.3倍)。それでも固体より強い電界がかかることは変わりません。だから絶縁物をつくるときは、気泡を残さないことに力を注ぎます。電動機のコイルの真空加圧含浸も、OF ケーブルの絶縁油に圧力をかけておくのも、このためです。層が重なったときの静電容量の計算はコンデンサの基礎と計算にあります。
耐熱クラスの読み方
絶縁物を傷める要因の基本は熱です。そこで、絶縁がどの温度まで続けて使えるかを、耐熱クラスという数字で表します。JIS C 4003(2010年版)は、耐熱クラスを「推奨される最高連続使用温度(℃)の数値に等しい呼び方」と定義し、次の表を示しています。
| 指定文字 | 耐熱クラス[℃] |
|---|---|
| Y | 90 |
| A | 105 |
| E | 120 |
| B | 130 |
| F | 155 |
| H | 180 |
| N | 200 |
| R | 220 |
| (なし) | 250 |
- 文字はアルファベット順ではありません。A(105)の次が E(120)で、そのあとに B(130)が来ます。数字と組にして、低い順に Y・A・E・B・F・H・N・R と並べます。
- H(180)の上は、200が N、220が R です。その上の250には指定文字がなく、250を超えるクラスは25ずつの区切りで数字が増えます。H より上を1つの文字でまとめた表を見かけることがありますが、この版の表では数字で呼び分けます。
- 材料の名前だけではクラスは決まりません。同じ規格は、機器の絶縁(いくつもの材料を組み合わせた絶縁システム)の耐熱クラスから、そこに使われている材料1つ1つの耐熱性を推定してはならない、としています。材料の組み合わせで、上がることも下がることもあるからです。
- クラスを超える温度で使うと、期待できる寿命が短くなります。変圧器の銘板を扱った日本電気技術者協会の講座は、油入変圧器の耐熱クラスは A、モールド変圧器は B・F・H が使われること、変圧器の寿命は最高点の温度にいちばん大きく左右されることを説明しています。
磁性材料は2種類ある
鉄のような強磁性体に加える磁界の強さ H を、増やしてから減らすと、磁束密度 B は同じ道を戻らず、輪を描きます(磁気の基礎と電磁力)。この輪から、材料の性格を表す2つの数字を読み取ります。H を0に戻しても残る磁束密度が残留磁束密度、残った磁気を0にするのに要る逆向きの磁界の強さが保磁力です。保磁力が小さいか大きいかで、磁性材料は2つに分かれます。
| 分類 | 性質と、おもな材料 |
|---|---|
| 軟磁性 材料 鉄心用 |
保磁力が小さく、輪が細い。 透磁率が大きい。 小さな電流で磁化でき、 向きを変えても損が少ない。 電磁鋼板、アモルファス、 ソフトフェライト。 |
| 硬磁性 材料 磁石用 |
保磁力が大きく、輪が太い。 残留磁束密度も大きい。 いちど磁化すると、 逆向きの磁界を受けても 磁気を失いにくい。 アルニコ、フェライト磁石、 ネオジム磁石。 |
電気学会の用語解説は、輪を1周するごとに、輪の面積に等しい損失が出ること、保磁力の小さい材料ほど輪の面積が小さく、ヒステリシス損が小さく、透磁率が大きくなることを説明しています。1秒間に50回も60回も磁化の向きが変わる鉄心に、輪の細い材料を使うのはこのためです。永久磁石はその逆で、輪の太さ(磁気の失いにくさ)そのものを使います。
鉄心材料と鉄損
けい素・積層・方向性
鉄心で出る損失(鉄損)は、ヒステリシス損と渦電流損の2つからなります。電気学会の用語解説によると、ヒステリシス損は周波数に比例し、渦電流損は、材料の導電率に比例し、板の厚さ・最大磁束密度・周波数のそれぞれの2乗に比例します(式の形は電磁誘導とインダクタンス)。材料の側でできることは、次の4つです。
| 打ち手 | ねらいと、注意点 |
|---|---|
| けい素を 加える |
抵抗率が上がり、 渦電流損が減る。 約3%が、鉄損・飽和磁化・ 加工性のつり合う量。 増やすと硬くもろくなる。 |
| 薄い板を 重ねる |
渦電流損は板の厚さの 2乗に比例する。 板の両面に絶縁皮膜を つけ、板どうしを絶縁する。 |
| 結晶の向き をそろえる |
方向性電磁鋼板。 圧延した向きに 磁化しやすい。 磁束の向きが決まっている 変圧器の鉄心に向く。 |
| 結晶を つくらない |
アモルファス。 鉄損はけい素鋼板の 約3分の1〜4分の1。 飽和磁束密度が低く、 薄くてもろい。 |
けい素を加えた鋼板をけい素鋼板といい、JIS では電磁鋼帯と呼びます。日本機械学会の事典は、けい素鋼を、けい素を0.5〜6%(質量)含む低炭素の鋼で、電気抵抗と透磁率が大きいもの、と説明しています。電気抵抗が大きければ渦電流損が小さくなり、透磁率が大きい(保磁力が小さい)材料ならヒステリシス損も小さくてすみます。JFE スチールの技報によると、鉄にけい素を加えると固有抵抗が増えて鉄損が下がりますが、高けい素の鋼板は硬くてもろく、冷間圧延でつくるのが難しいので、市販の電磁鋼板のけい素は約3%が上限と考えられてきました。同じ技報は、けい素3%の電磁鋼板を、鉄損・飽和磁化・加工性のバランスに優れた材料としています。
方向性でない鋼板(無方向性電磁鋼板)は、磁束の向きが回りながら変わる回転機の鉄心に使います。どの向きにも同じように磁化できるからです。
規格の記号から鉄損を読む
電磁鋼板の種類の記号には、厚さと鉄損の上限が入っています。「W」の添え字は、分子が最大磁束密度、分母が周波数です。W15/50 は 1.5 T・50 Hz、W17/50 は 1.7 T・50 Hz での、1 kg あたりの鉄損を表します。
| 記号 | 読み方 |
|---|---|
| 35A250 | 厚さ0.35 mm の無方向性。 1.5 T・50 Hz の鉄損が 2.50 W/kg 以下。 |
| 35G155 | 厚さ0.35 mm の方向性 (普通材)。 1.7 T・50 Hz で 1.55 W/kg 以下。 1.5 T なら1.07 W/kg 以下。 |
| 23P090 | 厚さ0.23 mm の方向性 (高磁束密度材)。 1.7 T・50 Hz で 0.90 W/kg 以下。 |
値は JIS C 2552(無方向性電磁鋼帯、2014年版)と JIS C 2553(方向性電磁鋼帯、2019年版)の表のものです。同じ厚さ0.35 mm、同じ 1.5 T・50 Hz で比べると、無方向性の35A250は2.50 W/kg 以下、方向性の35G155は1.07 W/kg 以下で、半分以下です。ただし方向性の鋼板は、圧延した向きに磁束を通して使うことが前提の材料です。
計算例3|鉄損を2つに分ける
設定。JIS C 2552 の表で、無方向性の50A470(厚さ0.50 mm)は、最大磁束密度1.5 T での鉄損の上限が、50 Hz で4.70 W/kg、60 Hz で5.90 W/kg である。ヒステリシス損は周波数に比例し、渦電流損は周波数の2乗に比例するものとして、この2つの値から内訳の目安を出す。鉄損を W、周波数を f、係数を a と b と書く。
① W=af+bf2 の両辺を f で割る:
W/f=a+bf
② 50 Hz:4.70/50=0.0940
60 Hz:5.90/60≒0.09833
③ 2つの差は b×10 にあたる:
b=(0.09833−0.0940)/10=0.000433
④ a=0.0940−0.000433×50=0.07235
⑤ 50 Hz の内訳:
ヒステリシス損 0.07235×50≒3.62 W/kg
渦電流損 0.000433×502≒1.08 W/kg
⑥ 60 Hz の内訳:
ヒステリシス損 0.07235×60≒4.34 W/kg
渦電流損 0.000433×602≒1.56 W/kg
読み取り。この材料の50 Hz では、約77%がヒステリシス損です。周波数を1.2倍にしたときの鉄損は約1.26倍で、1.2倍(全部がヒステリシス損のとき)と1.44倍(全部が渦電流損のとき)のあいだにあります。板の厚さを0.50 mm から0.35 mm にすると、渦電流損は (0.35/0.50)2=0.49 倍の約0.53 W/kg になります。ただし減るのは渦電流損の分だけなので、全体は4.70から約4.15 W/kg へ、約12%しか下がりません。
同じ計算を方向性の23P090(1.7 T で0.90と1.19 W/kg)ですると、約0.44と約0.46 W/kg で、ほぼ半分ずつです。方向性の鋼板はヒステリシス損が小さいので、渦電流損の割合が大きく出ます。なお、ここで分けたのは規格の上限値で、実際に測った損失ではありません。2つの式に当てはめた目安として読んでください。
計算例4|材料で変わる鉄損
設定。質量200 kg の鉄心を、最大磁束密度1.7 T、周波数50 Hz で使う。材料を方向性の35G155にした場合と、23P090にした場合について、規格の上限値から、鉄損の目安と1年間の損失電力量を求める。変圧器には1年中、電圧がかかっているものとする。
① 35G155:1.55×200=310 W
② 23P090:0.90×200=180 W
③ 1年の時間:24×365=8,760 h
④ 35G155:0.310 kW×8,760 h≒2,716 kW·h
⑤ 23P090:0.180 kW×8,760 h≒1,577 kW·h
⑥ 差:130 W、1年で 0.130 kW×8,760 h≒1,139 kW·h
読み取り。鉄損は、負荷がつながっていなくても、電圧がかかっているあいだ出続けます(負荷で変わる銅損との違いは変電所の設備)。130 W の差でも、1年では1,100 kW·h を超えます。
もう1つ読み取れるのは、磁束密度の効き方です。35G155の上限は、1.5 T で1.07 W/kg、1.7 T で1.55 W/kg です。磁束密度を約13%上げただけで、鉄損は約1.45倍になります。2乗(約1.28倍)より大きい増え方です。鉄心を小さくしようとして磁束密度を上げると、鉄損は急に増えます。なお、ここで出したのは材料の値に質量を掛けた目安です。実際の機器の無負荷損は、試験で測った値を使います。
アモルファスとフェライト
アモルファスは、溶かした金属を急に冷やしてつくる、結晶のないテープ状の材料です。パワーアカデミーの用語集(出典は電気事業事典)によると、アモルファスを鉄心に使った変圧器は、けい素鋼板のものに比べて鉄損(無負荷損)を 約3分の1〜4分の1 に減らせます。ヒステリシス損が少なく、素材が非常に薄くて固有抵抗が大きいので、渦電流損も少ないからです。引きかえに、飽和磁束密度が低く、素材が薄くてもろいので、変圧器の外形と重量は大きくなる傾向があります。
ソフトフェライトは、鉄の酸化物を主成分とする焼き物の磁性材料です。JFE スチールの技報は、金属の軟磁性材料に比べて比抵抗が格段に高く、数 kHz から 数百 MHz で優れた特性を示すので、高周波の電源トランスやノイズフィルタのコアに使われる、と説明しています。抵抗率が高ければ、周波数の2乗で増える渦電流損を抑えられます。材料メーカーの資料によると、飽和磁束密度はほかの軟磁性材料より低くなります。商用周波数の大きな鉄心には電磁鋼板、高周波の小さなコアにはフェライト、という使い分けです。
このほか、鉄とニッケルの合金(パーマロイと呼ばれる)があります。JIS C 2531(鉄ニッケル軟質磁性材料)は、電子機器の磁心や、磁気を遮る部品に使う材料として規格を定めています。
永久磁石の材料
永久磁石には、残留磁束密度と保磁力がどちらも大きい材料が向きます。日本電気技術者協会の解説講座から、代表的な3つを並べます。
| 材料 | 特徴 |
|---|---|
| アルニコ | アルミニウム、ニッケル、 コバルトを鉄に加えた合金。 |
| フェライト 磁石 |
鉄などの酸化物を 焼き固めたもの。 残留磁化は小さいが、 保磁力が大きい。 欠けやすい。 |
| ネオジム 磁石 |
ネオジム、鉄、ボロンが 主成分の希土類磁石。 磁力が強い。 さびやすいので、 表面にめっきをする。 |
フェライトという名前は、鉄心用のソフトフェライトと、磁石用のフェライト磁石の両方に出てきます。どちらも酸化物の焼き物ですが、保磁力の小さいものと大きいもので、別の材料です。永久磁石を回転子に使う電動機は同期機の原理と特性の範囲です。
半導体材料の位置づけ
半導体は、抵抗率が導体と絶縁体のあいだにあり、その値を不純物と温度で大きく変えられる材料です。しくみと回路は半導体と電子回路で扱っているので、ここでは材料として押さえる点だけを並べます。
- 不純物で種類が決まる。シリコンに、価電子が5個のリンやヒ素を加えると n形になり、電子が多数キャリアになります。価電子が3個のホウ素、ガリウム、インジウムを加えると p形になり、正孔が多数キャリアになります。
- 温度で抵抗が下がる。不純物のない半導体や、温度センサに使う NTC サーミスタは、温度が上がるとキャリアが増えて抵抗が下がります。金属は逆に、温度が上がると抵抗が上がります。不純物を多く加えた半導体では、温度の範囲によって抵抗が上がることもあります。
- 材料の主流はシリコン。電気学会の用語解説は、炭化けい素(SiC)について、シリコンよりバンドギャップが大きく、高温・高電圧・高周波で動かせて損失も小さい素子が期待できる、と紹介しています。電力を変換する素子はパワーエレクトロニクスで扱います。
取り違えやすい点の整理
| 話題 | 正しい見方 |
|---|---|
| 導電率の 1位 |
銅ではなく銀。銅はその次。 100%は標準軟銅の値で、 上限ではない。 |
| アルミを 使う理由 |
導電率は銅の約6割で、 よく通すからではない。 理由は軽さ。同じ太さなら 質量は銅の約0.3倍。 |
| 硬銅線と 軟銅線 |
導電率が高いのは軟銅線。 硬銅線は引張強さが大きい。 |
| 絶縁抵抗と 絶縁耐力 |
別の性質。絶縁抵抗が 高くても、高い電圧に 耐えるとはかぎらない。 |
| 絶縁油の 役目 |
冷却だけではない。 絶縁と冷却の両方。 |
| 耐熱クラス の順 |
アルファベット順ではない。 Y・A・E・B・F・H。 その上は N・R。 |
| 鉄心を 重ねる ねらい |
渦電流損を減らすため。 ヒステリシス損は、 材料の選び方で減らす。 |
| 軟磁性と 硬磁性 |
保磁力が小さいのが軟磁性 (鉄心用)。 大きいのが硬磁性 (永久磁石用)。 |
| フェライト | 鉄心用と磁石用は別の材料。 鉄心用は抵抗率が高く、 高周波で使う。 |
| 半導体の 温度と抵抗 |
不純物のない半導体や サーミスタは、温度が 上がると抵抗が下がる。 金属は逆に上がる。 |
理解度チェック
3問とも、この記事のために当サイトでつくった問題です。選ばなかった選択肢が、どんな考え違いから出てくるのかも、解答の中に書いてあります。
確認1|導電率から抵抗を出す
導電率61%の硬アルミ線がある。断面積が120 mm2、長さが3.0 km のとき、20 ℃ での抵抗[Ω]に最も近いものはどれか。標準軟銅の体積抵抗率は、20 ℃ で 1/58 Ω·mm2/m とする。より合わせによる長さの増加は考えない。
- (1)0.26
- (2)0.41
- (3)0.43
- (4)0.71
- (5)1.16
確認2|鉄損の内訳
ある電磁鋼板の鉄損を、最大磁束密度を同じにして測ったところ、50 Hz で2.00 W/kg、60 Hz で2.52 W/kg だった。ヒステリシス損は周波数に比例し、渦電流損は周波数の2乗に比例するものとして、50 Hz のときの渦電流損は何 W/kg か。最も近いものを選べ。
- (1)0.50
- (2)0.52
- (3)0.72
- (4)1.00
- (5)1.50
確認3|絶縁材料の記述
絶縁材料について述べた次の5つのうち、正しいものを1つ選べ。
- (1)耐熱クラスの指定文字を温度の低い順に並べると、A・B・E・F・H である。
- (2)SF6 ガスの絶縁耐力は、同じ圧力の空気とほぼ同じである。使われるのは、アークを消す能力が高いからである。
- (3)変圧器の絶縁油は、外気に触れても性質が変わらないので、劣化の管理は要らない。
- (4)絶縁抵抗計で測った絶縁抵抗が高い絶縁物は、絶縁耐力も必ず高い。
- (5)固体の絶縁物の中に薄い気泡の層があると、気泡には固体より強い電界がかかり、部分放電が起きやすい。
まとめと次に読むところ
- 導電率は標準軟銅(20 ℃ で 1/58 Ω·mm2/m)を100%とする。抵抗率は 0.017241÷(導電率/100)。
- 硬銅線は強く、軟銅線は曲げやすくて導電率が高い。硬アルミ線は導電率61%以上、密度は銅の約0.30倍。
- 抵抗材料は合金。発熱体にニクロム、測定用の抵抗器にマンガニン、熱電対にも使えるのがコンスタンタン。
- SF6 は絶縁耐力が空気の約3倍。絶縁油は絶縁と冷却を兼ね、酸素と水分で傷む。
- 絶縁物は熱・機械・環境・電気で傷む。気泡には固体より強い電界がかかり、部分放電が起きる。
- 耐熱クラスは、低い順に Y(90)・A(105)・E(120)・B(130)・F(155)・H(180)・N(200)・R(220)。
- 鉄心は、けい素で抵抗率を上げ、薄い板を重ねる。積層で減るのは渦電流損。アモルファスは鉄損が小さいが、飽和磁束密度が低い。
- 永久磁石は、残留磁束密度と保磁力が大きい材料。アルニコ、フェライト磁石、ネオジム磁石。
演習と、前後のテーマ
- 電気材料の種類と特性のミニテスト第1回:導電材料、絶縁材料、鉄心の材料、半導体の性質を問う5問。
- 第2回・第3回は追加の演習:けい素鋼板を使う理由、渦電流損と周波数、ニクロムとマンガニン、軟磁性と硬磁性、n形と p形、絶縁油の役目、フェライト、積層鉄心など。
- 電力系統の保護と安定:ひとつ前のテーマ。中性点の接地のしかたと、事故の見つけ方・切り方。
- 直流機の構造と原理:次のテーマ。ここから機械科目に入る。
- 架空送電線路:同じ抵抗にそろえた銅とアルミの比べ方、ACSR、がいし。
- 地中送電線路:CV ケーブルと OF ケーブルの絶縁体、水トリー、誘電体損。
- 変電所の設備:SF6 を使う遮断器、鉄損と銅損の負荷との関係。
- 直流回路の基礎:抵抗率の式の前提と、温度係数の基準温度。
- コンデンサの基礎と計算:誘電体が層になったときの静電容量。
- 磁気の基礎と電磁力:磁気飽和とヒステリシス。
- 電磁誘導とインダクタンス:渦電流損とヒステリシス損の式。
- 半導体と電子回路:n形と p形、pn 接合、温度と抵抗率。
- 変圧器の等価回路と計算と変圧器の構造と原理:鉄損と効率、鉄心と巻線。
- 電験三種の日程と科目合格のしくみ:いつ受けるか、合格した科目を何回持ち越せるか。
- 試験センターが公表している第三種の試験概要:4科目の内容。電力の最後に「電気材料」がある。
- 同センターが公開している問題と解答:材料が、どんな文章で問われてきたかを原文で読める。
- JIS検索(日本産業標準調査会):C 3001、C 3101、C 4003、C 2552 などの番号で検索する。閲覧には利用者登録が要る。
- e-Gov法令検索で読む、電気設備の技術基準の省令:絶縁油についての第19条第10項と第14項。
- 銅の特徴(日本銅センター):銅の導電率の位置づけと、IACS の説明。
- SF6 ガス(パワーアカデミーの電気工学用語集):絶縁耐力、消弧能力、使う圧力。
- アモルファス変圧器(同):鉄損が小さい理由と、大きくなる理由。
- 「絶縁油の管理」(日本電気技術者協会の講座):劣化の進み方と、4つの試験。
- 「油入変圧器の経年劣化と診断」(同):絶縁紙が寿命を決める理由。
- 「電動機の絶縁処理技術」(同):マイカ、エポキシ樹脂、真空加圧含浸。
- 「電動機の絶縁劣化診断と修理」(同):劣化の4つの要因と、部分放電。
- 「絶縁抵抗と絶縁耐力」(同):2つが別の性質であること。
- 「変圧器の銘板に学ぶ」(同):変圧器の耐熱クラスと寿命。
- 「電線の太さは何によって決めるか」(同):絶縁物の耐熱温度と許容電流。
- 「永久磁石の昔と今」(同):アルニコ、フェライト磁石、ネオジム磁石。
- 「鉄損」(電気学会の部門サイトにある用語解説):2つの損失と、電磁鋼板の記号。
- 「ガス遮断器」(同)/「SF6 代替ガス」(同):温暖化作用と代替の候補。
- 「生分解性電気絶縁油」(同):エステル系絶縁油の特徴。
- 「SiC パワー半導体デバイス」(同):シリコンとの違い。
- けい素鋼(日本機械学会の機械工学事典):けい素の量と、方向性・無方向性。
- 高けい素電磁鋼板の解説(JFE 技報 No.52、PDF):けい素を増やす利点と、約3%にとどまってきた理由。
- MnZn フェライトの解説(JFE 技報 No.26、PDF):ソフトフェライトの比抵抗と使われる周波数。
外部の資料は、すべて2026年10月4日に本文を読んで確かめました。導電率の基準と標準軟銅の値は JIS C 3001(1981年版)、線の導電率・引張強さ・伸び・抵抗・質量は JIS C 3101(1994年版)・C 3102(1984年版)・C 3108(2016年版)、温度による抵抗率の増え方は JIS C 3002(1992年版)、抵抗材料は JIS C 2520・C 2521・C 2522・C 2532(いずれも1999年版)、絶縁油の種類は JIS C 2320、耐熱クラスは JIS C 4003(2010年版)、電磁鋼板の記号と鉄損の上限は JIS C 2552(2014年版)と C 2553(2019年版)、鉄ニッケル合金は JIS C 2531(1999年版)によります。JIS は、規格の本文を転載している公開サイトで読みました。リンク先の JIS検索では、利用者登録をすれば原文を閲覧できます。規格は改正されることがあるので、使うときは最新の版を確かめてください。絶縁油、絶縁紙、マイカと含浸、劣化の要因、絶縁抵抗と絶縁耐力、変圧器の耐熱クラス、電線の耐熱温度、永久磁石は、日本電気技術者協会が公開している講座(音声付き電気技術解説講座)、鉄損・SF6 の温暖化作用と代替ガス・エステル系絶縁油・SiC は電気学会の電力・エネルギー部門の用語解説、SF6 の絶縁耐力とアモルファス変圧器はパワーアカデミーの電気工学用語集、けい素の量とソフトフェライトは日本機械学会の事典と JFE スチールの技報、ソフトフェライトの飽和磁束密度は材料メーカー(プロテリアル)の製品解説によります。省令の第19条は e-Gov の条文で確かめました。層が重なったときの電界の分かれ方と、球形の気泡の倍率は、電磁気の式から計算したものです。計算例3の内訳は、規格の上限値を2つの式に当てはめた目安で、実測値ではありません。書いているのは、電験三種を独学で勉強している者です。材料をつくる仕事や、設備を保守する仕事の経験から書いたものではありません。
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。